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自転車が壊れた

タイトル通り、自転車が壊れたのだった。

「自転車が壊れる」という言葉から想像できるのはタイヤのパンクや、チェーンが外れる、ブレーキのワイヤーが切れるといった細かなものか
または「交通事故で大破!」のようなぐしゃぐしゃになった金属の塊のようなイメージだろうか。

ぼくの自転車は、そのどれでもなかった。
ゆるく長い登り坂を漕いで行こうと立ち漕ぎの体勢に入った時、ハンドルが大きく曲がった。「めまいかな?」と思うくらい視覚に入ってくる風景が変わった。

危険を感じて自転車を降りてみると、自転車がほんのり「く」の字に曲がっていた。

フレームの「ダウンチューブ」と呼ばれる部分の溶接部分が、壊死していた。

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この自転車は2005年、初婚の時に同僚に買ってもらったものだ。
27インチの、変速ギアもないオレンジのただのママチャリ。
パンク修理は数回で、チェーンがはずれたことはない。
乗らない期間もあったけど、この5年はほぼ毎日乗っていた。

まさか、こんな形でお別れになるとはね。
まさか、こんなところが壊れるなんてね。
そりゃあ、形あるものは壊れるんだろうけど。
まさか、こんな、地味に大事な部分が壊れるなんて。

ひとのこころや気持ちなんかも、こんな風に
意識していないところに赤錆のような「よくないもの」が侵食して
蝕まれてこわれるのかもしれない。

この事をどう伝えたらいいかと考えて、Twitterで書いてただただ流されていくのもさみしいし、facebookで自転車を買ってくれた同僚にシェアしてもいいことはないし、今更mixi日記に書いてもなあ。

と思ってnoteをはじめました。

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