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CHAIの可能性の証明

年初NHKのドラマ「恋せぬふたり」の予告番宣のバックでかかっていた曲に耳が止まった。自分のセンスに引っかかるものってどんなに小さな音でも、他の事をしていても気づくことってありますよね?それがCHAIだったのです。

N.E.Oかわいい!をコンセプトに

CHAIは双子のボーカル、キーボードのマナ、ボーカル、ギターのカナのツインボーカルと、コーラス、ドラムスのユナ、コーラス、ベースのユウキの4人のバンドで、「コンプレックスはアートなり」を前面にNEOかわいいを作品の中に盛り込んで注目を集めている。

コンプレックスを自分を輝かせるかわいい(武器)にしていく、と言う一見分かりやすそうで、実は真正面から実践している人っていそうでいない。

「私たちがコンプレックスをばねに堂々と、自信に満ちた活動で世界でトップになることで、同じようにコンプレックスを持っている人たちの勇気に変えたい」(主旨)といろんなインタビューで答えているし、まさに実践しており、ワールドツアーも周り世界からもそのセンスを高く評価されている。

自分はNHKの番宣きっかけで知り、早速CHAIをYouTubeでチェック。即効とりこになってしまった。新たな価値観の提唱も共感できることに加え、そんな価値観を持っているがゆえに実現しているだろう音楽への姿勢、センス、才能のかたまりだ!

固定観念からの脱却

彼女たちのバンドでのスタイルも進化し続けているようだ。

デビュー当初からはライブでの演奏やパフォーマンス、メッセージの伝え方に重きを置いていたようだが、コロナ禍での音楽制作をきっかけに、音楽そのものとの向き合い方、制作方法も変化しており、加えてコラボするミュージシャンや外国のプロデューサーを迎えたりとどんどん新しい挑戦でえぐい作品に仕上がっている。

スタジオライブでのパフォーマンスもえぐい。

ドラマーのユナはドラムだからって定番の背後にセットするなんて事はせず、画面の右側にセットされている。(これを最初に見たのは、20年ほど前のTOTOのジェフポーカロが生きていた頃、ステージの右端にステージ中央を向いて客席に横向きの状態でセットされていて度肝を抜かれたっけ)

そしてドラム脇にパッドを置いて曲によってはセットではなくパッドをメインに使用する。

ベースのユウキは、ベースを弾いたり(これも結成時にベースのパートがあいてたから始めたにもかかわらず、上手いしセンスが良い)moogでシンセベースを弾いたり、曲によってはギターのカナの位置と変わってカナのmicroKORGを弾いたりする。そしてCHAIの楽曲の全ての歌詞は彼女によって紡ぎ出される。

ボーカルとギターのカナ。双子のマナの鼻歌のメロディーにコードをつけ楽曲の全体の形を作る。そしてギターのほかに右手側にmicroKORGを置き楽曲によって弾き分ける。時にはマナの位置と入れ替わりマナの代わりにシンセ(KORG X50)を弾くこともある。

ボーカルとキーボードのマナ。曲の顔であるメロディーを生み出し、バンドの先頭にたって推進力を発揮している。CHAIのエンジン。

そして4人は曲によっては演奏すらせず、音源を流して4人でダンスパフォーマンスをする。(これがまたエグイ♪)彼女たちにとってその時どきに表現したいものを最優先にする。音楽も、ダンスも、衣装も、全て表現したいものの中のひとつであり、私はこれしか出来ません、これしかしません、では無いのです。出来ることは何でもやってみる。

彼女たちの固定観念にとらわれないスタイルの全てに共通することは、自分がどう役割に貢献するか?であり、それがそのままCHAIそのものになるということだ。

普遍的な“かっこ良さ”と世代の持つ感性

若い人たち(なんかこの言い方いやだなぁ・・・汗)って、意外と古い音楽をさかのぼって聴いていることが多々あるようだ。CHAIの4人も自分が高校時代に聞いた曲に影響を受けていたりする。彼女たちが生まれる20年以上も前の曲たちだ。

じゃあ、その影響にあれば我々と似たセンスのものが出てくるかといったらそれは違う。影響はあるとは言っても、ベースは今の時代を生きてきた世代感があっての影響がゆえに、どこか共通する普遍的なかっこよさを持ちながら、それでいて我々では出てこないアイディアや、解釈になるのがまたワクワクさせるところなのだ。(うらやましぃ~♪)

そして自分を振り返るとき

そんな彼女たちの才能に惚れ惚れしながら、自分を振り返ったりしてみる。いいなぁ~、若いって(笑)自分も色々既存の価値観に反発していたなぁ~、そおいえば今でもそおだなぁ~(苦笑)でも、いつの間にか、常識的な安全パイを選択しなくてはならない思考もあるなぁ~っと。

でも落ち着け。今ここに至るのは、様々な経験や蓄積によるところも大きく、ただただ妥協で来たわけでは決して無い。

若い世代の影響を逆輸入しながらも、自分たちの世代にしかない共通語や世代感を捨てる必要は無いわけで、自分にしっくり来る音楽を表現できたら素晴らしいのかなぁ~と改めて思うのでした。

N.E.Oかわいいから思い出させてもらったこと

目が二重だからかわいい。鼻が高いのが、スレンダーなのが、背が高いのが、などなど、そおじゃ無きゃいけないとの強迫観念が商品を売るねたになっていて、その美の基準自体を否定しないが、商業ベースの価値間に引っ張られて自分の自身をなくしたり、人間としての価値が下がるものではない!み~んなかわいい!みんなそのままで素晴らしい!というのが 彼女たちのメッセージ。それが音楽のスタイルにも強く結びついている。

そして思い出したんです。自分もそおだったって。

自分もコンプレックスのかたまりだった。音楽は大好きだけど、自分はこんなスタイルですって、ひとつに決められない。宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999のサントラも好きだし、YMOやJapanも好きだし、TOTOも好きだけど、YESやキングクリムゾンも大好きだし、スガシカオも好きだけど、土岐麻子も好き、POLICEも好き、そして最近はフレデリックやCHAIにも夢中。

どんな感じのをやりたいの? 答えは全部!

ジャンルが好きなんじゃなくて、好きだと思う音楽が好きなだけだから。それでいいよねぇ。それがいいよね♪と彼女たちを見ていて改めて自分を確認できたし、合点がいったのでした。

話は戻るけど、CHAI、ほんとに最高!仲の良さそうな4人、自身に満ちた彼女たちの生き生きとしたパフォーマンスはほんと魅力的でキュート。どんなパリコレモデルよりも美しく自分には見えました!(パリコレモデル知らないけど・・・汗)


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