誰にも愛されない自分を、愛してもいいのだろうか。
愛とは、相手を個人として認識することかもしれない。
もちろん、明日にはそうは思っていないかもしれないけれど。
なぜなら、私はそんな断定的で、主観的で、制限されるような愛は嫌いだったから。
むしろ、愛とは真逆の、暴力や支配だと思っていた。
けれど、その他大勢の誰かではなく、相手を個人として認識し、自分の世界観で相手を解釈することは、やっぱり愛なのだと思う。
勝手に私を知った気になって、勘違いな言いがかりをつけられることには、今でも腹が立つし、誤解されることは、悲しい。
理解して欲しいと願っているし、理解したいとも思う。
けれど、人である限り、たぶん、無理なのだとも思う。
私が願うように愛してもらうことは出来ないし、
相手が望むように愛することもできないのだと思う。
私たちは、人間としてのカラクリというか、システムみたいなものは同じだし、対等な命を与えられているけれど、それらは個性という皮を被っている。
人間の着ぐるみは、たった一つの現実を、全く違う各々の世界に変換する。たぶん。
なので、限定して、断定して、自分のわかる範囲で相手を理解するしかないのだと思うようになった。やっとね。
まさか、それが愛だとは思っても見なかったけれど。
私が愛だと思っていたものは、理解することだった。
理解できれば、安心するから。
つまり、安心感を愛ってことにしていただけ。
理解できないと不安になるから、嫌だっただけ。
相手を悪とすることで、正しさの中で安心していたかっただけ。
安心するために、立場や役割を利用しただけ。
私の本能は、とてもシンプルだ。
手段を選ばず、安心したいに振り切っている。
そんな身の安全第一の私が、理解できない人に怯えずにいるには、どうしたらいいのだろう?
そもそも、なぜ、私は理解されないことを恐れているのだろう。
理解されず、怯えていた過去。
嫌われる恐怖。愛されない痛み。
その痛みに耐えることが、怖かった。
誰かに愛されない自分は、
最終的に、母に愛されなかった私に繋がる。
母に愛されない恐怖は、
母から愛されない自分を自覚し、
愛される価値のない自分が存在することへの恐怖だった。
母から愛されないことを恐れていたのではなく、
母から愛されないような人間である自分への絶望。
無価値観も、自己不信も、自己否定も、自己嫌悪も、私自身が存在することへの恐怖だった。
トラウマなんかじゃない。
私が私を気持ち悪いと思って、嫌悪し、存在してはいけないと決め、価値を与えなかっただけ。
母が愛せない私に、私自身が絶望し、断罪した。
たぶん、それが真実。
母のせいじゃなかった。
私が私に絶望しただけだった。
私を愛せなかったのは、母の問題。
たぶん、愛されたかったのは、私ではなく母だった気がする。
母の愛を得られず、自分に失望し、母の課題を引き継いだのなら、子供としての役目は十分果たせたと思う。
素直に愛されたいと泣いて縋ってハグしていたら、母の無自覚な願いを叶えられたのかもしれないとは思うけれど、甘えるんじゃないと怒られて、やっぱり喧嘩になっただろうな。
さて、母に愛されなかった私をどうしようか。
あくまでも母の世界観でのジャッジだけれど、質の良くない私だとは思うんだよね。
自覚があるからこそ、価値がない自分として封じてきたのだろうけれど、気づいちゃったしな。それが、本性だって。
反社会的な自分を、みんなどうやって取り扱っているのだろう。
愛されなかった私を、愛してもいいかな。
誰かから嫌われているとしても、私まで嫌いになるのはもう嫌なんだよね。
誰にも愛されなくても、私くらいは愛していたいんだけどな。
そういうことだ。
好きも嫌いも、相手の自由。
分かってはいても、嫌われると傷つくのは、愛されたかった私の傷が疼くから。
愛されたかった私は、善良じゃないし、反社会的で、利己的で、計算高くて、身勝手で、好かれるタイプではない。
嘘をついたり、意地悪をしたり、マウント取ったりする私なのだろう。
染まりたくはない。
けれど、人の本質でもある。
ちゃんと自分を可愛がろう。
誰かに愛されるために、自分を犠牲にするのは、もうやめよう。
清く正しい自分でいれば、愛される。
それは、要望であって、愛じゃない。
愛じゃないもののために、自分を切り捨てるのはやめようと思う。
どんな自分でも愛していいのだと思う。たぶん。
誰かのために、自分を愛せなくなるのだとしたら、それは愛ではない。
愛されていなかったわけではなく、愛が必要な人だったのだと思おう。
愛されなかった私にも、価値はある。
誰にも愛されない私を、全力で愛してみよう。
自分を大好きでいよう。
誰かに愛されなくても、愛されないままの私でいていいのだね。
許可は出せた?
あとは、勇気と世界への信頼。
やっとここまで来た。
fumori
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