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私が刃だと思っていたものは、ただの言葉だった。

朝、とても清々しい気持ちだった。
自分でやる、と決めた事が出来たから。

自分を大切にしていこう。

私が抱えているネガティブな想いを、
手放そう。

誰かのネガティブな言葉と感情を間に受けて、
反応しなくていい。

そんな女神みたいな大らかな気持ちでいたのに、
一瞬で、ドス黒い感情に囚われてしまった。

大した事ではなかったのに、
嫌いというフィルターに触れて、
心が閉じてしまった。

相手の言葉は、相手のもの。

私が受け取らなくてもいいのに。

相手が私に言うと決めて言うのだから、
私にどう思われても構わないのだろう。

あ。そういうことか。

やり返した私も、相手にどう思われても
構わない、と言った事になるのか。

怒りを吐き出すということは、
そんな決意がなきゃ、ダメなことだったのか。

無視されても構わない。
立場を利用して、
ターゲットにされても構わない。

なるほど。
自分から生贄になりに行ったわけだ。
愚かだ。私。

自分より立場が上で、
頭の回転も良い相手に…

怖いもの知らずにしても、程がある。
勇敢だな。私。

そして、甘えていた。
相手が悪いのだから、
当然許されると思っていた。

それは、子供の発想。
拗ねても許されるのは、
最終的には、親の言う事を聞くから。

大人は、自由だ。

相手を嫌いだと思えば、
一生口を聞かなくてもいいんだよね。

その覚悟がなかった。
怒って当然と思っていたけれど、
相手からしたら、当然じゃないのよね。
理由があるんだ。
仕事できないしね。

そして、私は、
仕事ができないからって
言っていいことと悪いことがある
と信じている。

仕事もできないくせにね。
けど、職場だもんね。

職場には、その職場のルールがある。
私の会社じゃないものね。

ルールを遵守させたいのなら、
私がオーナーになるしかない。

大手企業だって、
業務改善のアンケート一つで、
飛ばされ兼ねないのだ。

言われた内容より、
新人スタッフが勝手に怒ってる。
そんな認識なのだろう。

怒るだけ、損じゃない??
だって、言葉通じないんだもの。
国籍どころか、惑星違いだもの。

なんで私は腹が立つんだろう?

相手の感情を受け取って、
喧嘩買って、更に扱いが酷くなって。

世の中には、基本、悪い人はいない。

たぶん、悪くはないけど、
私のことは好きじゃない。

だから、距離を置いて、深入りしないのかも。

もしかして、悪い人は、私だったのかも。

私の中には、理想の世界がある。

現実に打ち砕かれる度に
再構築される言葉の世界。

なりたい自分だけじゃなかった。
世界観そのものを、
現実に押しつけていたんだろう。

理想の世界を捨てられる?

理想を抱いたまま、
現実を受け入れられたらいいのにね。

理想とのギャップに傷ついたり、
苛立ったりで、忙しい日々はもう飽きた。

理想はあくまで、理想。
私の大好きな夢の国。
ディズニーランドみたいなもの。

大切にしたらいい。
いつだって遊べるように。

けれど、その世界観と現実は、
別次元の存在。

現実は、最善の最適解。

現実が優先。
理屈や正しさは、
ディズニーランドに行ったらね。

現実は、なんでもありなんだよ。
だから、いい人ばかりのはずがない。

みんな、自分が正しいと思って、
自分は良い事をしていると信じて、
生きている。

意地悪を言うのも、その人にとっては
正当な理由があるのだね。

私がコンプライアンス違反だ!
と、楯突くことを当然と思うように。

うん。

みんな、悪人ではない。
けれど、善人でもない。

善意はありつつも、
悪いことをする。

それが、人間なのかな。

私も悪人なんだね。
そして、相手も善意ある悪人なのかも。

同じ穴の狢で、
同じくらい傷ついているのかもしれないね。

私が言葉に反応してしまうのと同じく、
言わずにはいられない理由があるのだろう。

さて、どうしよう?

契約終了まで、あと1ヶ月半くらい。

許すつもりはないけれど、
過去の出来事なので、関わりたくないな。

執着するほどの価値はない。
相手にも、現実的なメリットからしても。

そもそも、相手の言葉に傷ついた
と思っているのは、私の錯覚。

私は、傷つけられてなんかいない。
私が、私を傷つけた。

理想があるせいで?

なら、手放すのは、
理想への執着かな。

あるがままの現実を知ろう。

理想との比較ではなく、
なんでもありの自由な世界を
そのまんま眺めてみよう。

人を嫌ってもいいし、無視したっていい。
理想の王国では、重い刑罰に処される。

けれど、現実は、ほぼノールール。

大人は、自分勝手に生きている。

法律に違反すれば、処分され、
人を嫌えば、嫌われて、
無視したら、無視され返される。

因果応報と運の良し悪し。

それを見極めながら、
人生を選択し続けているのが、
大人なのかもしれない。

さて、相手の言動に腹を立てた私は、
相手から邪険にされても文句は言えない。

辛いけれど、仕方がない。

ただ、それにも関わらず、
フォローしてもらっていることは事実。
それに対しては、ちゃんと感謝しよう。

私も、仕事はちゃんとやろう。
まぁ、それでも半人前以下だから、
余計な事を考えず、もう少し頑張ろう。

必要以上の会話は、しなくていいや。

嫌味を我慢するのも疲れるし、
やりたくもないのに、
これまでの癖で、迎合しそうになるし。

正直に、嘘をつかず、
けれど、刃を相手に向けない。

私が刃だと思っているものは、
ただの言葉だ。

私は、ほぼノールールの現実を生きている。
みんな等しく、善意ある悪人ばかり。

善悪すら選べる自由な世界。
けれど、選んだ通りに受け取られる
とは限らない。

人生って、ギャンブルじゃん。

よくもまあ、生き残ってこれたものだ。

fumori


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