「エスパーコントロール」デッキガイド【WOE黎明期】
はじめに
|ω・`)ノ ヤァ
こんにちは。はじめまどかです。
今回の記事では2023年9月のエルドレインの森(WOE)環境初期のエスパーコントロールについて、備忘録がてらにまとめていきたいと思っています。
筆者について
お前誰やねんと思われる方がほとんどだと思うので簡単にMTGでどんな活動をしているかからお話します。
まあ、結局はMTGを楽しんでいるひとりのプレイヤーであって何者でもないって感じではあります。
私自身はMTGアリーナを日夜プレイしています。MTGに復帰したかつ、ほぼ始めたといっていいのは「イクサランの相克」の頃です。当時はまだMTGアリーナがなかったのでMOを少し触っていました。
私はボイスチャットなどをしながらカジュアルにMTGアリーナをプレイするのも好きです。構築は気に入ったデッキがあればミシックまで、リミテッドも時間が取れた場合の新セット発売月はミシックまでやって後は放置するくらいのランク帯のプレイ頻度です。
表計算ソフトやPythonを使ってMTGに関する確率を計算したりするくらいにはMTGが好きなのですが下手の横好きというやつですね。今回書いている記事のように文章に起こしてみたり、図解を作ってみたりとアウトプットするのも結構好きです。
私自身はデッキビルダー的な性質も持ち合わせているので、カードプールが比較的狭くて環境解明速度が早いスタンダードはそこまでやりこんだことはありません。同じデッキをやりこむZE!というよりは新しいデッキを作るZE!となりがちなためです。
このような新セットの発売直後の大会などはスタンダードをプレイするいい動機になりますね。筆者本人は競技勢と言えるほど競技的にプレイしていませんし、大型大会で結果を残しているようなプレイヤーではありません。オンライン大会でちょっと勝ったり、予選ウィークエンドに出場してみたり、メタゲームチャレンジで7勝して喜んだりしています。
それくらいのレベルの私ではありますが、非競技勢のレベルでしか共感の得られない内容というのもあると思うので記事にしてみる次第です。真面目な話ばかりでも論文みたいになってしまってつまらないと思うので、少し崩したりしながら記事を書いてみるつもりです。
この記事は上記のような筆者の下で、「エスパーコントロール」について考察した記事になります。
内容と執筆期間
無料部分1万5000文字、有料部分7000文字くらいのだいたいのスケール感になっています。無料部分を見て頂いてさらに興味のある方は是非最後までご覧ください。どちらかというと無料部分の方に力が入っていますのでお布施くらいの気持ちでお願いします。
記事を編集している現段階でだいたい2万3000文字くらいです。3000文字/日として8日、下書きからnoteへの移行に1日、画像と図解の準備に1日という時間間隔で概ね10日くらいを消費して書かれた記事と内容になります。そういわれると結構ぎっしり労力が詰まっているかもしれません。
エスパーコントロールのデッキリスト
現在のエスパーコントロールは上記のようなリストに調整してみました。「エルドレインの森」の環境用に少し調整したのでMAT(機械兵団の進軍:決戦の後に)環境で「Standard Challenge」などに賞しているリストとは少し異なります。果たして調整が成功して強くなっているのか、はたまた調整に失敗して改悪になってしまったのかはまだ分かりません。
《有角の湖鯨/Horned Loch-Whale》を使いたかったという強い意志を感じてもらえればと思います。
エスパーコントロールの特徴
エスパーコントロールは白と黒の除去、青と黒のリソース、白と青の妨害が絡み合ったアーキタイプのひとつです。
現在の環境におけるエスパーコントロールの成り立ちを考えてみますと、大きな転換点としては2023年4月21日に「機械兵団の進軍」がリリースされたことによって《太陽降下》が採用できるようになりました。
《太陽降下》は全体除去に加えて培養・トークンがおまけとしてついてくるのでフィニッシャーを兼ねることができます。もちろん、追放除去であるため死亡時誘発を無視できる点も見逃せません。
《太陽降下》の登場によって、《金属の徒党の種子鮫》、《時間の旅人、テフェリー》、《永遠の放浪者》のようなフィニッシャーをメインボードから別途用意する必要性が下がったことはコントロールデッキにとって大きな進歩であったと考えられます。
そして、《太陽降下》、《放浪皇》、《ミレックス》のみをゲームエンドへのプランとして使用するコントロールデッキが登場します。もちろんですが、《放浪皇》もデッキの中核をなす強力なカードです。
ここまではアゾリウスコントロールと共通する要素となります。
では、アゾリウスコントロールに黒を足してエスパーコントロールにするメリットは何でしょうか。
