見出し画像

舞台『パタリロ!』~霧のロンドンエアポート~【#まどか観劇記録2020 35/60】

初日配信を見させていただきました。

常春の笑い

まず、いま笑いが足りていない人ってたくさんいらっしゃると思うのですが、そんな方々に観ていただきたい作品だなと思いました。
私自身も観劇好きを自称しているものの、観に行ったお芝居に現状のコロナ禍の苦しい状況を反映しているものが多くなると辛くなってきてしまっていました(作品としては素晴らしいものばかりだったので誤解なきようにお願いいたします)。とりあえず難しいことは何も考えずに楽しいものを観たいなと思っていたところに見たのがこちらの舞台「パタリロ」のポスターでした。

実は『パタリロ』は原作のキャライラストは知っているものの、読んだことはなく、以前に上演されていた舞台や映画も見たことはありませんでした。
原作ものや前の作品があるものは、予習が必要かなと思ってしり込みしてしまうこともあるのですが、今回に関してはポスターの加藤諒さんの表情にやられて何も考えずに観る事に決めていました。笑

原作を知らなくても、何も準備しない状態で行っても十分楽しめたし、たくさん笑いました。きっと原作ファンや今までの作品を見てきた人はこういうポイントがたまらないんだろうなという客席の反応もあったので、継続のファンの方も楽しめ、初めての方も楽しめるというエンターテインメントの理想のような作品だったのだなと思います。

開幕コメントで加藤さんが、作中のマリネラ王国が常春の国であることにかけて、満開の笑顔を咲かせてくださいといったことを言われていたのですが、それを体現している作品だと思います。ですので、笑いたい人にお勧めしたいのです。

キャストもシーンも濃すぎる。笑

とにかく濃かったです。笑

魔夜峰央先生の原作漫画「パタリロ」については、読んだことはなくとも、そのイラストについて知らない人はいないのではないでしょうか。それくらい第一印象が強すぎるキャラビジュアルです。

漫画やアニメを原作としていわゆる2.5次元舞台も増えていて、もともと2次元のキャラを演じることができるなんて最近の方々はお顔がきれいだなあと思ってはいたのですが、その中でも魔夜峰央作品の役になり切るというのはビジュアル的にもキャラクター的にもかなりハードルが高いのではないかと思いました。

しかし、

目の前のステージには、何の違和感もなく『パタリロ』世界の“美少年”たちが少年愛をくり広げていて、腰までなびく長髪もなんのその。美しい軌跡を描いておりました。再現度と説得力がすごかった。

覗き見が趣味な(少し語弊がありますが)パタリロ殿下と共に、濃すぎるシーンにすっかり夢中で時々ストーリーを忘れるほどでした。笑

笑いメインの王道ストーリーかなと思いきや、グッとくるセリフも散りばめられていたので聞き逃しのないように気を付けたい。配信組は2/1からリピート再生が可能らしいのでもう一度ちゃんと見ようと思います。

主役がメインではない強さ

原作を読んでいないので、加藤さん演じるパタリロ殿下の扱いが舞台独自のものかは判断がつかないのですが、一度見たら忘れられない加藤さんのビジュアルとキャラづくりの完璧さを置いておくと、ストーリーとしてはほかに印象に残る役が3名いらっしゃって、ストーリーもそちらを中心に回っていきます。つまり、ところどころで出てくるものの、主役であるはずのパタリロ殿下がメインではない状況だと感じました。

そして、パタリロ殿下は王様なのにみんなに大事にされていないし。笑
それも仕方ないという傲慢さだし。笑
見せ場もやらせてもらえないし。笑
でも憎めなくて、パタリロ殿下が出てくるたびに笑ってしまうのですよね。
主役をメインにせずとも成り立つバランスと、一瞬一瞬のインパクトが強すぎる加藤さんの役作りに脱帽です。

そして、傍若無人な王様ぶりとは打って変わって、最後のカーテンコールでのあいさつ時の加藤さんの好感度の高さがまた素敵だったのはぜひとも書き残しておきたいのです。

おまけ

カーテンコールで「エゴサするので感想つぶやいてください」と冗談めかしておっしゃっていた加藤諒さん。
初日が開けるってかなりのプレッシャーですし、演じた後って疲れているでしょうし、エゴサはさすがにないだろうなと失礼ながら思っていたのです。
そうしたら、このツイート

つぶやいて5分も経たないうちに加藤さんご本人のアカウントからいいねをいただきびっくりです。

こんなに忙しそうな方が嘘でしょう?、というのと、こんなコロナ禍でファンレターなどもまともに渡せない状況の中、たった144文字ですけど、届くんだなと、こちらがありがたさしかなかったです。素敵な方ですね。加藤諒さん。ただひたすらにありがたくてうれしかったです。

まだライブ配信あります。

銀河劇場での上演は31日まで。
そして31日の千秋楽は再びライブ配信(見逃し配信付き)もあります。
この初日と千秋楽をライブ配信するという方針も観劇オタクの需要をよくわかってらっしゃる。ネタバレなしで観られる初日と、集大成の千秋楽は特別なんです。どちらも見たいんです。というわけで、初日の見逃し配信もまだ買えますのでご興味わいた方はぜひ。


おすすめの作品などを教えていただけるととてもうれしいです。