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愛しのペンギンたちへ

141日を共に歩んできた。

ペンギンたちと。


でも本当のペンギンではない。

福島県のいろんな高校から集まった高校生達。


22名のペンギンとのプレゼン講義が、2020年7月から始まり、

12月に「ナラティブプレゼンテーション」として郡山市にある大きなホールで最終発表会が開催されてペンギンたちとの歩みが終了を迎えた。

9年9ヶ月。

2011年3月11日からの歳月は

当時6歳か7歳だった子供たちに

どのような年月を過ごすに至ったのか。


そんなことを思いながら
ナラティブ・スコラの講師を引き受けた。

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彼等にしか伝えられない物語がある。

一人一人に伝えたい念いがある。

だからこそ

その念いに

自分と向き合うことでたどり着き

自分の言葉で語ってもらえるように

可能な限り寄り添って行こう。


2020年7月26日。

彼等と出会ったのはオンラインのzoomの画面越しだった。

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一人一人が

誰が誰なのかも

よくわからないまま

画面に映る生徒たちに言葉を届け続けた。



あの日から

2020年12月13日までの、のべ141日間。

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絶えず頭の片隅に彼等が居た。


そもそも何を伝えれば良いのか。

これが本当に自分の伝えたいことなのか。

7分間も伝えたいことなんかない。


そんな気持ちを抱く子もいる中で

少しずつ

少しずつ

自分の言葉を探して

繋げて

自分だけの7分間を創っていった。

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当日はたくさんの方々が

コロナ禍の中

足を運んでくれた。


運営スタッフの皆さんも

できうる限りの対策を施して

大きなホールでの

高校生たちの舞台を演出していった。


舞台へ上がる生徒たちにホール中央に座る僕から生徒たちに伝えた。


「スポットライトで見えないかもしれないけれど。

誰よりもたくさん頷いて。

誰よりもたくさん拍手を贈っているからね。

だから

安心して

話しておいで。」


スポットライトの中で

一人一人が

自分だけの7分間を

自分の言葉で伝えていく。

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神聖な儀式のように

一人一人が

一番輝く瞬間を見せてもらっているかのようだった。


みんなが発表を終えて控え室に戻ると

安堵の表情を浮かべる子もいたり

まだ発表していない子への気遣いから大人しく席に着く子や

涙する子など様々だったそう。


そんな感情の揺れ動く一日の最後に

舞台の上で修了式を行った。

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141日間にわたる自分と向かい合う日々との修了式。


様々な高校から来ている学生服を着た高校生達は、まるでペンギンのようだった。

素直に誘導係の後に列になって舞台に上がってくるペンギンたち。

緊張から解き放たれて
少し放心状態のみんなへ
僕から「君たちはファーストペンギンだ」と伝えた。

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集団で行動するペンギン達にはリーダーはいない。

アザラシなどがいる海に飛び込んで餌を取ることは、非常にリスキーだが、リーダーがいないため、なかなか海に飛び込んでいかない。

それでも、勇気を出して飛び込めば、色々得ることがある。

そうして勇気を出して最初に飛び込むペンギンの事を、ファーストペンギンと呼ぶ。

ナラティブプレゼンテーションは今年が第1回目。

登壇した22名は
まさにナラティブのファーストペンギンになった。

先生に勧められた子
自分からチャレンジした子
友達に誘われた子

理由はどうであれ、
ファーストペンギンになった。
そのファーストペンギンであることに誇りを持ってほしいことを伝えた。

もう一つ。


ペンギンは飛べないことも伝えた。


鳥なのに飛べない。
高校生達も
まだ今は
飛びたくても飛べない。

でもそれは飛び方を知らなかったり
忘れているだけ

これから学べば良い。
思い出せば良い。

受験で飛びたくても飛べない日々が
これから訪れる。

大丈夫。

飛べる日を信じて
日々を過ごそう。

そして近い将来に
またみんなと会える日を楽しみにして。

飛び立ったペンギン達に会える日を楽しみにして。


みんな


ありがとう〜!!

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