『スパイダーマン』新たな3部作をトム・ホランド続投で製作?
シリーズのプロデューサーでありソニー・ピクチャーズ元会長のエイミー・パスカルが、トム・ホランド主演の新たなスパイダーマン3部作の製作を示唆したことで、アメコミ映画ファン界隈が騒然としています。
ソニーピクチャーズだけが実写化権を持つスパイダーマン
これは、ディズニーが実写化を進めているアベンジャーズなどマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に、トム版スパイダーマンが今後も共演することを意味します。
マーベルヒーローの中でもスパイダーマンだけはディズニーではなくソニー側が実写化の権利を持っており、これまで特別な契約で"出演"を認めていたわけです。
この契約では、間もなく公開される『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(1月7日公開)を最後に、スパイダーマンとMCUの共演も終わる予定でした。
今後も共演させるためには、ソニーとディズニーの間で新しい契約が必要ですが、今後の発展的関係に含みを持たせた格好です。
実際はまだ確定していないのに、なぜこの時期に言ったのか?
ここであわててはいけないのは、あくまで彼女はソニーピクチャーズ"元"会長の立場で発言したに過ぎず、ソニー側もディズニー側もこの発言を裏付ける発表を現時点では一切行っていないということです。
発言したのも、新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の宣伝の場であり、発言の目的がプロモーションにあることは言うまでもありません。
この時期、こういうことを言えば、『ノー・ウェイ・ホーム』の見込み客が大騒ぎして盛り上げてくれるのは火を見るよりも明らかですので。
ソニーピクチャーズ側の事情、そしてディズニー側が喉から手が出るほど欲しいあるモノ
ただし、一つだけいえるのは、先週末「オモシロ映画道場」で私が解説したとおり、ある事情からソニーピクチャーズ側はもともとMCUとの関係続行を熱望しているということ。
その視点を知っていれば、要するにこれは元会長という自由な立場の人間の口を借りて、ソニー側がディズニー側をある意味追い詰めるというか、有利な交渉の場に引っ張り出す意味合いもあるだろうということがわかります。
トム・ホランドのスパイダーマンはファンに評判がよく、MCUとの共演続行は彼らも望むところです。こうして既成事実を作ってしまえば、いまさらディズニー側が断ることは難しくなるでしょう。
もっともディズニー側も、新フェーズのMCU「エターナルズ」などがことごとく不発で、赤字続きです。
一方、来年だけでも4本、その後も5本6本と関連作品の公開が予定されているのがスパイダーマンシリーズ。彼らの力を注入して盛り上げたい思いはあるのです。
それは、スパイダーマンという作品群が、いまのMCUがもっとも欲しがっている"あるもの"を豊富に抱えているからです。
オモシロ映画道場ではじっくりこの辺りを説明しましたが、ニーズがあれば改めて最新情報とともにこのnoteでもお伝えしたいと思います。
★21年12月21日追記 作品批評を更新しました。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』85点(100点満点中)
https://note.com/maedayuichi/n/n167ac075129d
※予告編以上の内容のネタバレはありませんのでご安心ください
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