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『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage –track.4-【#まどか観劇記録2020 40/60】

音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の舞台化第4弾『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.4- という、作品を観ました。初めましての人には何が何だかわからない説明なのですが、大丈夫です、私もわかりませんでした。かっこいい音楽とダンスを浴びたい人は、この文章がわからなくていいので観てください。かく言う私も今回はじめましての一人です。

公式サイト↓

ヒプステ(おそらくヒプノシスマイク舞台版の略称)という言葉だけはSNSなどで目にしていたものの、世界観は複雑そうだし、ラップバトルと言われても普段ラップなんて聞いていないし、などと敬遠していたのですが、「かっこいいダンス好きなら観たほうがいい」と第3弾直後に友人に熱弁されたのが今回のきっかけでした。

調べたら作中のD.D.B(ディビジョン・ダンス・バトル)メンバーにToyotakaさん、RYOさん、gash!さん、SHINSUKEさんとBeat Buddy Boiから4名もご出演、そして他のダンサーさんもすごい方が集まっていらっしゃるようでこれはと次作を心待ちにしていたわけです。


予習はほとんど不要で楽しめます

作品を見るうえで理解しておいた方がいいざっくりの設定は、

・人の心身に影響を与えるマイクが開発され、人々は殴り合ったりする戦いではなく、ラップによって領土の優劣を決めるようになったということ、
・そしてそれはディビジョンラップバトルというステージで正式に戦われるということ、
・1チーム3人でそれぞれの土地を代表していること、
・今回の第4弾では中央に集まっての決勝戦が行われるということ

かと思います。
(詳細や今までの経緯は原作や今までの作品をご確認ください。)

登場人物についてはこのページの相関図だけ見ておけばOK
https://hypnosismic.com/about/


前段の説明はここまでで、感想を書かせていただきますね。

ちなみに私は劇場ではなく、配信で観ました。
最後に情報を載せていますが、全公演が配信されていて、日によってひとつのチームを重点的に追っていたり、最前列からのアングルだったりと、映し方も変わっているので、どのチームが好きかなどで選ぶのも楽しいと思います。(私が観た最前列アングルも最高でした!)


ラップをセリフとして使いこなすキャストがかっこいい

驚いたことにセリフの8割近くがラップでした。

ラップのリリックやライムを守りながら、このシーンで伝えるべきことをきちんと盛り込まれた歌詞。名だたるラッパーや楽曲製作の方々の本気で作り上げたといわれるクオリティの高さ。しかもそれが普段ラップを聞きなれていない者の耳にもきちんと聞こえることがすごい、と思います。

セリフとして重要な役割を果たしているラップという、この作品のアイデンティティでもあり、胆でもあるラップの歌詞を観客にきちんと伝えるということ、これはキャストの表現力なくしてはできません。

ラップとしての勢いはそのままに、きちんと伝わる言葉として、感情を乗せたセリフとして表現をしているキャストがすごすぎるのです。さらに、ラップはヒプステの世界だけでなく現実でもラップバトルがあるくらい、個人的には攻撃力の高い歌のジャンルだと思うのですが(バラードが癒しというような感覚で)、セリフとして表現するのであれば様々な感情を表現しなければいけません。

ラップに乗せやすい強い感情だけでなく、悩んだり、悲しんだり、じんわりとうれしくなったりというラップでは難しそうな感情まで表現されていたことに脱帽です。キャストすごすぎるしかっこよすぎますよね。


ダンスがとんでもなくかっこいい

もともとダンサーのメンバーさんを見て配信を買うことを決めたのですが、想像以上のキレキレ感に「やばい…」しか言ってなかったと思います。特に最前列アングルだったので、前に飛び出してこられる時などの迫力が桁違いでして…。あおり角度やばい。。。

オープニングからLEDの仕込まれた光るボディースーツを着て踊るD.D.Bメンバーに圧倒されていましたが、そのパフォーマンス時間の長さにも驚愕しました。メインキャスト12名4チームです。時間にして20分は踊り続けていらっしゃったのではないでしょうか? あの、ダンスを、20分間連続で? 体力も技術もお化けです。

