スウェーデンのコロナ対策は失敗したのか?

コロナ禍になって、いよいよ自分と考えの違う人との関わりがなくなっている。
そのため、世の中にはいまだにスウェーデンが世界で最悪の被害を受けていてコロナ対策に失敗している、と思っている人が沢山いるということを、昨日まで知らなかった。

そういう勘違いをする人は、もちろん詳しく調べていないということが大前提なのだが、勘違いする理由が大きく2つあるようだ。


1つは、強烈なマスク信者。マスクをつけていない人を見かけたら、その人から距離を取るような人。

これは宗教だから、もうどうしようもない。こういう人にとっては、国民がほとんどマスク着用していないスウェーデンでは、まず外を歩くことは不可能だろう。マスクは最強の防御具なので、誰もマスクをしていないということは、街中ウイルスだらけ。そんな恐ろしい国は感染が蔓延していて当然であり、それだけでコロナ対策が失敗していると考える。


もう1つは数字しか見ていない人。数字の見方が間違っているのだが。そして、こういう人はさも自分は何でもわかっている、と思い込んでいる。

数字で判断する場合、コロナの被害をどう測るか、ということが重要になってくる。単に死者数だけを比較すると読み違える。例えば高齢者施設で毎年100人亡くなっているとする。それがコロナのせいで、コロナで80人、それ以外の病気で20人死んで、合計100人亡くなったとする。これは「被害があった」と言えるのだろうか。もちろん、普段亡くなる100人に加え、さらにコロナで80人死ぬのであれば、大問題だ。

もちろんコロナ真理教の方々にとっては、コロナ死が1人でも出れば大変な被害があったということになるのだが、普通に考えれば「たいした問題ではない」ということになる、と私は思う。


スウェーデンは初期に高齢者施設の対応で失敗し、多くの死者を出した。しかしその後は高齢者施設への対応をしっかりすることで死者は減り、累計では欧州の中では上位のコロナ死亡率に建て直すことに成功した。

初期の失敗の原因は、高齢者施設で働く外国人労働者が国外からウイルスを持ち込み、それが施設内でクラスターを発生させたからである。そうであれば、労働者のコロナ対策をしっかりさせるだけでよく、子ども達の生活は通常通りで、ロックダウンを行うこともなく、結果として欧州でも上位クラスのコロナ死亡率まで下げることができた。

それに対し日本では、高齢者施設のお年寄りを守るために、子どもたちの行事が全部中止になった。これが正しい対策なのだろうか。日本の対策がスウェーデンより良かったとは、私には絶対に思えない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?