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最難関中合格の秘訣 親の役割・塾の役割

(9回目)
Ⅲ.最難関中突破のための親の心構え     
 受験生の親がやるべきこと・やってはいけないこと、最難関中突破のための親の心構えを7つの項目に分けてまとめました。

[1] 親がディレクターになってはいけない!
[2] 「大人の受験戦士」になってはいけない!
[3] 親はわが子の「マネージャー」であれ!
[4] 子どもの学習環境を把握する!
[5] 親は親の「生活の柱」を持つ!
[6] 父親と母親は役割を分ける!
[7] マネージャーに徹する7つのポイント!

[1] 親がディレクターになってはいけない!
 親が何故ディレクターになっていはいけないかというと、親すなわち本人が受験の当事者になってしまうと、冷静さを失うからです。実は受験においては当事者になった方が精神的軋轢が少なく気が楽なのです。よく受験生を持つ保護者からこんな言葉を聞くことがあります。「私はこんなに一生懸命頑張りましたよ。私が受験したら合格できると思います」自分も頑張った結果、学力的にかなり自信がついてきたという自負と自分で受験した方がよほど楽だという気持ちからそんな言葉が出てくるのです。しかし受験をするのはわが子です。親がディレクターになってしまうと、今、わが子に何を与えていいのか、与えてはいけないのかの冷静な判断がつかなくなってしまいます。
 また、受験では子どもの自立性、主体性がとても大事です。いつもは机の傍らについて指導できても、受験会場の中にまで入ることはできません。わが子はあまたの受験生のひしめく中で、最大限能力を発揮しなくてはいけないのです。わが子はたった一人で受験を勝ち抜かなくてはなりません。
 それなのに親がディレクターになって役者(子ども)に1から10まで手取り足取り教えるのでは、受験を勝ち抜くだけの自立心も主体性も養われません。以前、私も苦い経験をしました。
 希学園にどの試験でも100点を取る子どもがいました。難関の志望校も当然受かるものと思っていました。ところが本番で「あがって」しまい、大失敗したのです。その子どもに「何故あがってしまったのか」と訪ねると、「お母さんが横にいなかったから」と言いました。これは私も痛恨の極みでした。普段、お母さんが「ああしなさい」「こうしなさい」と手取り足取り教えてきたのがマイナスに働いたのです。
 最難関中に受かる子どもとは、親が「右向け」と言ったら、反対に「左を向く」ような子どもです。それくらい自分の意志がはっきりしていて自立心が強い子どもが受験を突破していくのです。
 受験は最終的に子どもが自分ひとりで勝ち抜くものです。親が映画監督のようになってしまうと受験本番で子どもは100%の力を発揮できません。監督は映画を撮るとき、役者に手の振り方、足の上げ方を一つひとつ指示します。監督が「右を向け」と言ったら、役者は逆らうことなく右を向きます。監督の要求にかなわなければ、もう一度撮り直しです。映画は撮り直しがききますが、入試にはやり直しがききません。そういう点でも、親はディレクターになってはいけないのです。
 次回は [2] 「大人の受験戦士」になってはいけない!について述べていきます。

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