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病気になる前の自分には戻れない

先日、サバイバー仲間と今回の取り組みについて整理していて
「世の中のがんに対するイメージを変えたい」っていう目標にしているけれど
私たちが持っていた「罹患前のがんに対するイメージ」を正確に取り戻すことはできない
という話になりました。
わたしの場合は告知された瞬間にガチャン、とレバーが下ろされて世の中ががらっと変わったような感覚があって、見るもの触れるもの、「がん前」と「がん後」で感じ方がなんとなく変わっているのです。

がんになる前の自分には戻れない。
それこそがサバイバーと周りの人たちの壁なのかもしれない、とふと感じました。

当然のことながら、患者は患者同士で語りがちです。説明不要で楽だし、分かり合えるし。
退院したあと、もうちょっと入院していたかったな、って少し思いました。患者同士の、ぬるま湯の中にいるようなユートピア感のようなものがあったんですよね。

周りの人からすると、サバイバーには病気のことを突っ込んで聞きにくい、という場合は多いのではないでしょうか。

なので、お互いの距離を埋めることができるような対話を繰り返して、忘れてしまっている「がんになっていない人の感覚」をもっと知りたい、教えてほしい、と思っています。

スタートは、やっぱりみんなの気持ちを聞き取り、聞きあうこと。

これもやっぱり音楽にもまちづくりにも似ています。



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