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インドネシアの島めぐり15日目 最南端の島ロテ島で夕日を見る

ロテ島はティモール島のクーパンから船で2時間ほどの場所にあり、有人の島としてインドネシア最南端にある。それは同時にアジア最南端ということにもなり、ここから先はオーストラリア=オセアニアだ。
北は中国の黒竜江省から始まり、この島で終わる。

ロテ島に行くスピードボートは朝9時発だが、7時半には港についておいた方が良いと聞き、ホテルを7時に出発した。
クーパンは大きな街だけあり、グラブが普通に使える。港まで7キロで28,000ルピア(280円)だった。しかも5分程度でやって来た。

チケット売場が開いたのは7:20、乗船したのは8:30。チケットはVIP席302,000ルピア、普通席217,000ルピアで、VIP席にする。
海外からの旅行者やインドネシア人の金持ち観光客を見つけようという作戦だった。

作戦は失敗に終わった。観光客は誰もVIP席にはいなかったのだ。

普通指定席とVIP席の差はエアコンの効きの違いと、食事と水が出るかの違いくらいなので、VIPにする必要は全くないと思った。優先搭乗とかあれば別だが、奥まったところにある分、かえって時間がかかるくらいだ。

船は定刻の9:00から20分遅れて港を出港した。順調な滑り出しだ。
左側にティモール島を見ながら進み、途中からはロテ島を見ながらスピードボートらしく滑るように進んでいく。

外から海を見たいと思い船員に聞いたら、船の後部に出られるところがあるというので行ってみた。
そこは数席しかスペースがなく、すでに地元の男どもに占拠されていたので写真だけ撮って戻る。

船がロテ島についたのはちょうど2時間後の11:20だった。

わたしは待っている間に親しくなった地元の人に行き方を教わったばかりか、ベモ(乗り合いバス)の運転手まで見つけてもらい、サーファー宿の集積するNemberalaという海辺の集落へと向かった。
本当に助かった。100,000ルピアで済むのでかなりの節約になる。

ベモの運転手は大人だけどBoyという。ベモにもMas Boyと書いてある。
いつものようにしょっちゅう荷物の積み下ろしで止まるのだが、申し訳なさそうな顔をしながら、ちょっと待ってねというので、好感が持てる。

わたしは今日の宿を決めていなかった。
AgodaもBooking.comもAir B&Bも、宿代が500,000ルピア(5000円)以上のところばかりで、行ってから交渉しようと思っていたのだ。

ベモの運転手と客に「Nemberalaはホテルが高すぎるよね」と言ったところ、安いのもあるという話になり、では安いところを紹介してほしいと依頼し、「Talenta Mas」という宿を紹介してもらった。
エアコン付きで1泊200,000ルピアだ。エアコン無しは150,000だったが、暑くて寝られないのはつらいと思い、エアコン付きにした。
わたしはここのご主人の顔つき、喋り方、表情が気に入り、きっと信用できる人物に違いないと思った。

主人から、「ここにサーフィンをしに来たのでなければ何をしに来たのか」と言われて、「最南端が好きなだけなんだ。ただいるだけで満足だ。」と返したら、本当の最南端の島「ンダナ」に漁師の船で行けると教えてもらった。
友達に声をかけてくれ、少しねぎって120万ルピア(1.2万円)で行ってもらうことになった。かなり高いが、ここまで来たら見てみたい。
アメリカ最北端の町バローで500ドル払いキャタピラー車をチャーターしたときよりはずっと安い。

最南端には明日の朝7:00出発となり、すっかり満足したわたしは暑い中ぶらぶらしてみた。
町は波が高いシーズンを終えてサーファーたちがいなくなってしまったようで、非常に静かだ。レストランやカフェは閉まっており、住人達は木陰の特等席にイスを並べたりゴザを並べてだらだらおしゃべりしながら過ごしている。

たまにスクーターが通るくらいで車もあまり走っていない。

わたしはこの町がとても気に入った。住民達はフレンドリーなうえ、景色も空気も気持ちが良い。時間がここだけゆっくりと進んでいるように感じる空間だ。
インドネシアにいることを忘れてしまうし、海外を旅行していることも忘れそうになる。

夕方になりお腹がすいてきたので部屋を出てウロウロしていると、宿のおばあさんから海で泳いできたらどうかと言われた。
まるで、ひとっ風呂浴びてきたらどうかという風に聞こえたので、夕日を楽しみながら海に浸かるのも涼しくてよかろうと思い、砂浜に行ってみた。

昼間は無人の砂浜だったのに人がおり、日が沈むにしたがってどんどん増えていった。地元では海は夕方以降に入るものらしい。

わたしは波の小さな遠浅の海に入り、ちょうど肩までつかれる深さまで進むとそこで座り、太陽が白から黄色、オレンジと色を変えながら沈んでいくのを堪能した。

そして同じことを明日も明後日もやろうと決めた。

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