現在の環境で言うならば白は大振りの除去が強力なのに対して、黒は小回りの効くテンポが取れる除去を複数持っています。加えて、黒はリソースを回復する手段もいくらか持っているカラーのひとつでもあります。
もちろん、エスパーコントロールのメリットとしてトライオームやファストランドの存在によるマナベースの強さも語る必要が出てくるでしょう。
現状よく見るエスパーコントロールのリストはMAT(機械兵団の進軍:決戦の後に)環境においては、「その闘気練り上げられている、至高の領域に近い」というレベルのリストです。
私、MTG猗窩座です。対戦よろしくお願いします。
エスパーコントロールは「Standard Challenge」ですとか他の大会でも結果を残しているトップティアの一角であるアーキタイプなのでリストの完成度は非常に高く、そのデッキを改良するというのは大きなハードルがあります。下手をすると改良ではなく改悪にすぐになってしまいます。
「エルドレインの森」が参入して改良できるといっても、破壊殺じゃないですが新カードを使ってデッキ構成自体を一度破壊して大きく変えるのか、調整の鬼になるかの2通りになるかと思います。今回の「エルドレインの森」の新カードではデッキ構成を大きく変えるほどのメリットのあるカードを見つけられなかったので調整の鬼になりたいと考えています。
エスパーフェアリーコントロールみたいな大きく変わったアーキタイプは組めそうな予感はしましたが、時間制限もありますしちょっと発展途上で終わってしまいそうかなという感覚でした。そのため、今回は以前から存在する「エスパーコントロール」の調整を試みてみます。
現在の環境
スタンダードの環境は流動的なもので、変わっていくものなのでスーパーざっくり概説してみます。
現在最も多いとされているのがディミーアミッドレンジです。他にも多数のアーキタイプが存在しています。
エスパーコントロール、ランプ、セレズニアエンチャント、エスパーミッドレンジ、赤単アグロなど。
最新の環境の予測
現在のMAT(機械兵団の進軍:決戦の後に)環境に新しく「エルドレインの森」のカードが追加され新しいアーキタイプが加わります。
追加される筆頭としては赤単アグロのゴドリック、青黒フェアリーでしょうか。
これらのアーキタイプはかなり明確なので、環境初期であってもある程度練り上げられたデッキとなっていてもおかしくありません。
他の新デッキについては、まだまだ試行錯誤の途中のデッキになると思うので、完成度はそれほど高くないことが予想されるためつけ入る隙はあると考えています。
「出来事」を擁するデッキもかなり有力なアーキタイプになると思っていますが、非常に短い調整期間でデッキを練り上げるのは非常に大変なことなので、「出来事」デッキが環境初期に活躍したのであればデッキビルダーに素直に拍手を贈ります。
各色に対応するマナベースと適正
MTGはマナベースとは切っても切り離せない関係にあることはみなさんご存知の通りです。
このマナベースというのがデッキの安定性≒強さに直結する要素だということを考える機会はあまりないかもしれません。これは単色については分かりやすいのですが、多色になってくると分かりにくくなってくるためだからだと思います。
かみ砕いて言えば、タップインゲインランドのような2色が出る土地が各色に存在しているので多色のカードをプレイする分の色マナを確保することは可能なのですが、タップインランドばっかり置いていたらそりゃ負けるよねということになります。
そういう前置きをした後ですが、独自の評価をもとにマナベースの強固さについて表にまとめてみたのでご覧ください。
現環境にはスローランド、ダメージランド、ファストランド、ミシュラランド、トライオームなど多様な多色地形が存在しますのでそれぞれの色の強さの関係性はパッと見では分かりにくいです。
そこで、各色に応じたアグロ適正、ミッドレンジ適正、コントロール適正をまとめた表を用意しました。特色には使用できる多色のランドを記載しています。表や図解にするとより分かりやすくなると思います。
この表は私感による相対評価なので参考程度に考えてみてください。例えば、赤単アグロが想定より強すぎた場合、タップインのトライオームなんか置いてる場合じゃないぞ!みたいな環境になると評価はまた変わってきます。
新しく対抗色の色の組み合せでミシュラランドが「エルドレインの森」で登場したのでマナベース的にも環境変化が訪れています。ミシュラランドはタップインになりますので、アグロ適正は比較的低めではあると評価しています。マナベースを安定化させることやマナフラッドを受けるという役割が現状強いと思われるので、ミシュラランドが使えるカラーのミッドレンジ適正及びコントロール適正が高まったと思います。
対抗色のカラーはファストランドがないのでアグロ系のデッキは成立しにくかったです。そこにミッドレンジからコントロール適正の高いミシュラランドが加入しため、対抗色で若干レンジの長いデッキが復権してくる可能性が出てきました。白黒役割デッキですとか、緑黒のグッドスタッフ系ミッドレンジデッキとかが少し姿を見ますね。可能性を感じます。
