ふんわりしたアドバイス

 もう立場的にはかなりいい歳なので、ちょっと先輩的な風を吹かせないといけなかったりするのだろうな、と思っている。でも、そういうのが一番いちばん30代男性のよくないところな気もするから、うちわで軽く扇ぐくらいにしておきたい。
 そして、大学からやってきた初任者にまた何かを教えるのである。

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 授業中に立ち歩く、好き勝手に発言するなどの、めちゃくちゃ問題ではないんだけど、ちょっと困った行動について、私たちは「ためし行動」と名前をつけて呼んでいます。これらの行動は、教師の叱るライン、注意するラインを見極めようとしているとも言われます。なので「ためし」と呼ぶわけです。大事なのは「ためし行動」を抑えるテクニックよりも、なぜ児童は「ためし行動」をしてしまうのか、という根本原因の理解です。

 「ためし行動」の根本原因については、非常にはっきりしています。というか、子どもの問題行動(授業中の立ち歩きから、薬物乱用・非行まで)の全ては同じ原因で起こっています。それは「構われたい」です。先生が、担当する子たちを構っていない、と言いたいのではありません。しかし、「構う」という行為については、もう少し踏み込んで考える必要があります。
 「構う」という行為の本質に迫るためには「構わない」の意味を考える必要があります。「構わない」つまり、その人が何を言ってきても無関心な態度をとる、ということです。愛の対義語は、憎しみではなく無関心なのですから。

 大体見えてきましたね。つまり、担任する子たちに対して愛を持って接するわけです。誰かを好きになれば、その人のことを深く知りたくなりますね。その人に深く関心をもつということです。試しに、A君の好きな動物、色、食べ物、遊び、テレビなどを挙げてみてください。
 もし、今パッと出て来なくても大丈夫です。本人に聞いてみるのが一番です。聞くときに「先生ね、ライオンが好きなんだ。かっこいいからね。A君はどんな動物が好き?」と、先生の方から心を開いて聞いてみてください。「先生はあなたに関心をもっているよ」と示すことができます。そうして、A君が何かの動物を答えた時に、「あ、この先生、僕の話を聞いてくれるな。」と感じるわけです。こうやって子どもと関係を作っていくわけです。1年はまだ始まったばかりです。先生の心を開きながら、子どもたちの心も開いていってくださいね。

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 物事の大半を愛で解決しようとするのである。ねっ!