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『のぞきみZOOM』【#まどか観劇記録2020 11/60】

随分と久ぶりにエンタメを摂取した気がします。
おとつい(4/10)行われたのぞきみZOOM。
緊急事態宣言を受けて株式会社SCRAPのきださんが作り上げたWEBイマーシブシアターです。

舞台は最近はやりのZOOM。とある男女二人のZOOM会話を「のぞき見」します。どうやらこの男女、それぞれにそれぞれの相手に隠した思惑があるようなのですが。。。
まだアーカイブが見られるのでそちらを見ていただくことにして、ここでは個人的にすごいなと思った点を書きたいと思います。

受動的になりがちなWEBでの視聴をじぶんごと化する(没入感)

アーカイブを見ていただくとわかるのですが、この作品ってリアルタイムで行われていたもので、なんとその時には観客が出演者に干渉することができたんです。のぞきみタイムとアタックタイムがあり、そのアタックタイムで出演者に働きかけることができるのが事前に知らされています。

この事前説明がとても的確で、見えるものの中で気になるものがあれば調べてみるとよい、そして調べてみたら色々できるかもしれないぞ、ということが分かった時点で作品が始まるのです。そのおかげで積極的に調べてみようと思うようになったし、アタックタイムに少し勇気を出してみようかなという気持ちになれる。

その一歩関われるかもしれないということが、観客にLIVE感をより感じさせ、物語をじぶんごと化できる没入感を与えたのだろうなと思います。

体験のために張り巡らされたあれこれ

とはいえ、調べてみたところで答えにたどり着くのか、なんて疑っていたのですが、これがちゃんと答えが用意されているのです。各種サイト、登場人物Twitterなどがきちんと用意されていて、この時点でしっかりと準備されていることに驚きました。
特に驚いたのが登場人物の持っているTwitterアカウントの登録年。2018年てどういうこと?今年は2020年だよ。え?

奇しくもこの作品が私の謎解きデビューになりました(笑。リアルイベントでの謎解きって、個人的に少し怖いイメージがあったり、人に見られた状態で誰かに迷惑をかけるかもしれない状態でやらなければいけないプレッシャーなどでやれていなかったのですが、自宅で一人で見ているから、そういうこともないですし。(謎解きが苦手なのは完全に個人的な話です)
チャット欄のみんなのコメントに仲間意識を感じながら(でも自分はコメントできていなかったけれど。笑)、ヒントももらいつつ、一歩踏み出してみた時の面白さと言ったら。答えを見つけた!という瞬間の興奮っていいですね!

答え合わせもあるようです。謎解きっぽい!(テンションあがる)

まさに「今」を体感できる仕掛けの数々

詳しい言及は避けますが、物語の舞台になったZOOM(オンライン会議ツール)も、まさに今の時代のものです。そのほか、LINE、Teitter、UberEatsなど、今まさに我々が日常的に使っているツールが作品の中で実に効果的に使われていて、ここにも感動しました。日常ツールだからよりリアルに体験できるんですよね、きっと。
さらに、何気なく使っているものが人に感動を与える手段になる、誰かを幸せにする手段になる。そんな素敵な気づきをもらったり。

これがなんと準備期間10日

こんなに色々と張り巡らされた仕掛けがわずか10日間で準備されたというのか一番の驚きなんです。緊急事態宣言が発令されるかもというタイミングで、様々なイベントが中止になって落ち込むこともおそらくあったと思うんです。そんな状況から前を向いて新しい価値を生み出し、実現する。そのスピードもすごいし、なんといってもエンタメを止めないぞという熱い想いを感じられて…なんだかもう胸がいっぱいです。

今はみんなが自宅以外でエンタメを楽しむことができない状況です。
劇場が好きな私は、生で、その場で、体験する、という演劇のよさは劇場で体験する以上のものはないと、意識的に映像での演劇をさけていたように思います。
そんな中で、自宅の自分のPCで見ながらも、いち傍観者にならずに一歩踏み込んだ体験ができる。見つけた要素を組み合わせて自分なりの体験ができる。場所に特化しているはずのイマーシブシアターを、WEBという場所を使って実現したこと、それによって空間に縛られずに何百、何千もの観客に届けられること。この作品のすごさはそんな可能性を広げたところだと思いました。

のぞきみZOOM開催してくださって本当にありがとうございます...!

私のつたない感想よりも、これをやり切ったきださんのnoteを読んでください…!↓↓↓↓↓↓↓↓


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