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2023年1月23日「水切り」

水切り

「教室じゃ地味で静かな山本の水切り石がまだ止まらない」/岡本真帆

私は文学的作品を読み解く感性に乏しいので、いままで短歌に対していいなと思った経験がほとんどなかったのですが、この短歌を下記のツイートで知って、心に正面から刺さってしまい、泣きながら詩集を購入しました。昨日それが届いたので、ゆっくり読んでいます。

水面を石が跳ねる、跳ねる、まだ沈まない……という緊張の数秒間が下の句の「まだ止まらない」に圧縮されて、クラスメイトの気持ちが一瞬だけ一体になった、そのときの感覚が伝わります。みんなのどよめきと、息を飲む音まで聞こえてくるようです。

本来であれば、どれだけあの日の山本の水切りがうまくても、それはクラスの中だけで消費されるエピソードにすぎなかったでしょう。知らない仲間内の知らないエピソードは、往々にしてうまく人に伝えることができません。私は山本がクラスでどれだけ地味だったのか知らないし、山本が水切りの一件でどれだけクラスメイトから一目置かれるようになったのかを知らないからです。
千言万語を尽しても伝わらないはずの身内の興奮が、この句を通して伝わったということに衝撃がありました。なにより、他人に伝わりづらい「あの興奮」を作者が伝えようと思ったこと、そのことにも感動した気がします。

異種武道大会

香川県の琴平高校では、毎年「異種武道大会」が行われていることを知りました。男子剣道部と女子薙刀部が五番勝負を行うそうです。どちらの部活もインターハイに出場する強豪校で、今までの戦績はほぼ五分だとか。アツいですね。
基本的に男子のほうが筋力があるので、体格でいえば剣道部が有利なのですが、薙刀は竹刀よりもリーチが長いので、得物としては薙刀部に利があります。「剣術三倍段」という言葉があって、薙刀の有段者が剣道の有段者と相対する場合、薙刀には剣道の段位でいえば三倍くらいの強さがある(薙刀初段が剣道三段に相当する)らしいです。

そうなんですね。ここに弓道部を混ぜたいよね。

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