現状を否定するから、実現不可能な夢を見てしまうのかも。

私には、夢子という人格がある。

夢ばかり見ているさ役立たず。
現実逃避で人生を食い潰している。

まぁ、間違いでもないのだけれど、
夢見るだけの非力なモブなら、
そこまで毛嫌いしないもの。

自我にとっての天敵だから、
存在を否認することで、力を奪った。

自我の世界を、守るために。
自我の存在意義かもしれない。

自分は、正しい。
だから、夢子は間違っている。

自我の根拠なんて、そんなもの。
相対的な価値観は、あっという間に覆される。
角の取れないオセロみたいに。


私が見ている世界は、
自我によってトリミングされた現実。

現実を限定しているのは、安全のため。
見えていない世界は、危険だから。
自我にとっては。

夢子の持つ力は、想像力。
可能性を具現化し、未来を創る力。

創造の根底は、変化。
新しい価値は、今あるものを古くする。
これまでの最新も、一年経てば旧モデル。

自我が恐れているのは、廃盤になること。

レコードから、カセットテープ、MDを経て、CDへ。
それが、今やデータだもの。

ブラウン管から、液晶へ。それが今や、動画だもの。

私の自我も、家電と同じ危機感を抱いている。
プレーヤーも、TVも、もはや主流ではない。

自我にも、デジタル化、データ化の波が
押し寄せているのかしら?

チマチマしたモデルチェンジや、
世代交代では済まないレベルの変化。

夢子の持つ想像力が、
そんな大事な変化を創造してしまったら、
自我は崩壊しかねない。

自我が夢子を否定し続けるのは、保身のため。


なら、現実逃避しているのは、
夢子ではないのかもしれない。

夢子から逃げているのは、自我の方。
変化を恐れ、
世界を再構築されることを恐れ、
自我の世界がなくなることを恐れて、
存在意義が失われることを恐れている。

自我は、現実。
夢子から逃げれば、
現実から遠ざかっているように見える。
けれど、逃げているのは、自我の方。

なら、夢子の力は、自我を圧倒している?
もしかして、夢子の世界の方が、大きいのかな?

あれ?
世界は、逆転している?

どうしたら、自我の現実と夢子が
共存できるか、を考えていた。

私の中では、自我が地球。夢子は、月。
他のキャラたちは、人工衛星や、星々。

地球の周りをクルクル回りながら、
軌道が外れがちな夢子を調整する。
それが、自我の役目だと思っていた。

逆なのかも。

夢子が地球で、自我が月。

なんてレベルじゃなくて、
自我が地球なら、夢子は太陽。

そのくらい力量の差があるから、
傲慢不遜な自我でも、逃げるしかない。

夢子は、私の見えない現実のほとんどを
占めているのかもしれない。

自我が取り込むのではなく、
自我が呑まれる。

だから、目を逸らした。

逃げているのは夢子だと私に言い聞かせて、
必死こいて逃げまくった。

夢子が役に立たないと思わせた。
実現できない夢ばかり見させて…
わざと?
現実離れした夢を見るよう仕向けた。

現状を否定すれば、未来も否定される。
願いは、叶わない。

夢子を否認することで、
夢子の夢は、実現不可能となる。

なら、夢子を肯定したら?

現状を肯定したら、
実現可能な夢を見らのかな?

否定するから、あり得ない夢をみる。
肯定するなら、あり得る目標になる。

それが、想像力の真実だったら、人生最強なのに。

創造力に必要なのは、実現可能な能力より、
自己肯定感の強さかもしれない。

 fumori 

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