新規デッキはこれらのようなマナベースから創出されると思いますので、ジャンドのような弧三色のデッキはマナベースが安定しているためデッキを組みやすくなっています。
スゥルタイなどを始めとする楔三色のデッキはトライオームが無くマナベースが並みである点と研究時間が足りない点があります。そのため、新規マナベースが必要な多色デッキは環境初期に現れることはあまりないと考えています。
今回、デッキ選択をしたエスパーコントロールでいえば、なんとか現代の環境においては実用に堪えてくれるマナベースを構築できるという位置にあると思います。対抗色のミシュラランドの加入はプラス要素ですね。デッキに噛み合った能力をしていると思います。
マナベースについてかなり工夫されているというのを感じたのはRush Prosの井川さんのデッキです。かなり弱いと思われていた多色地形を上手く使って結果を残しています。1年半近く前の記事ですが参考までにリンクを置いておきます。
概要としてはマナベース的にボロスアグロの成立≒安定性は厳しいものがあったのですが、最弱と名高い「見せランド」である《怒静の交錯》を上手く使って、アグロ用のマナベースを完成させたというところですね。
エスパーコントロールのデッキ選択経緯
さて、「エスパーコントロール」に話を戻しまして。
多様性のある環境だと対応する側のデッキとしては難易度が上がります。サイドボードの枚数も15枚と限られていますので。
しかしながら、環境初期の大会に限って言えば完全新規アーキタイプというのは数自体は少ない傾向にあるためコントロールも悪い選択ではないと考えました。現環境でよくいる典型的なコントロールらしいデッキといえばエスパーコントロールになりますね。
「エルドレインの森」の新カードとしては《有角の湖鯨》を使ってみたかったというのもあります。《有角の湖鯨》を一番うまく使うことができるのはエスパーコントロールでしょう。
《有角の湖鯨》は出来事からの当事者という流れも綺麗でかなり気に入ったカードでした。一方、《有角の湖鯨》はあまり複数デッキに入れるカードではないので「エルドレインの森」の新カードを十分堪能できる訳ではないのは心残りです。
以前の環境ではグリクシスミッドレンジに関してもやってることはぶっちゃほぼコントロールだったと思いますが、《鏡割りの寓話》の禁止によってデッキパワーがダウンしました。《鏡割りの寓話》のカードパワーが高かったこととシナジーが強力というかデッキにマッチし過ぎていましたね。グリクシスミッドレンジは現在ではあまり姿を見る機会がなくなったという印象です。マナベース的には強いカラーなので復権してもおかしくはないとは思っています。
《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》がないというのは良くも悪くもエスパーコントロールを選択する理由になりました。《鏡割りの寓話》の対処としてこれを打ち消しそびれると、単体除去を2枚切る必要がありアドバンテージ損するカードでした。宝物を出されるとテンポも良くなりますし、ルーティングでハンドの質も高めることができました。コントロールとしてはかなりマスカンに近く相手をしていて嫌なカードの1枚です。そのようなカードがないことはコントロールデッキを握る動機のひとつにもなります。
コントロールとしては《スレイベンの守護者、サリア》はデッキとしてかなり苦手なカードです。特に《離反ダニ、スクレルヴ》に続けてプレイされると対処は困難でそれだけで負けを覚悟します。現在のメタゲームではそれほど《スレイベンの守護者、サリア》を採用したデッキの数は存在していないのは追い風となっています。いたらきつい。
さらに他のカラーのコントロールでいくと、ジェスカイコントロールも好きでよく使っていたので軽く検討したのですが没としました。ジェスカイカラーはトライオーム、ファストランドの不足の観点もありダメランを重ね引くと死期が早まります。マナベースが弱いのは致命的だと判断しました。
青黒フェアリーが増える中でサイドカードとして《石術の連射》が使えるのは個人的には超々魅力的でした。《眠り呪いのフェアリー》許すまじ。まだほとんどプレイされたことはないですがヘイトだけは高いです。後は《鏡割りの寓話》も禁止ですし赤いカードでメインボードに入れるカードが言うほどなかったです。はい。
上記のような理由からエスパーコントロールを使用してみることにしました。特段、エスパーコントロールが最強!!!って感じでもないので、案外ふんわりとデッキを選択しています。
私、個人的にはアグロコンボ、ミッドレンジコンボ、コンボコントロールみたいなデッキが好きです。勝ち筋は別に持ちつつも結構大味で少し派手なことができるデッキがお気に入りになりやすいですね。
