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KOK勝手に応援企画2021年大会出場者紹介(2)~Yella Goat

はい。ということで久々にやるこの紹介だが、今回は若手ラッパーたちにスポットライトを当てようと思う。

ラップが「うまい」MCが増えた

近年、フリースタイルダンジョンなどでも分かるようにラップのフリースタイルという分野においてとてもスキルフル、あるいは言い回しの上手いMCが増えたと思う。
例えばYouTuberとしての活動が有名ながーどまんに、音源をほとんど出さずとも言い回しの上手さは特筆すべき部分があるミメイ、オラオラ感を出す一方で韻が固く優等生的なラップをするT-TANGG。
AuthorityにS-Kaineもまだまだ若手と呼んで差し支えない世代だろう。

他にも、高校生ラップ選手権での活躍が印象的なHARDYや百足、Novel Core、Red Eyeに裂固、Lick-Gに9for、T-PablowとYZERR兄弟も高校生ラップからの出身だ。
フリースタイルダンジョンでは100万円も獲得したMC★ニガリ a.k.a. 赤い稲妻は唯一の連覇経験者でもある。

ただ、どうしても「魅力的なMC」という枠で必ずしもヘッズの心を掴み切れているかどうかは疑わしい。全体のレベルは上がった一方で、人気商売でもあるMCバトルではちょっとうまいだけではどうしても勝ち上がることが難しい。
「ただうまいだけのMC」では“勝つ”ことが出来ないだけでなく、そこから先へと進むことはできないのだ。

若手MCがベテランMCに勝つためにはどうすれば良いか?

何よりも若手MCがどうしてもベテランと比較した時に勝利することが出来ない要因が一つある。それは「プロップス」、すなわち人気があるかどうかである。知名度が無い中で快進撃を見せることが出来る例も無いわけでは無いが、極めてレアなケースと言える。

そのレアケースの一人でもあるAuthorityは自分が後輩であることを逆手にとって、それでも勝ち上がるという意思と姿勢を見せた。また、ステージを降りれば「東北の純粋な子」としてヘッズの共感を得た。
S-KaineはRAWAXXXとも楽曲を作成するなど、その格好良さから多くのMCに評価を得た結果、見事にプロップスも勝ち取った。
裂固もフリースタイルダンジョンでの成長が高く評価され、UMBでもベスト4まで入るところまで成長した。

当然、どこで誰が見ているかが定かでない以上、地道に活動するしか方法は無いわけだ。だからこそ、自らのスタンスが見えなかったり、バトル以外で活動している様を見ないMCはとどのつまり陽の目を見ることも出来なくなるわけだ。

それと、続けることが出来る本人の根気も必要となるわけだ。まあ何にでも言えることではあるが……。その中でまた一人、煌くものを持ったMCがバトルに帰ってきた。

それが今回のKOK2021に駒を進めた男である。

Yella goat

1999年生まれの22歳、茨城県出身で高校生ラップ選手権にも出場していたMCの一人。U-mallowと名乗っていた2019年には凱旋MCバトル夏の陣で準優勝、フリースタイルダンジョンではJUMBO MAATCHに勝利、IDにも素晴らしい戦いを見せ名を挙げた。
その後名前を変え、楽曲制作に精を出していたようだが、2021年の戦極MC BATTLE U22にて復帰し、見事に優勝を成し遂げた。

実績もさることながら、高い音楽性に裏打ちされたフロウと、おおよそ即興とは思えないほど格好いいライム。それが武器であったU-mallow時代からYella Goatと名前を変えてからはラップの雰囲気がMU-TONっぽくなっているように感じた。
あこがれているのかどうかは分からないが、あれはMU-TONのリズムキープ力と抜群の間の取り方によって生まれる技でもあるだけに、スタイルチェンジが彼のフリースタイルにどう出るか。

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