私の欠点は出会う人の数だけある。

誰かに必要とされる。
社会の役に立っている。

そんな自分を夢見てきた。

誰かの役に立つことで、
必要とされることで、
安心したかった。
居場所を作りたかった。

私には生きる価値がある。
それを証明したかった。

私が生きる理由を、自分以外に求めていた。
家族に、他者に、社会に。

だから、相手が幸せでないと困ったのか。
なんとかしなければとご機嫌取りをした挙句、
相手を疎ましく思う自分を持て余す。

人も自分も鬱陶しくて、たまらなかった。

それが、私の中から生み出されているなんて
思っても見なかった。

私は努力してきたから。
人を嫌わないように、
誰かの役に立つように、
出来うる限り平和であろうと
自分を律してきた。

そんな必要もないのに。

人は不完全である。
それは唯一無二の個体であることの
代償であり、対価。

永遠に埋められることのない不完全さは、
個性の発露として、他者と繋がるためのプラグ。

誰かを幸せにしたいという願いは、
相手のためというより、
自分の穴を埋めたかっただけ。

必要とされていれば、
ここにいていいと思えた。

役に立つことで、
生きる価値を感じられた。

全部、自分の不完全さを
埋めるたいという欲望だ。

不完全さが人の本質。
頭ではそう思っているのに、
自分の欠点をどうにかしようとしていた。

欠点なんて、
放置しておけばいいのかもしれない。

よりよい自分になろうなんてしたら、
欠点しか見えなくなってしまう。

自分に価値があるなんて思えなくなるくらい
探そうと思えばいくらでもあるから。

人が個性であるなら、
私の欠点は出会う人の数だけある。

相手にとって、欠点のない人間にはなれない。
誰もが違うから。

相性の良さって、欠点に対して負担がない
関係のことなのかも。

相手の機嫌をとる必要を感じない。
自分の穴を埋めようとも思わない。

比較せずにいられるってこと?

対等と思えるから、安心していられるのかな。
気は使うけれど、無理はしないでいられるというか。

ただの自分でいられる時間。
赦されていると感じられる。

なぜ、私は自分でいることができないのだろう?

相手と自分を比較して、違いに目が向きがち。
違う人が怖いのかもしれない。

だから、ジャッジして、
正しい自分であろうとする。

なんのために??

自分でいられなくなることで、
私にはなんのメリットがあるんだろう。

まだまだ隠しておきたい自分がいるのかな。

こんなことを言ったら、嫌われる。
嫌われたくない自分?

なぜ、したくもない我慢を選ぼうとする?

なぜ、自分以外になろうとするんだろう?

ただの私以外、
誰かを愛することはできないのに。

摩耗して、嫌いになるくらいなら、
何もしなければいいのに。

少なくとも、
嫌いという感情を転嫁しないでいられる。
その方が、平和なのに。

愛されないことへの恐れかな。
無価値な自分という思い込み。

何もしなくても、
私たちの命には価値がある。

もちろん、私の命にも。

生きている価値は、条件ではなく、
存在そのものにあるのだと思う。

人との違いを恐れずに、
自分のスタンスを押し付けることなく存在したい。

自分を認められる必要なんかなかった。
認められたいという欲求を、
認められる必要のない世界に繋げるだけ。

ジャッジしてしまう弱さを、
正しさに固執しなければ立っていられない脆さを
不完全な個性しかない世界へ繋げてみよう。

彼らが夢見る完全な世界は、私の中にはない。
たぶん、みんな揃えば、完璧だから。

むしろ、
私たちは不完全でいなければならない。

穴だらけだから、他者と繋がり、
愛し愛されることを知る。

犠牲を伴わなくても、
ただの自分でいるだけで、
誰かの穴を埋めることはできる。きっと。

社会は、私個人への配慮など無関係に
便利に、幸せに向かって発展している。

その恩恵は、個人の葛藤の枠を超え、
社会に還元されている。

その原動力が、
ブラックな自己犠牲?

自分を不幸にしたら、
与えられる幸せを待つことしかできなくなる。

自分を幸せにしよう。

相手に押し付けず、
相手の気持ちに配慮しながら、
自分の気持ちを大切にしよう。

相手から押し付けられたと感じたら、
自分の気持ちに配慮しながら、
相手に伝えよう。

私は、伝えることを諦めたんだ。

どれだけ言葉を尽くしても、伝わらなかった。
主張すれば、でしゃばりと陰口を叩かれる。
言わない方が、得だった。

分かり合えない方が、都合が良かったんだ。
自分を曲げずに済むから。

折れたことで、傷ついていたんだ。
私が思った以上に、がっかりしていた。

私を理解しないこの世界に。
変われない自分に。

相手に合わせることは、自分を折ることだった。
世界を融合させる方法がわからなかった。

私はとても困っていたんだな。

だから、怒って、悲しんで、悩んで、焦って、
誰かのせいにせずにいられなかった。

この世界が理不尽で、不当だと思うしか
気持ちのやり場がなかった。

どこにも行けなくて、困っていたのか。

どこに行きたかったんだろう。
まだ間に合うかな。

自分の願いを叶えられるといいな。
なりたい自分は、それだったのかもしれない。

fumori

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