そんなプレイスタイルなので純正コントロールは使うのも使われるのも少し苦手な部類に入ります。余談ですが、コントロールデッキは私自身苦手ではありますが使えるようになりたいアーキタイプのひとつです。プレイの練習と記事作成によって理解を深めることで上達の糸口を掴みたいと思っています。
各カード解説・メインボード編
デッキの特徴としては基本的にメインボードにはクリーチャーを採用していないコントロールデッキです。
メインボードにクリーチャー・カードを採用しないことによって、対戦相手の単体除去を腐らせるまではいかなくとも強く使わせないことができます。デッキ構築の段階で対戦相手のデッキの「カードのバリューを下げる」ことができます。弱いカードが入っていたら勝率は下がるよねという風に言い換えると分かりやすいかもしれません。
また、ドローソースにはカードを「引く」カードを極力採用しないことで《フェアリーの黒幕》と《黙示録、シェオルドレッド》の能力を誘発させにくくすることが可能なデッキ構築ができます。
以下の項目では各カード毎の解説、私見を述べていきます。
汎用除去です。
2/3とか3/2までのクリーチャーを除去できる軽量スペル。序盤に土地のタップイン処理をしている間に浮いているマナで使う機会も多いですね。
ただし、新型の赤単では立場が少し弱いです。《熊野と渇苛斬の対峙》後の2マナクリーチャーは3/3になっているので当てることができません。また、新型赤単アグロの特徴である《擬態する歓楽者、ゴドリック》にも当たらないことに加えて、《巨怪の怒り/Monstrous Rage》を採用している型も流行していそうです。《巨怪の怒り》に至っては除去を回避しながらパンプアップしてくるので最悪な状況になります。
汎用ソフトカウンターです。
打ち消されないようにするためには2マナが必要なのである程度信頼のおけるカウンターです。《放浪皇》や《ミレックス》のトークンを使って犠牲でプレイすることもままあります。
非クリーチャー限定の確定カウンターです。プレインズウォーカーなど定着すると厄介なカードを弾くことができます。
かなり範囲の広い汎用除去です。単純にサイズに関係なくクリーチャーを除去できる点は優秀です。プレインズウォーカーも対象に取れるの範囲の広さはピカイチな除去スペルなのではないでしょうか。苦手な青黒フェアリーの《眠り呪いのフェアリー/Sleep-Cursed Faerie》に対処しやすいカードでもあります。PWと護法持ちをどれだけ意識するかでプレイ順を変えて使う必要があります。
汎用除去です。アーティファクト・クリーチャーを破壊できないというデメリットを持ちます。「エルドレインの森」で新規で強力なアーティファクト・クリーチャーはあまりいないのでそこまで使い勝手は変わらないと思っています。
ドローソースです。2マナと3マナで分割できます。5マナで4枚見て2枚確保できる仕組みです。そう考えると効率的な面では《記憶の氾濫》に軍配が上がります。小回りが利くのでダブルアクションを取りやすいのはいいですね。
現在のマジックでは土地が止まると負けに直結します。2マナのこのカードでは対戦相手の土地を入手することもできるので、マナスクリューを受けることができるというのは大きなメリットです。コントロールで土地が詰まったら負けます。正直このカードの存在はアゾリウスコントロールに黒を足す理由のひとつになっているとさえ思います。それくらい土地詰まりで死亡するリスク回避を回避できるカードは入れておきたいところです。《税血の収穫者》の血・トークンが偉いのにちょっとだけ似ているかもしれません。
ドローソースです。ソーサリータイミングで唱えることは少ないです。ほとんどの場合は他のカードと同時に構えるためX=2or3でプレイすることが多いです。その場合、4枚見れる《記憶の氾濫》の方が強く感じることが多いです。一方、こちらのメインターンでプレイすると尋常じゃなく引けるのでそのまま勝ちに繋げることができます。マナコストがXの呪文なのである程度柔軟にプレイすることが可能です。土地が詰まったときは渋々X=1でプレイすることも視野に入れます。《フェアリーの黒幕》と《黙示録、シェオルドレッド》に引っ掛かるドローソースというのは不安要素のひとつです。デメリットとして《黙示録、シェオルドレッド》によるライフ損失を受けるので死期が早まります。エスパーコントロールへの採用実績はかなりあるカードですが、今回は不採用を検討しました。
汎用カウンターです。古くは「ミラージュ」からあるカードで、打ち消しに成功すると打ち消したカードを追放できるカードです。
調べてみて感じましたが、「ミラージュ」からあるってなんやねん。1996年から存在してますみたいな顔して、時代は令和やぞ。はい。よく言えば、マジックの歴史を感じることができる1枚ですね。神バランス過ぎない?
