インドネシアでブームが来そうな日本食 7回目 Takoyaki
長らく中断しておりました、インドネシアでブームが来そうな日本食シリーズ7回目でございます。
今回は「たこ焼き」を取り上げたいと思います。
もうかなり普及しているので、ブームが来そうという分類に入れてよいか迷ったのですが、普及した感のあるカレーもカツもやっているので、たこ焼きも入れてしまいます。
たこ焼きがどれくらいインドネシア人に浸透しているかというと、「Takoyakiって日本食だったの?」と驚かれるくらいなじんでいます。
よくおでんも日本食ではないと思っていたと言われるのですが、それは韓国料理と思っているからであって、たこ焼きのような無国籍感はありません。
なぜたこ焼きを日本食と思わないのかは謎です。
日本語で「たこ焼き」と店や屋台に表示しているし、かつお節がかかっているのになんででしょうね。
「イラッサイマセ!」と店員たちが大きい声であいさつしてくれているのに、まったく聞いていないインドネシア人が結構いるのと似ているのかもしれません。読めない文字、意味が分からない言葉は、脳が遮断してしまうのです。
1.インドネシアでなぜたこ焼きが浸透したのか(考察)
(1)ひとつは、インドネシア人が小腹がすいた時にちょっと食べ物をつまむ習慣を持っていて、はまったのだろうと思います。
彼らの感覚として、道端に並ぶ屋台のなかから、今日の気分はたこ焼きだな(ちょっと贅沢)と選んでいると思います。競合商品は、チモール、チレン、チロックといったタピオカ粉系や、ピサンゴレン、タフゴレン、テンペゴレンといった揚げ物系になります。
友人とシェアしながらつまむのにちょうどいいんですね。
(2)二つ目は、インドネシア料理の中に似た食べ物があったので、違和感なくすんなりと入ってきたのだと思います。モチも同じです。
20年前にわたしがジャカルタに駐在していたとき、わたしはうちの社員と定期的に夕食会をやっていて、年に1回は日本食に行きました。
そのときにたこ焼きがメニューにあったので、試しに食べてもらったら、おいしいと言っていて、インドネシア料理で似た料理があると言っていました。
丸い形をしていて、揚げている食べ物があるので、味というより形状が似ているという意味で言っているんだと思います。
味については、たこ焼きや焼きそばのソースはインドネシアになく、独特の味に感じるはずですが、ドロッとしていて黒いソースといえばケチャップマニスがあり、こってりした甘味のあるソースなので、慣れているかもしれません。
2.インドネシアのTakoyakiと日本のたこ焼きの違い
一見すると分からないのですが、作っている様子をよく観察すると気付くと思います。
インドネシアのたこ焼きは途中で追い油をします。
日本だと最初に鉄板に油を慣らして焼き始めると、そのまま焼き続けて終わりですよね。
インドネシアの場合、焼き続けて完全にボールの状態になったら、まんべんなく油をかけます。
どうなるかというと、油で揚げたようなカリカリ感が強くなります。
揚げ物好きのインドネシア人らしい工夫と思います。
わたしが他に見たのは、ボール状になったあと、卵液を表面にまぶして焼くパターンです。この場合もやはり追い油をします。
他の違いはバリエーションが多いこと。
メンタイマヨネーズ、チーズのせなどあります。タコじゃない具材を選ぶケースもあります。
あと紅ショウガは入れないです。
3.インドネシアのTakoyakiはおいしいのか?
普通においしいです。
これは正直驚きました。
もちろん、本当においしい大阪のたこ焼きには負けますよ。でも日本の普通のたこ焼きには全然負けていません。
焼き方さえ間違えなければ、味はソースベースなので不味くしようがないからかもしれません。
わたしは入社1年目から2年目の途中まで大阪支店だったので、大阪のおいしいと言われるたこ焼き屋は先輩に連れて行ってもらったりして食べ歩きました。
正直に言うと、最初は味の違いが分からなかったんです。まだお好み焼きの方が分かりやすかった。
でも、食べているうちに、焼き方の違いに気づくようになりそこからはおいしいたこ焼きと、おいしくないたこ焼きが分かるようになりました。
広島支店にいたときは、最初のころ広島のお好み焼きのおいしいのと不味いのの区別がなかなかつかなかったですから、そういうのに弱いのかもしれません。
でも味覚は人それぞれなので、あまり人の評価を気にしてもしょうがありません。自分がうまいと思えばそれでいい。
ひとつだけ言うとすれば、あくまでもわたしの短い経験ベースですが、屋台の方がレストランのたこ焼きよりおいしい確率が高いと思います。
やっぱりたこ焼きは焼きたてが一番おいしいんです。時間がたつとたこ焼きは萎んでくるし、外側のパリパリ感も失われます。
レストランは焼きたてを出してこない時があるんですよ。これにはがっかりです。
特に要注意は寿司屋チェーンです。冷たくなった餃子を出してきたときがありますから。まあそもそも寿司屋でたこ焼きや餃子を食べるなというだけの話なんですけどね。
あと、たまに間違ったソースの時があり、残念な味になります。
これは屋台でたまにあります。経費削減で、安いソースを使っているかも知れません。
4.バンドンのたこ焼き屋
Google mapでTakoyakiと入れた結果です。屋号にTakoyakiが付く店が、これだけあります。
屋台が入っていないのと、日本食レストラン、寿司屋、ラーメン屋が抜けているので、たこ焼きを食べられる場所はこの10倍はあるでしょう。
例えば、日本のホカホカ弁当から始まったHokBenにもたこ焼きメニューはあります。HokBenはバンドンだけで20店舗あります。個人的にはここのたこ焼きは好きな味ではないです。ここのラーメンもいまいちなので、わたしの味覚とは相性が悪いかもしれません。それだけ味をローカライズさせているということの現れなので、戦略としては正しいと思います。
ある餃子屋で食べたたこ焼き
次のテーマはまだ決まっていません。かなり時間があくと思います。
寿司、ラーメンはやってもあまり面白くないうえ、似た記事は書いてしまっています。
日本のお菓子、抹茶味、のり風味あたりは材料を集め始めてはいます。でもちょっと小粒なんですよね。
から揚げは最初考えたのですが、やめました。たぶんおいしく作れないから普及しないと思います。インドネシアの鳥から揚げの方がずっとおいしくなってしまっています。
天ぷらもレベルが低いんですよ。たぶん揚げ物系はうまくいかないと思います。揚げ物文化が強すぎて、インドネシアの揚げ物に引っ張られ、その結果まずくなるという展開になっています。
まだまだこれからですが、ポテンシャルがあるのは「タイ焼き」かなとは思っています。あとは「焼きいも」。
あとは、なぜやらないのかなと思っているのは、大阪の串カツ食べ放題です。インドネシアの揚げ物好きを考えれば、しゃぶしゃぶや焼肉食べ放題より成功するような気がします。
串カツはセルフではなくプロに揚げてもらうものという意識が強いとか、揚げ物を毎日食べているので、外食に必要な非日常感がないとか、何か理由はあるかもしれません。
10年以上たって所得が増えれば、ウナギが来ると思います。絶対にインドネシア人が好きな味です。
以上です。
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