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インドネシアの島めぐり16日目 本当の最南端ンダナ島へ行く

ロテ島は有人島としてはアジア最南端にあるが、軍隊が駐留する本当の最南端の島があり、漁船をチャーターしていくことができる。
ンダナ島という。
わたしは定価150万ルピアをオフシーズン割引で20%引きにしてもらい行くことにした。

朝7:00に時間通りにアディ船長が迎えに来てくれた。海の男は時間に正確なのだろうか。

ところが、浜に出てみるとすっかり潮が引いており、多くの船が浜に打ち上げられている。船長の船も例外ではない。
どうやら船長は潮の満ち引きのタイミング見誤ったようだ。

30分待てば潮が満ちて動けるようになるというので待った。
20分くらいで船長は海に浸かりながら脱出口を探し出し、無事船に乗り込み出発した。
まずは沖に向かって進み、十分な深さを保った後、岸に沿って南東に進む。

波が砂浜に沿って長く続き、サーフィンの上手な人はこの波を捕まえてどこまでも進んでいけそうだ。
でも、サーファーは1人も目撃しなかった。サーフィンに適した大きな波は3月に始まり10月に終わるそうだ。乾期がシーズンなのだろう。

しばらく行くと前方にンダナ島が見えてくる。

左がロテ島、右がンダナ島

島を左手に見ながら進むと、船は徐々に速度を緩め浜に近づいていく。浜にゲートらしきものが見える。

船長によれば、訪問者はこの島に駐留する軍に報告をしなければならないとのことだ。
しかし潮の満ち具合が足りず、船が浜に近づけないため、しばらく船の上で待つ。

海に目を転じると綺麗さに驚く。
ダイビングをしないのですごさの説明が難しいのだが、様々な形のサンゴが取り巻いており、小さな魚が泳いでいる。

人が住んでいないというのは自然界にとっていいことなのだろう。

ようやく島に上陸する。
写真を撮ってから、軍隊のいる建物へと向かう。乾燥地帯でとてもインドネシアの景色とは思えない。
オーストラリアにいますと言われても驚かないだろう。枯れ草と灌木が続いている。

建物に行くと3名ほどの隊員が現れた。1人は上半身裸、1人はTシャツで、南国に駐留している軍隊らしくのんびりとした感じだ。
名前、滞在先、電話番号を答え、インドネシアで何をしているのか説明した。
明るく礼儀正しい人たちで、船長がタバコを与えようとしても受け取らない。

島のどこに行くつもりか聞かれて、最南端の碑はここから遠すぎ、スディルマン将軍像は興味がなかったので、浜で海に入ってゆっくりしただけで戻ることにした。
島の住民が仕返しで皆殺しにされ、その時に血で真っ赤になったという「赤い湖」もあったが、気味が悪いので行かなかった。

波は朝より昼の方が高く、うねっていた。それでもやはりサーファーはいない。

ホテルに戻ると、溜まっていた洗濯をし、島で食べるように用意してもらっていた弁当をビールを飲みながら食べ、昼寝タイム。

この島はとても居心地が良い。住民の距離感が最高なのだ。
観光客に慣れているためか、こちらの存在に気づいていながらむやみやたらに声をかけたり近づいたりしない。

その上オフシーズンで活動が低下しているため、時が止まったかのような異次元空間が出来上がっている。

わたしはこの地区で唯一満足に回線が繋がるNarrow Cafeに、昨日と同じように2キロ歩いてやって来て、こうしてNoteをアップしようとしているのだが、すでに今日3本目のビールを飲んでいることに気づいた。

多分夜も飲むから4本になる。ここはとにかくビールもうまい。

だが、ここに居続けるにはわたしはまだ若すぎるし、やることもありすぎる、という気がした。正直にいうと、ハマっていく自分を想像して少し怖くなったのだ。
年末年始はこの最高の場所で過ごそうと思っていたが、自分に鞭打ち旅立つことにしよう。

みなさま良い年末をお過ごしください。

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