《しつこい負け犬》は打ち消して追放したいカードのひとつです。《雲散霧消》は追放効果の追放が希少で、リアニメイトやフラッシュバック持ち呪文にも強いのが特徴です。ミラーマッチでは《眼識の収集》や《記憶の氾濫》に《雲散霧消》をプレイするかと問われるとかなり難しい問題ですが。
汎用除去です。土地でないパーマネントを破壊することができる極めて万能なインスタント・カードです。苦手な青黒フェアリーの《眠り呪いのフェアリー》を確実に対処できる稀有なカードです。処す?処す?
打ち消し漏らした《ヴェールのリリアナ》を破壊する役目も担います。《ヴェールのリリアナ》のハンデスはアド得されている訳でもなく損している訳でもないので少し嫌くらいなのですが、奥義に到達されるとほぼ負けますのでどこかで破壊必須です。
単なるマナ加速装置のように見えるかもしれませんがメインの能力は昼夜によるルーティングで、マナを使用せずに不要牌を有効牌に変換することができます。この能力が非常に役に立ちます。除去が不要な相手には除去を捨て、マナフラッドしたら土地を捨てるという感じです。ライフゲインがめっちゃしみたりもします。このように基本はマナ加速しながら質の面でのハンドアドバンテージを稼ぐことです。置くタイミングが非常に難しいカードでもあります。《告別》でついでに追放されちゃうと悲しみに包まれます。
MAT(機械兵団の進軍:決戦の後に)環境のエスパーコントロールを見るとほぼ確実に採用されている1枚挿し確定枠になっています。私自身も何シーズンか前からジェスカイコントロールを組んで《セレスタス》を愛用していたので強さは理解しているつもりではあります。しかしながら、この常識を疑わなければならない状況になってきたように思います。基本的に土地を立てて構えてターンを返すデッキでありながら、3マナのソーサリータイミングのカードってどうなの?と。新たな出来事というアドバンテージ源によって、守破離の離の段階に来たのではないかと。いい意味で常識外れなのではなく、非常識になるかもしれない恐ろしい選択ですが《セレスタス》不採用をテストしてみることに。
白を含むコントロールデッキを組む理由になりえる1枚。除去、トークン生成、コンバットトリック、クリーチャー強化と幅広い仕事を1枚でこなすプレインズウォーカーです。まさしくこのデッキの主役と言っていいカードです。
(メインボードの神話レアはこのカードだけですからね。)
《黙示録、シェオルドレッド》でダメージを受けないドローソース。除去を探しに行く上で割と重要な要素です。フラッシュバック付きでさらなるアドバンテージを得られるのも嬉しいです。コントロール同系対決などでは打ち消されてもフラッシュバックがあるのでアドバンテージの面で気にならないなどのメリットも多数あります。
全体除去兼フィニッシャー枠。これが通るとクリーチャー群は死滅しながら培養・トークンが残ります。残った培養・トークンは攻防に役立ちます。5マナと重いことが唯一のネックでしょうか。
すべてを吹き飛ばす全体追放除去。《婚礼の発表/Wedding Announcement》を除去する際には非常に便利。かなりの効果があるのはセレズニアエンチャントと白単ミッドレンジ系です。
「エルドレインの森」に収録された出来事持ちクリーチャーです。出来事と当事者の両面で唱えることができれば、それだけで1枚で2枚分の仕事をしてカードアドバンテージを稼ぐことができるすごいカードです。両面ともインスタントタイミングで唱えることができるのでこのデッキとの相性は◎です。
このエスパーコントロールで種類の限られていたフィニッシャーの数を増やしてくれるというのは非常に嬉しいポイント。このカードによってデッキの扱いやすさが格段に上がる可能性があります。ただ、出てくるクリーチャーは《海中の侵略者/Undersea Invader》クラスのカードというかアンコモンに毛が生えた程度の性能なので期待しすぎは禁物です。並みレベルのクリーチャーなので、対戦相手のハンドで腐っている《喉首狙い》が命中するためプレイするタイミングには注意が必要です。信頼性はそこまで高くないという印象を受けました。
多分、追放領域で進行中の出来事としてにらみを利かせるのが最大の仕事かもしれません。そう、このカードはファ〇ヤーだったのだ…護法コストを含めた分の除去を構えさせて動きを鈍らせること。そう、にらみつけて相手の防御を下げているのだ!