D.D.Bメンバーは、時に通行人になり、時に警察の部下になり、とシーンごとに七変化して様々に活躍されているのですが、そんなところでその動きしますか?というような誉め言葉として“スーパームーブの無駄遣い”と言わせていただきたいです。だって、殴られてやられた~というような倒れるシーンで、本来ならフロアのセンターでソロダンスを踊るレベルのムーブがぽんぽん飛び出しているのです。おかげさまで全く目が足りません。

配信だとチャット欄でコメントが見れるのですが、誰よりも先にToyoytakaさんかっこいいとダンサーさんの名前が上がるところ、すごさを物語っているように思いました。

キャストのみなさまも間違いなく踊れる方々で、舞台上の全員が体のキレがすごいのでレーザービームを使った演出などと相性がとてもよかったです。立ち位置や移動も含めてレベルが高すぎるので、キャストも見なければ、ラップも聞かなければ、文字も読みたい、ダンスは上手でも下手でも同時になにか起こっているし、と情報量が多すぎて何度も見たくなると思います。

なんでこんなに盛沢山なんだろうと思ったのですが、演出が植木豪さんというところで納得です。ご自身も踊って歌って舞台で生きてこられた方だからこその映える演出という印象を受けました。このテンポは植木豪さんのなせる技なんだなと。


会場全体の一体感でさわやかなフィニッシュ

始まった瞬間から「ぶっ殺してやる!」というような攻撃的なセリフのやり取り。詳細をよく知らない私ですら開始2分で因縁がありすぎる関係性なのだなと理解したほどバチバチとした緊張感があり、どこへ行っても事件だらけ、バトルだらけという展開にこれはどういう終わり方をするのだろうと思っていたのですが、全く予想していなかった最高のフィナーレが待っていました。

今までのシリーズを観てきた方々にはおなじみなのかもしれませんし、ネタバレになってしまうかもしれないのですが、それぞれのチームごと、そして全体のラップとダンスのパフォーマンス披露という形でフィナーレを迎えます。先述した通りのすごいラップとすごいダンスを浴びるように観ることができるのです。

体感としては、オープニングとフィナーレがライブで、間にお芝居という印象です。

おかげで、どのチームを応援していてもストーリーに関わらず、すさまじいパフォーマンスを浴びたという爽やかな満足感で終わることができます。

従来だとコール&レスポンスがあるのでしょうか。前説でコール&レスポンスの代わりにこうしてくれとレクチャーされていたハンドサインとペンライトを掲げる客席がとても楽しそうで、コロナ禍での制限はあるものの、あるルールを作ることで全体で楽しめるものになのだという工夫が細やかでした。

ただひとつ難点は、曲とパフォーマンスが素晴らしすぎて客席もノリたくなってしまうことです。笑。
ライブと違って舞台の観劇は後ろの人のご迷惑になるので基本的に一度座ったらその体勢から動かないのがマナーですが、こんなに楽しくてノリのいい空間で“バイブス”上がってしまっているのに動けないのは大変だぞ、と。素晴らしいがゆえの悩みです。笑

人気作品のため、キャパシティーの問題で実現不可能でしょうが、ライブハウスのスタンディングで見てみたいという気持ちになりました。


多彩なキャラ設定と素晴らしい再現度、そしてレベルの高すぎるパフォーマンス。
ヒプステ最高でした。(何度も言いますがあおりアングルの最前列配信本当におすすめ)

*****

上演スケジュール等

東京公演は2/19まで。その後大阪、福岡と3月まで公演があります。
また、全公演をライブ配信していますのでご興味ある方は下記リンクをご確認ください。

2021 年 2 月 5 日(金)~2 月 19 日(金)  TOKYO DOME CITY HALL
2021 年 2 月 25 日(木)~2 月 28 日(日)  メルパルクホール大阪
2021 年 3 月 5 日(金)~3 月 7 日(日)  福岡サンパレス ホテル&ホール

全公演ライブ配信あります。


おすすめの作品などを教えていただけるととてもうれしいです。