SLAM DUNKの名将、田岡茂一

わたしと『スラムダンク』が出会ったのは、小学校4年生の時でした。当時所属していたミニバスチームの友だちのお父さんが貸してくれたんです。単行本じゃなくて、もっとしっかりした完全版のタイプ。そして小学校5年生の時に、父が単行本を買ってくれました。何度も読んで、すっかりハマってしまったのを覚えています。

『スラムダンク』には、数多くの監督が出てきます。皆さんお馴染みの安西、海南の高頭、翔陽の藤真、豊玉の金平、山王の堂本。

そんな魅力的な指導者がたくさんいて尚、陵南の監督である「田岡茂一」の人間性は、際立っていると思います。

田岡は、選手一人ひとりと信頼関係を築ける監督なんですよね。作中であまり試合に勝てている印象はないですけど、この監督の元でプレーする陵南の選手は、良い人に指導してもらっているな、という印象です。

まずはキャプテンの魚住ですね。2メートル超えの恵まれた体格を持ちながら、陵南に入部したての頃は、練習にもついていけないほどでした。加えて、チームメイトからは「アイツはデカいだけ」と言われる始末。心が折れて「もうやめます」と泣いた魚住に対し、田岡が掛けた言葉、これが素晴らしいんですよ。

でかいだけ?結構じゃないか

体力や技術は身につけさすことは出来る、、、だが お前をでかくすることはできない。たとえオレがどんな名コーチでもな 立派な才能だ

魚住の存在をしっかりと褒め称えた上で、田岡はこう続けます。

魚住よ、、、お前が3年になった時 陵南初の全国大会出場───オレはそんな夢を見ているんだ、、、

辛い胸のうちを泣きながら打ち明けた魚住に対し、心に秘めていた自分の「夢」を語る田岡。そして、その夢の実現には魚住が必要なんだと暗に訴えているのです。これほどまでの激励の言葉、一人の学生を肯定する言葉があるでしょうか?田岡の人間性が光る場面だと思います。

次に福田ですね。田岡は当初、「仙道(陵南のエース)は褒めて、福田のことは叱って伸ばそう」と考えていました。そのような考えから、福田のことを叱り続けた結果、福田は田岡にほわちゃあと暴力をふるい、謹慎処分を受けることになります。福田は繊細な上に承認欲求が強く、むしろめちゃくちゃ褒められたいタイプだったのです、、、わかるよフッキー。

指導ミスがあったとはいえ、ただ面倒臭い性格の奴から暴力を受けた被害者側の田岡は、何と言ったのでしょうか。

オレのミスだった、、、

これができる人って、何人いるのって話ですよ。わたしなら無理です。わたしが田岡の年(41歳)になったとしても、厳しいかもしれないですね。自分のあやまちを認められ、相手のあやまちを許せる(この出来事以来、福田を褒めるようになり、平等に評価した上で試合に出している)田岡は、人間できています。

そして田岡の良さは、福田との会話の中にも出るんです。

実力者海南との試合の中、大黒柱の魚住が退場。攻守ともに、エース仙道には負担がかかります。その負担を軽減するために、海南のエースを仙道ともう一人で守らせようと動いた田岡に対し、福田が言葉をかけます。

仙道のプライドが傷つく あいつはきっと負けない

田岡はこの言葉を聞いて、海南のエースに仙道だけをマッチアップさせます。もちろん、「仙道のプライドが〜」は福田の名言なんですけど、それを聞き入れた田岡がすごいと思うんですよね。福田のバスケット歴は浅く、しかも指導歴はありません。本当に、ただの学生。加えて過去に、福田は自分に暴力をふるっているのです。そんな相手から言われた言葉を真摯に聞ける度量。このような人こそ、上司にいてほしいです。

そして最後に。

「陵南の練習は、どこの高校よりもキツい」という描写が漫画中にありました。そんな陵南ですが、全国に一度も出たことがありません。全国出場高校ならまだしも、Aランクの高校ではない高校での辛い練習に耐えるのって、正直わたしなら嫌ですね。それでも多くの学生がついてくるのは、田岡の人柄によるものも大きいのではないでしょうか?

田岡にはね、他にも名言がたくさんあるんですよ。でもそのへんを全て取り上げると長くなりすぎてしまうので、他のサイトを見てみてください。やっぱり田岡、最高!

そして日本代表、おめでとうございます!!!これを一番書きたかったんです🌟

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