真面目な話に戻すと、このカードが追放領域に見えていると除去を構えていないと殴られるのに加えて、《放浪皇》などのトークンには除去を消費するわけにはいかなくなるという仕組みです。その間にトークンで殴り切ってしまいましょう。
バリューランドの1枚である《ミレックス》はこのデッキではフィニッシャーとしての役割も担います。エスパーコントロールは基本的に構えることが多いデッキなので、戦場に出たとき能力で色マナが出る恩恵は少なめです。コントロール同系では無類の強さを発揮しますがマナベースを圧迫するのがデメリットです。《虚空裂き》を筆頭に色マナ要求が厳しめのデッキなので序盤重ね引いたときはリスクが伴います。
エスパーコントロールでは概ね2枚が確定枠となっています。メインボードから《ミレックス》3枚のリストも極稀に見かけますが、マナベースの関係上勇猛果敢に過ぎると思いました。コントロール相手にはかなりプレッシャーのある有効なフィニッシャーになるというのは事実なのでサイドボードにも仕込むめるか検討するのはよいのではないかと考えています。
「エルドレインの森」にて新しく収録されたタップインミシュラランドです。2点のドレイン能力が付いておりコントロールに適した性能をしています。《眠らずの城塞》は今回収録されたミシュラランドの中では最も色と能力が噛み合ったカードだと考えています。ただ確定タップインなのでテンポロスしてしまう面もあるのでどこまで採用できるかは検討しなくてはならないでしょう。
各カード解説・サイドボード編
こちらの項目ではサイドボードについて解説します。
サイドボードに採用しているカードは対象とするデッキとの相性を改善する目的で投入するイメージです。メインボードの不要でバリューの低いカードを抜いて、特定のデッキに強いバリューの高いカードを補充します。
対赤単用に必要なカードですが被ると手数で負ける可能性があるため2枚前後がベターだと思います。デメリット無しの4/4/5スタッツということでビッグサイズ。最近のカードだと《面汚しの乙女、エインジー/Anje, Maid of Dishonor》とかかなり近いカードとして存在しているのでスタッツ自体はまあまあこのスタッツのクリーチャーはいるようです。
《魔女跡追いの激情》でテンポよく焼かれて攻められるとリーサルにされる場面もあるのである程度その点を考慮して戦場に出すことが必要です。
コントロールデッキのサイドボードとして定着している鮫。コントロールを相手にする場合のサイドボーディングとしては除去を減らすのが一般的です。そのため、《金属の徒党の種子鮫》はメインボードに直接入れるよりはサイドインした方が盤面に定着しやすいという理屈です。3マナと軽い点も評価できるところで、軽量のフィニッシャーとなってくれるでしょう。被らせて使っても強くないので2枚でよいと思います。アグロデッキ相手にはブロッカーとしても役に立つのでサイドインする場面が多いです。
サイドカードとしては優秀なカードです。特にサイドボーティングしたいのは対ランプ戦です。定番カードですね。
レンジストライク系の除去で追放効果付きのインスタント。《切り崩し》と競合するサイドボード枠です。《熊野と渇苛斬の対峙》後の2マナクリーチャーは《切り崩し》で落とせないのでここは差別化されているポイントだと考えています。対赤単を意識して、今回は《エルズペスの強打》を採用してみます。倒したクリーチャーは追放できるので《しつこい負け犬》にも強いのは大きい違いです。
対赤単用の1マナ4点の2点ゲイン強化された《擬態する歓楽者、ゴドリック》、《レッドキャップのどぶ住まい》を落とせるのは大きなメリットだと考えています。《黄昏の享楽》も強いカードなのですが、上記2枚を抑えられないので相対的に弱くなった印象です。今回はこのカードを試してみることにします。
4枚目の《眼識の収集》。対コントロールへのアドバンテージ源として活躍を期待します。カードは追放領域に貯めることになるので重ねて引いてしまっても手札が溢れて捨てることにならないのはメリットです。
とりあえずサイドにも1枚取っておくと安心できます。こちらもある種定番となっているカードです。
対コントロール用の決戦兵器です。メインボードに積むことができる《ミレックス》の枚数は2枚がマナベース的にも限界だと判断したので、サイドボードへの採用を検討しました。コントロール同系では土地が詰まると負けるので土地自体を増やすのも悪い選択ではないと考えています。
