見出し画像

デザイナー歴15年の独学を振り返る

タイトルの通り、独学について書きます。これはあくまで僕の方法ですけど、こういうやり方もあるんだという参考になればと思います。そして、独学には限界があると感じていて、そこらへんの「できること・できないこと」についても考えていきます。

未経験からデザイナーになりたい人、学校に通う余裕がない人、なんとか一人でいけるんじゃないと思ってる人、何かのプラスになったら嬉しいです。

僕の独学ストーリー:独学で勉強して、制作会社そして独立

画像1

僕は今年でデザイナー歴15年ほどになります。経歴としては工業系の学校を卒業してエアコン会社に就職、数年で退職してデザイン業を目指し、独学で勉強&就活して半年で制作会社に入社、それから2年ほどで独立してから13年、今に至ります。

僕の独学は、3つのパートに分かれているんじゃないかなと思います。
1)就職するための独学
2)制作会社在籍中にスキルアップのための独学
3)独立してさらにアップグレードするための独学

それぞれでやはりやり方や意識の違いがあるので、一つ一つ見てみましょう。


【デザイナー0年生】
1)就職するための独学 ~ツールが使えるように~

画像2

まずは初期の独学。
僕は全くの畑違いのところから、デザイン業界へ入りました。専門学校に通ってもよかったのですが、お金がないことと、『テキスト買ったらなんとかなるか』という気持ちがあり必然的に独学を選んでいました。

なんとかなるかとは思ったけど、簡単だと舐めていたわけではなく、仕事を辞める前に少し勉強していたので、勉強するってどんなものか、ある程度想像がついていたから学校へ行かなかったという感じです。正確には「なんとかなる」ではなくて「なんとかする」と言った方が合っているかもしれません。

画像3

<まずはツールが使えるようにだけ集中>
独学の最初はとにかくツールをマスターすることに集中していました。これは必須条件だと認識していました。まずはそれができないと何も作れないですからね。

Photoshop、Illustratorのテキストを買ってきて、最初から最後まで練習しました。特に理由はなかったですけど、最初にPhotoshopから始めました。それが終わったらIllustratorの方にいきました。一日中やっていたら数日でテキストは一通り終わりました。

この段階だとマスターまでいかなくて、「一通りツールのことを知った」くらいでよいとしました。だって実際使っていかないと理解なんてできないでしょ。

Illustratorは、やはりパスの使い方が難しかったのを覚えています。まぁここは練習量かなってことで、実際に何か作っていけばわかってくるかと楽観的に受け止めていました。そんな奴なのでございます(笑)

<第2段階は模写。とにかく模写>
テキストを一通り手を動かしながら読み終わったら、模写をして実際に使って慣れていきました。ツールが使えるようにだけ集中したいので、とにかく模写ばかりしていました。パソコンで作ったものは、1ピクセルだって同じように作れるだろうという意識のもと、ちゃんと作れるように努めました。よく観察して、わからないところは調べる。それだけ。

模写したものは、街で手に入るチラシやフライヤーであったり、このデザインは良いとまとめられているWEBサイトなどでした。

模写で大事なのは、ちゃんと同じに作ること。当たり前なんですけど、ネットとかに成果を上げてる人、全然同じに作ってない人も少なくないですよね。
慣れてくると早くできるものですが、最初の方は、ツールの練習も兼ねて時間が掛かってもいいからちゃんと模写することを意識していました。ちゃんとできなきゃ話にならないので、そこは大事かなと考えています。焦らず焦らず。

画像4

<フォントをゲットしていく>
もちろん、フォントもちゃんと合わせることもそれに入ります。始めたばかりはとにかく何も武器・道具を持っていない状態なので、ここでフォントが結構集まりました。フォントもいろいろあるんだなと学んだのもこの段階ですね。フォントを集めていくのは大事です。

これは僕の個人的な考えですが、モリサワフォントはこの段階ではなくてもよいかなと思います。
なんでかというと費用が掛かるし、何を使ったらよいかわかんないから。宝の持ち腐れは残念だから、まだ持たなくていいでしょう。ただし、「これはモリサワ使ってんじゃないか。ゲットしたら絶対…」というのは頭にメモして、似たフォントを使えばよいと思います。(最初からモリサワを!と言う人もいるかもしれない)

逆にここでフリーフォントを集める技術もむっちゃつきました。フリーフォント、集めてはりますか?

画像5

<模写でツールにも慣れてきたら就活も並行的にスタート>
ツールを問題なく使えるようになってきたら、ジャンルのバリエーションを増やしながら、就活も併せて行っていました

ここは結構楽観的というか、『デザインの本質は、実際の案件やっていかないとアカンやろ』と考えていました。だからあんまりオリジナルでは作ってなかった記憶があります。ていうか何を作るのかわからなかったというのもあったかもしれません。
といってもデザインはずっと興味があったから本を読んだりはしてましたよ。

<ポートフォリオの内容も主に模写>
ポートフォリオでは、ちゃんとツールが使えることと模写の正確性を重点に置いて掲載しました。指示されたことをちゃんとできるというアピールが強かったと思います。デザインは勉強中ですとしていました。

でもこれは僕の場合でいけただけの話です。会社によって求める人材も違えば、判断する基準も違いますから、自分がどうなりたいかによってちゃんとポートフォリオを充実させましょう。
※ポートフォリオの話は、またいつか別の機会にアツく語りましょう。

独学を始めて半年くらいでしょうか、何十社も落ちまくった後、就職できました。今の自分が考えるなら、もっと良いポートフォリオや自身の見せ方ができたとは感じます。ここらへんは少しロスがあったかな。
就活に迷ったら経験者にしっかり相談してみてください。


<おまけ:WEBサイト制作についても同時進行でやってました>
話を入れ込むと大変なので、あえて省略しますが、この時期に平行してWEBサイト制作についても、コーディングから独学でテキストや参考サイトを読みながら勉強していました

昔はね、今と違って「ホームページを作る趣味」というのがあったんですよ(笑)好きなアイドルのファンサイト作ったり、アニメの考察サイト作ったり、サザエさんの終わりのジャンケンの結果をデータベースにまとめたりとか・・・。そのノリに近い感じで簡単なサイトを作るくらいは、興味ある人は作れたのです。

そんなこんなあってサイト制作もアマチュア級としてできていたのでした。これも後に制作会社に入ってから、プロとして仕事できるように猛特訓しました。

そして、デザイン会社に就職の話へと進みます…。

ここから先は

6,012字 / 10画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?