ピンポン録音とDAW
現代のご家庭で、パソコンは必ずある時代になりました。
何でも出来るパソコン。
今やレコーディングにおいてもパソコンでDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使用してレコーディングするのが当たり前であり、プロ、アマ問わず自由な創作活動に多大な恩恵を受けていますね。
多重録音の原点 ピンポン録音
ピンポン録音とは2台のラジカセを使って、一方に録音したものを流し、それに合わせて演奏を重ね、もう一方のラジカセで録音をする手法のことで、自分が学生の頃はこの録音方法がデモテープつくりの手法でした。
しかしパート数を重ねるにつれて音質は下がるのは当然です。そこで、録音時の音割れをしないようボリュームバランスや、トーンを明るめに設定するなど工夫を凝らしたものでした。
ただこんな原始的な録音方法であっても、音が重なっていくときのわくわく感は相当なもので、完成したときの喜びもひとしおでしたね♪
そのうちカセットテープを利用したマルチトラックレコーダーが登場したときは衝撃的でしたね。
最初は4トラック(別々に録音できる本数)ものが出て、そして8トラックが登場して、録音媒体がカセットテープからDATになりハードディスクになり、ジャズドライブなんてのもありましたね。
夢中で録音しまくりましたね。
やがてDTMが登場し、シーケンサー機能のみから音声の録音が可能になり、PCの性能とHDの大容量化に伴いチープだったVST-i(ソフト音源)も今では単体ものの楽器をしのぐ音質になり、ギターのVST-iによる再現度も驚きのレベルにまで来ています。
もおこうなるとプレイヤーとしてのアイデンティティーってなに?ってなりますよね。
ワクワク♪に勝る説得力なし
しかし、どんなに環境が整っても、クリエイトする側の情熱が無ければよい作品にはならないことは動かしがたい事実です。
レコーディングあるあるで、1テイク目が一番良かったりするのも、ヒラメキが新鮮なときであるからこそ、そのパッションが絶妙にテイクに反映するのでしょう。
ローリーさん(元すかんち)がインタビューで、「レコーディングするとき練習をすればするほど、上手くなってしまって、余計なことをしたくなってしまう」といった趣旨の事をおっしゃっていましたが、つまり今その楽曲を初めて合わせている楽しさが、慣れによって違うベクトルに向いてしまうのだと。その通りだと思います。
また、小田和正さんもオフコース時代に番組のインタビューの中で「出来れば最期まで全部録りなおしたいと思っている。でもやり直したからって、前より良くなるとは限らない。」とおっしゃっていました。
ついでに触れておくと、80年代に一気に発展したシンセサイザー群もまさにそれですね。まあ、シンセについてはまたの機会にしたいと思いますが。
いずれにしても、その時々のワクワク感がなせる創作の衝動こそ最高のスパイスなんだなと改めて思う訳です。
それにつけても、そうした刺激やワクワクを感じ、発信できる好奇心は枯れないでいたいなぁと常々思います。年齢とともに、まぁ~いいかぁ、となりがちですからね。その意味では「こだわりの強いメンドクサイ奴」でも多少はいいのかなぁ~なんて自己肯定したいと思う今日この頃 ♪
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