ただ、誰もサイドボードに《ミレックス》を入れていないということは弱いからやっていない可能性が結構な確率であります。パイオニアの《回路切り替え/Flip the Switch》は「イニストラード:真夜中の狩り 」のカードなのですが2023/8/14くらいに再発見されイゼット異形化に採用されるという面白い活躍を見せていました。《ミレックス》のサイドへの採用はこのような再発見になるといいなと思っています。
対青黒ミッドレンジのPW用に追加として採用を検討します。打ち消し漏らしたPWを刈り取る形ですね。
赤単であれば《熊野と渇苛斬の対峙》の英雄譚の状態でも封印できます。
役割トークンなども飛ばすことができます。《耐え抜くもの、母聖樹》で触られるのはデメリットです。
サイドボードで見せることが重要ではないかと考えたカード。対戦相手はサイドボードにあるこの《強迫》を見たことによって、捨てられる前に早めにプレイしなければという強迫観念に襲われること受けあいです。
採用候補・検討したカード
検討したものの採用に到らなかったカードたちを紹介します。環境に合っていないと判断したカードが多いですかね。
対赤単にも入れやすいサイドボードカード。《稲妻の一撃》と速攻クリーチャー1体で沈んでしまうのは悲しいところです。様子を見ながら戦線に投入する必要があります。また、アドバンテージを稼ぐ必要のあるミッドレンジからコントロールのデッキ相手にもよいと考えました。しかしながら、赤単には全然間に合わなそうという結論で場外に。
《黄昏の享楽/Sunset Revelry》
概ね4点ゲインと1/1トークンを2体生成。主に赤単へのサイドインを想定しました。チャンプブロッカーとしては優秀ですが、《擬態する歓楽者、ゴドリック》は空を飛んでくる可能性があるためどこまで信頼していいかが疑問点です。
《執念の徳目/Virtue of Persistence》
出来事がソーサリーであることを除けば最高のカードでした。インスタントであればノータイムでデッキに入れていました。しかしながら、ソーサリーとはいえ能力は強力なので採用検討には十二分に値するカードです。除去にフィニッシャーが付いてくるというのはそれだけで魅力です。結局のところソーサリータイミングのカードということで今回は見送りです。
《アイレンクラッグ/The Irencrag》
カード自体はかなり強いと思っています。スタンダードで使える条件なしのアンタップインの2マナのマナファクトは《精神石/Mind Stone》以来の16年振りの収録ですかね?伝説のクリーチャーの数が少ないのでエスパーコントロールでは2つ目の能力が活かせないのがネックです。《虚空裂き》など色拘束のきついカードはマナ加速の恩恵が受けられません。《告別》の巻き添えをくらうのも注意がいります。
追放領域からの呪文を(青)の1マナで打ち消すことができる切除持ちカウンター。通常は(1)(青)(青)なのでよくある一般的なハードカウンターです。出来事呪文が使用可能になった今の環境ではバリューが上がったカードのひとつです。当事者をどれだけ打ち消すかと言われると疑問は残るところではあります。でもかなり面白いので入れたいと思わせてくれるカードです。リスト公開性の大会では「(青)を浮かせているがその呪文打てるか?」とプレッシャーをかけることができます。今回は《雲散霧消》の代わりを務めてもらうことにします。
《時間の旅人、テフェリー/Teferi, Temporal Pilgrim》
強化されるトークン、ドロー、奥義を持っているプレインズウォーカー。奥義を使っているところは見たことがないです。ドローエンジンとしては5マナと重いので弱めに感じます。《漆月魁渡》とかは3マナですし。不利盤面を取り戻してくれることはなく、普通から有利の盤面を確固たるものにしていくと評価しています。
《忌まわしき干渉者、アショク/Ashiok, Wicked Manipulator》
強化されるトークン、ハンドアドバンテージの確保、奥義を持っているプレインズウォーカー。能力が《時間の旅人、テフェリー》に近いカードです。ドローではないので《黙示録、シェオルドレッド》が痛くないのはメリットですね。トークンが2体生成できるので、自衛能力が高めなのは魅力です。
除去のモードが付いていないところはちょっと使いにくくなる要素のひとつです。
《冥途灯りの行進/March of Otherworldly Light》
PW以外大体落とせる除去。「エルドレインの森」に新しく収録されたミシュラランドにも1マナで対応が可能な点は魅力です。現エスパーコントロールだと白のカードは軒並み強いので手札を追放して落とすという場面は少なそう。
