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最難関中合格の秘訣 親の役割・塾の役割

(第5回)
Ⅱ.最難関中突破のための学習法
合格を決める学習歴の高め方

[3] 集中力はトレーニングで身に付く
 最難関中合格のためには日頃から高い集中力の中で学習することが大切です。それによって短時間で高い学習効果が得られますし、本番の入試で実際以上の実力を発揮することができます。希学園でもあらゆることにおいて集中力のトレーニングを行っています。
 単純なところではトイレは授業前に必ず済ませておくように言います。それは授業を受ける者のマナーという面もありますが、それよりも途中でトイレに行きたくなることで集中力が途切れることを避けるためです。どれだけ集中力が持続できるかが大事なのです。
 休み時間に鉛筆を削っておくように指導しているのも同じ理由からです。授業時間中に鉛筆が丸まっているのが気になると授業への集中力を欠いてしまいます。大人から見ると「たかが」と思われることですが、子どもというのはその「たかが」で簡単に集中力がなくなってしまうのです。だから最大限の注意を払って、子どもの集中力を切ってしまうことを排除しなくてはいけません。これはもちろん家庭学習でも気をつけるべき事柄です。
 それから希学園では必ず授業前に挨拶があります。
 「お願いします!」
 子どもたちがきれいに唱和できるまで立たせたままです。これも別に講師が偉ぶっているわけではなく、集中力を養うためです。授業が終了したときも唱和します。
 「ありがとうございました!」
 そう声を出すことで気持ちを集中させる訓練をしているのです。
 これはちょうど電車の運転手や車掌が指さし確認したり「信号よし!」と声に出し喚呼応答しているのとまったく同じ効果を狙っています。
 人は声に出したり、体を使ったりすることによって集中力がぐっと高まります。授業中にわからないことがあったとき、しっかり手を挙げて質問するのも、この指さし確認と同じで集中力を高めます。
 集中力というのは放っておくとどんどん低下していきます。小学生には、必ずと言っていいほど忘れ物をする子どもがいるものです。それがその子どもの元々の性質とは考えられません。きっと忘れ物をしないというトレーニングを日頃からやっていないのでしょう。しかし忘れ物をする子どもは授業中、それが気になって仕方ありません。これもまた集中力を欠く原因となります。
 「授業が始まる前にトイレに行っておきなさい」
 「忘れ物をしないように気をつけなさい」
 こういうことは、諦めずに口にしていかなければいけないことです。世の中には言い続けることでしか解決できないことがたくさんあるのです。
 子どもは都合の悪いことを隠し、都合良く解釈しようとします。希学園では何かにつけ、親、子、私が顔を合わせる三者面談を行います。それは子どもが自分にとって都合の良いウソをつけない状況を作るためです。子どもに自分の気持ちをさらけ出させ、怠けていることを自覚させ、さらに高いステージに持ち上げていきたいと考えているのです。
 子どもは怠けるなり、ウソをつく自分に打ち克たなければいけません。私は授業のとき「克己」と書いたハチマキをしめて指導しています。それは克己心を身に付けることこそ最難関中に合格する王道であると思っているからです。
 (第6回目へ続く)

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