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「SPY×FAMILY」に是枝裕和作品のタイトルをつけよう。

みなさん、SPY×FAMILYをご存知でしょうか?

ご存知ですよね。
老若男女に大人気、グッズは爆売れ、Netflix開くといつも上位に君臨してて、アーニャのモノマネが大流行して、この間なんか好きなウェザーニュースのお天気アナが登場人物のコスプレしてました。

以下、公式HPより引用したストーリーです。

西国の情報局対東課〈WISE〉所属である凄腕スパイの〈黄昏〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。

その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。

〈黄昏〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。

だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!

3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる

ハプニング連続の仮初めの家族に、
世界の平和は託された――。

エリート諜報員と殺し屋と心が読める超能力少女が織りなす、笑いあり涙ありのドタバタアクション活劇と言ったところでしょうか。Official髭男dismが歌うオープニングテーマ「ミックスナッツ」や、星野源が歌うエンディングテーマ「喜劇」も話題になりましたよね。


では、そんな大人気アニメ「スパイファミリー」の対義語はご存知でしょうか?


そうです、是枝作品です。

映画監督・是枝裕和が撮った作品たち。これらは「スパイファミリー」から最も遠いところにあると言って差し支えないでしょう。ドキュメンタリー出身の是枝監督の魅力といえば、脚本が透けて見えない演者たちの自然な演技。特に、子役の演技に関しては右に出る者がいません。静かに、優しく、そして繊細に、社会問題を反映した是枝作品は、国内外で高い評価を受けています。


しかし、私は思うわけです!


是枝作品とスパイファミリー、意外と似てませんか?????


そこまで今回は、「スパイファミリー」に是枝作品のタイトルロゴを貼っていき、その馴染み具合を見ていきたいと思います。


まずは、こちらの初期作品。

「誰も知らない」(2004)

12歳の長男役を演じた柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。父親が異なる4人の兄妹と母の母子家庭。アパートを追い出されないために、父が海外赴任中で母と息子の2人暮らしだと偽って暮らす彼らは、そのため学校にも通ったことがない。だが母親に新たな恋人が出来て、兄妹に20万円を残して失踪、子供たちはなんとか自分たちで暮らしていこうとする。
(映画.comより引用)

では、この映画のタイトルロゴを「スパイファミリー」のヴィジュアルに入れてみましょう。

あれ? 意外に馴染んでませんか。

アーニャ・フォージャー、ロイド・フォージャー、ヨル・フォージャーは、それぞれに素性や本来の目的を隠しているわけですから。父親が、母親が、娘が、本来何者でどんな目的があるか、彼らの“誰も知らない”のです。また、彼らが仮初めの家族であることも周囲の“誰も知らない”という。図らずも登場人物の関係性を表した、タイトルになっているのではないでしょうか。


続いて、こちらのヒット作。

「そして父になる」(2013)

是枝裕和監督が福山雅治を主演に迎え、息子が出生時に病院で取り違えられた別の子どもだったことを知らされた父親が抱く苦悩や葛藤を描いたドラマ。大手建設会社に勤務し、都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多は、人生の勝ち組で誰もがうらやむエリート街道を歩んできた。そんなある日、病院からの電話で、6歳になる息子が出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明する。妻のみどりや取り違えの起こった相手方の斎木夫妻は、それぞれ育てた子どもを手放すことに苦しむが、どうせなら早い方がいいという良多の意見で、互いの子どもを“交換”することになるが……。
(映画.comより引用)

では、この映画のタイトルロゴを「スパイファミリー」のヴィジュアルに入れてみましょう。

あれ? また馴染んでますね。

西国最強の諜報員である黄昏が、ロイド・フォージャーとして、すなわち“父”として成長する物語ですからね。「そして父になる」の高層マンション住まいのエリート会社員・野々村良多(福山雅治)は、エリート諜報員の黄昏とも重なります。仕事一本の男が、子供を育てる。血縁の壁を乗り越えて、さらに強固な絆で結ばれた父親になる話という部分も共通しています。どちらにも前半に「小学校の受験のシーン」がありますし、かなり馴染んでいるのではないでしょうか。


続いて、こちらの作品。

「万引き家族」(2018)

東京の下町。高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。
(映画.comより引用)


では、この映画のタイトルロゴを「スパイファミリー」のヴィジュアルに入れてみましょう。

あれ? もう馴染み過ぎてますね。

もう中国版タイトルの域ですね。「スパイファミリー」が「万引家族」として中国で配信されていても、なんら不思議がないほどの驚異の馴染み具合です。「身寄りのない子供を引き取って育てる」というストーリーも、本家との親和性がかなりありますし。ヨルの一本芯の通ったかっこよさは、「万引き家族」の安藤サクラに
通ずるものがある気がします。主人公一家の貧富の差だけが気になりますが、完璧なタイトルと言えるのではないでしょうか。


そもそも「血の繋がっていない家族」というテーマが、是枝作品と「スパイファミリー」は似ているのかも知れません

というわけで。是枝監督の映画のタイトルロゴを「スパイファミリー」に馴染ませてきたわけですが、実はもっと馴染む作品がございました。

最後は、こちらの作品。

ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」

主人公・坪井良多は、「体は大きいのに、小っちゃい」と言われ、家でも会社でも板挟みの、どこか居場所のないサラリーマン。けれどある日、疎遠になっていた父が倒れたことをきっかけに、彼の“それなりに幸せ”だった人生に異変が起きます。

謎の美女や、父の過去を知る男の登場、そして思いもよらぬ父の不可解な行動…。
なんと父親は、生まれ故郷で伝説の“小さな生き物”を探していたというのです!
「そんなモノいるはずがない!」と思いながらも、父の謎を探ろうと様々な人に出会ううち、良多の心に少しずつ変化が起こり始めます。
もしかして、イヤそんなはずは……でも、もしかしたら………いる、のか?
(フジテレビHPより引用)

では、この作品のタイトルロゴを「スパイファミリー」のヴィジュアルに入れてみましょう。

わー、かなり馴染んでますね。

ロゴのポップさも、エンタメに振り切った「スパイファミリー」の色に合ってますし。「SPY×FAMILY」とぎりぎりまで競っていて、僅差で負けたタイトル案という感じがします。なんと言っても「スパイファミリー」、手を繋いで家に帰るシーンが印象的ですよね。エンディングテーマの星野源さん「喜劇」の、「手を繋ぎ帰ろうか 今日は何食べようか」という歌詞ともかなりリンクしている気がします。「スパイファミリー」というタイトルに「そのまま過ぎる」「ひねりがない」と思っていた方にとっては、「ゴーイングマイホーム」の方がしっくり来るかも知れません。


いかがだったでしょうか?

かけ離れている作品同士も、タイトルロゴをレンタルすることで、意外な共通点が見えてくるものですね。


ちなみに逆だとこうなります。

最悪すぎる!!!!!!


是枝裕和監督、本当にごめんなさい。

次回は、
「山崎貴監督作『STAND BY ME ドラえもん』の『STAND BY MY』部分をあらゆる漫画で考えよう」で、お会いしましょう。


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