以前以後のお話8

 ここ最近、また調子が芳しくない。突然の気分の落ち込みや、無気力感に襲われるので、なんとかやり過ごしている。そうこうしているうちに授業の日々、学校のいつもの日々が再開したので、そういったことはひとまず傍に追いやって、なんとなく日常を過ごしている。
 自分の中では「あ、またなんか調子悪いな」ということに気づくことができるようになったので、それは一つ進歩したことかなあと思っている。

 しかしだ。調子の悪さを何かで誤魔化し続けるのも良くないとわかってはいるが、それ以外の解決策をとれるほど賢くないのがもどかしい。
 そういうわけで、八方塞がりなので「まあ、今の自分の状況はこうなんだな」と客観的に自分を見るほかなくなっている。客観的に見ていると思い込む、という方が正確なのだけど。

 主観と客観の切り分けができるほど器用なのか、と言われるとそれは自信がないが、自分としては「切り分けてるんですよ私なりに」という態度をとることにしている。
 主観で言えば、
「つらい。なぜかはわからないが今自分はとてもつらいのだ。」
 という、ちょっとした泥沼の中にいる感じになる。自分の中の矢印を、自分のもっと奥深くに向ける、というイメージだ。
 客観で言えば、
「つらい。気圧のせいか。あるいは冬のせいか。それとも他にストレス要因があるのか。」
 という、矢印を外から中へ向ける感じが出てくる。
 この「矢印を外から中へ」というのが重要な気がしているが、このあたりがまだうまく言語化できない。

 人間はそんなに器用じゃないんだな、というのがこの2年で得た知見であり、器用じゃないなりに「考えること」を武器にして戦うことができるんだな、というのも最近気づいたことだ。たとえ自分の「考えること」が脆弱なものだったとしても、少なくとも片方の手には武器が握られていることになるから。武器という喩えが適切なのかはさておいて。

 冬至を過ぎてもまだまだ冬は長く、日照時間は短い。自分の心との折り合いの付け方を見つけるには、まだ時間がかかる。