最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常 感想

・秘境とは(コトバンクより)
外部の人が足を踏み入れたことがほとんどなく、まだ一般に知られていない地域。

一番に感じたことは、こんな人達と一緒にいたら毎日楽しそうだということです。なんだか読みながら私は小学1年生の春を呼び起こされたような気分でした。

私は芸術を見るのも作るのも好きですが、小さい頃から図工や美術でいいと思って夢中で作ったものが評価されたことはあまりなくて、どちらかというと絵は先生に手直しされてばかりの子供でした。そんな時もあって芸術に興味はあるけど近づきずらい遠い存在に感じていました。

本を読んでいて、芸術を鑑賞するときだんだんとその人の考えていることや性格が知りたいと思うようになるのは自然なことなのかもしれないと思いました。自分の好きなことを極めようと一生懸命イキイキと輝いているように感じて、見ているだけでも気持ちが救われる気分です。

どんな気持ちで向き合っているのか、どんな生活を送っているのか、それとも肌で感じた本能のままに行動しているのか、今回知ることができて良かったと思います。

また、鑑賞するだけだと気づけなかった思いにこれまで沢山すれ違ってしまったのかもと思うと、とても勿体ない気がします。この本のように作品への思いや背景の話をもっともっと沢山聞きたいと思いました。

私が特に印象に残っていることは音楽環境創造科の方のお話です。お話しする一つ一つの言葉に重みがあり、肌で感じることを言葉にしようと丁寧に丁寧に伝えようとしていることがひしひしと伝わり、なんだかほっこりしてしまいました。