《婚礼の発表/Wedding Announcement》
対コントロール戦においてはマスカンになるフィニッシャーカード。複数枚投入したいカードなのでサイドボードをかなり圧迫します。ミラーをどこまで強く見据えるかによって変わりそうなカードです。
《ぎらつく氾濫/Glistening Deluge》
対緑、白用の-3/-3の全体修正除去。投入できるデッキが限られるので、3マナの全体除去枠では《危難の道》が優先されそうです。
《危難の道/Path of Peril》
ここら辺のスイープはダニ→サリアの流れにギリギリ間に合うかどうかというレベルなので、何枚かは採用しておきたい気持ちがあります。序盤のいなしと後半の全体除去で二役こなせるのが売りです。今回作成するマナベース的には(黒)(黒)より(白)(白)の方が出やすいので《一時的封鎖》にする可能性が高いです。
《速足の学び/Quick Study》
インスタントになった《予言/Divination》。可能性はかなり感じます。
《錠前破りのいたずら屋/Picklock Prankster》
切削4でインスタントやソーサリー(とフェアリー)を手札に加えられる。当事者も付いているので若干のアド。検討はしたもののカードパワーは低め。
《敬虔な新米、デニック/Dennick, Pious Apprentice》
対赤単用に使いやすいカード。分回りムーブには無力。
《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire》
デッキに入れ得なカードに思えますがこのデッキで回収できるカードは少ないです。4ターン目に白白、青青、黒黒を要求される関係上、マナベースを圧迫する要素のひとつとなります。なので、多くのデッキでは不採用となっています。
《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》
単純にデッキにあっておらず大して打点も高くなく、ドローもそこまで進まなそうということが不採用の理由です。
《漆月魁渡/Kaito Shizuki》
コントロールデッキなので維持しにくくデッキに合っていないカードです。
コントロールデッキ相手に出したらもしかしたら強い??
《新ファイレクシアへの侵攻/Invasion of New Phyrexia》
メインサイドにどちらに合ってもよいカード。コントロールのサイド後では全体除去を減らす傾向にあるので、通せたならば必殺。
《真髄の針/Pithing Needle》
《敵対するもの、オブ・ニクシリス》や《鬼流の金床》などに刺せるとちょうどよさそうです。ただ、《告別》でついでに流れていく場合があります。
《一巻の終わり/The End》
4マナと重いのでなかなか打つ機会は限られますが、特定の脅威を根絶やしにすることができます。
《多元宇宙の突破/Breach the Multiverse》
相手に打たれることが多そうなカードです。自分で打っちゃおう、逆にね!!冷静に考えるとエスパーコントロール側に復活させて強いカードがあまり入っていないので最大限の効果は発揮できなさそう。
《ローナの渦/Rona's Vortex》
基本的にバウンスなのでテンポを取ってカード損するカード。《敵対するもの、オブ・ニクシリス》のトークンを消せるのは一定の評価ができます。
《怒りの大天使/Archangel of Wrath》
キッカーで赤が出ないのがネックですが、《ミレックス》から無理やり捻出することはたまに可能です。
《魅せられた花婿、エドガー/Edgar, Charmed Groom》
スーパー邪魔なクリーチャーで破壊してもトークンを出しながら戻ってくることができます。メインボードから投入した場合でも除去が大して効果がないカードとなるので、採用も十分検討できるレベルのカードです。後はトークンに地味に絆魂がついているのがしみそう。ただバニラになってしまうマッチアップは存在しそうなので手放しでの採用はできないと思います。瞬速もないのでソーサリーで4ターン目に出すのは躊躇する場面が多そう。
《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》
対赤単用戦力として優秀なブロッカーです。
《永遠の放浪者/The Eternal Wanderer》
かなりいいカードではあります。《告別》と比較したときに排除できる対象が少ないのが気がかりです。
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