廃用についてあれこれ勝手に思う

 廃用のリハビリテーションをしていると、拒否が多いし、依存的だし、やる気を感じないなと思うことは多々あると思います。
 でもよく考えてみてほしい。極限まで体力がないとき・・・寝ますよね?だるいとき、動けないですよね。その辛さMAXな状態があると考えたら辛さをとらないとリハビリなんて苦行できません。

 栄養はどうか、併存疾患はどうか(マルモっていうんですっけ)、ロコモはないか、いろいろチェックすることはありますね。

 とりあえず栄養は足りているかチェックしてカロリーをこれでもかってくらいに上げるのですが心肺機能がもともと悪い人(心疾患や肺疾患など)は血液検査なんかしても代謝がうまく上がってこない感じがします。逆に、代謝関係での異常値がす〜っと整理されていった方はもともと重度の心肺の疾患があってもとんとん拍子にリハビリがすすんでいくことをたまに経験します。ええ、たまにです。少数派です。

 そうすると、まず第一にすることは体の状態を守りモードから活動モードに切り替えるというところかなと思うのですね。夜は眠れているのか、痛いところはないのか、つらい症状はないのか。まあ本当にこのへんはリハビリそのものではないんですが、リハビリをするためにとりあえず拘縮予防だけしてひたすら休息をとってもらうなんてことも考えるわけです(割と漢方薬使って無理やり元気だしちゃいますけど)。で、休息をとるにしても環境を整えていかないとなかなか休めなかったりして、最初は眠剤出したりいろいろするんですけど、体動できないと背中痛くなるよなとか、痛みや不随意運動なんかがあると休めないなとかいろいろとリハビリのもとになった疾患だけでなく併存しているもののコントロールをしていきます。

 で、よく休めてさあこれから、となると筋力をつけたりとかするんですが、筋肉ってそんなにすぐにつくのかっていうと特に血液検査で異常値が出まくってる方、なかなかついていかない印象があります(N数少ないのでエビデンスもへったくれもありませんw)。このへんを誰か検証してくれるとなと思いますね。ご飯食べてちゃんとパワーに変換されているのかとか、異化が進むような状況になっているのかとか。指標があると助かります。後方施設にいくとろくな検査もできませんので何もできません。
 ちなみに筋力トレーニングの効果についてこういった論文がありました。3週くらいまでは筋肥大効果がないという論文もあり、7週までの急速な効果は筋肥大によるものだけではないと思われます。それでも健康な高齢女性で30%くらいは最大筋力は増えているのですね。筋断面積はそれほど増えていないので主に神経の賦活的な問題でしょうか。1RMで筋トレしてますのでこれは結構大変なトレーニングですね。廃用性萎縮をきたした筋に対してマウスに筋トレをさせると0.4RMがよかったなんて発表もあり、どの程度の負荷がよいのかはちょっと分かりません。今までの負荷を変えてランダム化試験とか難しそうです。せめて何かマーカーとかの研究があるとよいですね。

 ある程度動けるようになってくると、人間、意欲がわいてくるので起きたいとかご飯食べたいとかテレビ見たいとか動きたいとかいろいろ気分が上がってきます。でもやっぱり疲れちゃうとどーんとやる気が失われてしまうのでそこで負担をかけすぎないようにやっていくわけです。リハビリも疲れすぎずにしっかり動けるように動作の習得を中心にしています。筋トレも重要ですがこの短い入院期間でできることなんて限られてるので無理なく徐々に底上げして来年にはパワーがつけばいいやと思ってます。。拒否されるようになったら筋トレもなにもできませんので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?