「詰めろ」をかけられるようになるには?

こちらも「初段を目指す会」の生徒さんからの質問。

その答えを書く前に昨日のレッスンの内容について。
※表題からすこし離れるのですが、最後に回答を書きます。

「初段を目指す会」は、現在4人のメンバーがいます。もともとLINEグループで交流がはじまったのですが、私がオンラインレッスンをはじめたのを機に、毎週日曜に1時間定例会を行うようになりました。
多面指し指導対局をしたり、受講生同士の対局を行ったり、ペア将棋をするなど、毎回すこしずつ内容を工夫しています。

昨日はひとりお休みで3人になったので、奇数だと対局が組みづらいこともあり、詰将棋特訓をすることにしました。

かよさん(1級)
私の薦めで毎日詰将棋を解いている。タイムトライアルもしている。
本もたくさん読んでいる。終盤・秒読みが苦手。

Yさん(ウォーズ3級)
ウォーズ対局を毎朝3局がしっかり習慣化している。詰将棋は「みんなの詰将棋」のアプリと、1手詰ハンドブックの課題をはじめたしたばかり。

・Eさん(ウォーズ4級)
ねこまどのオンラインレッスンでいろいろな講師に習っている。こどもの頃は5手詰が解けた。いまは1手詰をやっていて、3手詰は時間がかかる。

この3名が同じ課題を解くとスピードに差が出てしまう。かよさんは慣れているのでだいぶ早いはず。ただしちょっとプレッシャーに弱い。

そんなわけで、以下の方法でやってみました。

■準備したもの
・3手詰(4問1シートのもの)
ショウギクロック

■やり方
制限時間60秒。
かよさん、Yさん、Eさんの順に解いていく。

zoomで図面を共有し。

1番手のかよさんから口頭(符号で)回答していきます。

"ピッ

ピッ

ピッピッピッピッ

ピ――――――"「わああああ」

「この音きくとパニックになるー」と汗だくになるかよさん。。。
さらに符号の言い間違いで慌てたりもして、多く解けたときで6問くらい。
たぶん普通にやれば1分で12問は解けるんじゃないかと思うんですが、30秒の「ピッ」で慌て始め、最後の10秒は諦めモードに入っている感あり。

2番手のYさん。

かよさんと棋歴にはだいぶ開きがありますが、かよさんが解答済の問題を繰り返して解くので、覚えていれば答えられます。将棋ウォーズに慣れているため時間に追われても特に慌てず。時折かよさんを追い越すことも。

3番手のEさん。

2人の通った道なのですが、たまにつっかえます。とはいえ普段解いているのが1手詰で、3手詰を時間制限有りで解くのはたぶんはじめて。それなのにだいぶついていけてました。

当然ながら、トップランナーがしっかり走れると後に続く人も楽。

その後詰将棋について話をしました。

・1手詰と3手詰の間にはだいぶ開きがあること。
・例えると、1手詰は足し算、3手詰は掛け算。5手詰は掛け算+足し算。
(問題によっては掛け算×掛け算レベルのものも)

こんな話をしているときにEさんから表題の質問が来ました。

「詰めろはどうやったらかけられますか?」

どうやら、ねこまど教室のみずたま先生にレッスンを受けていて「詰めろをかけましょう」といわれたらしい。

詰めろは「次に手番がきたら詰ますことができる状態」のことで、
要するに詰みの形を準備することなんですが、
詰将棋の問題図を盤上で作る」と考えたらよい。

つまり、詰み形が頭に浮かばないとかけられないのです。

1手詰の詰めろをかけようとしたら1手詰の形が頭に浮かぶ必要があります。
3手詰が詰まない人には3手かかる詰めろはかけられない!!
⇒詰み形をたくさん覚えれば詰めろがかけられる!

こちらが表題に対しての解答です。

そんなわけで、まずは1手詰をたくさん解きましょうと。

どれくらいやったらいいですか、ともよく聞かれるのですが、
最近は

「1000問解けば次に行けます」

とこたえることにしています。

実際には1手詰のパターンは1000もないので、1手詰ハンドブックの300問をしっかり頭に入れたらok。
そこまでしなくても3手詰は解き始められるのですが、1手詰の答えがパッと思い出せない状態での3手詰は時間がかかりすぎるし、大抵の人には苦行だと思います。先に進んでしまって躓くのがよくあるパターン。

詰将棋の本は1回読んで終わりにしない。

レベル上げのためには同じ敵を何回も倒して経験値を稼ぎましょう。
1分以内に10匹以上きっちり倒せるようになったら、それはあなたにとってザコキャラになったのです。次に行きましょう。
だいたい倒せるようになった時点で腕試しをしたくなって次に進むのを止めはしません。でも1匹に3分以上てこずるようになったら、もとのエリアに引き返して倒せる敵を倒しましょう。そのほうが効率が良い。

※強い敵を時間をかけて倒すのがお好きな方はどうぞ。

※文中にでできた「みずたま先生」のnoteに詰めろについてかいてありました。「詰めろ」をもっと知りたい方はこちらをどうぞ。

1手詰を解きたくなったかたはこちらがおすすめです。

書いてみたら昨日のnote「詰将棋を薦める理由」の続きになりました。
将棋は一番勉強しやすくて効果が出るのが詰みの部分なのです。詰み形を覚えると実戦でも「詰めろ」がかけられます。

「詰めろ」を理解すると、つぎは「必死」がかけられるようになります。
詰めろ・必死は「1手スキ」なので、「○手スキ」がわかるようになると、自玉と敵玉の「速度計算」ができるようになってきます。

いずれも、その手前の部分がしっかり理解できていないと次に進めないところ。慌てて進もうとせず、ひとつひとつクリアしていきましょう☆

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