madder

エッセイや短編小説など物書きが趣味です。 よろしくお願いします!

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最近の記事

二度目のはじまり

都会ではないが田舎と言うほどでもない、郊外にある一軒家に引っ越した。バスは1時間に1本だが、車で10分走ればスーパーも病院だってある。何より小さな子どもが二人もいるので、自然の多い環境で子ども達をのびのび育てたいと言うのが引っ越しの1番の理由だった。 引っ越しが落ち着いた頃、子ども達を連れて近くを散策した。過疎化が進み、古い空き家がちらほらと点在していた。ただこの辺りは土地が安く、若い夫婦やファミリー向けに注文や建売住宅を斡旋しているらしく、新しい風も吹いて来ているようだ。

    • 懸賞高校生 第三話

      美玖「ここって···一体どこなの!?」 「さっきいた場所からずいぶん離れている感じがするけど···まずはキューさんに連絡しなきゃ!」 LINでキューさんに連絡する美玖 LIN画面 美玖〈キューさんすみません!ショーのお客さんの大群に巻き込まれて、よくわからない場所に来てしまいました〉 美玖「キューさん、戻るの遅いからきっと心配してるよね」 ピコン LIN画面 キューさん〈俺がそっち行くから萩野はそこで待ってて〉 キューさんからのLINに少しホッとする美玖

      • 懸賞高校生 第二話

        甘ちゃんコーヒーのキャンペーンで、見事フラワーランドのペアパスポートが当選した美玖 美玖「やったー!!これで念願のフラワーランドに行けるよ〜貯金も今ある分でなんとか足りるはず。明日お姉ちゃんに都合の良い日聞いてみよー」 ふと美玖は、バイト中のキューさんとのやり取りを思い出した 美玖「···フラワーランドのペアパスポート当選したって、キューさんにLINしようかな」 「けどキューさんにしてみれば別にどうでも良いことだよね。大した用もないのにLINしてって思われたら···あ

        • 懸賞高校生 第一話

          懸賞大好き高校生、萩野美玖(はぎのみく)は中学の時にイジメられていたが偶然コンビニで見た、受験生用の商品POPに心を打たれそのコンビニでバイトすることを決める。 同じバイトの一つ上の先輩、キューさんこと坂下弓槻(さかしたゆづき)は無愛想だけど美玖に対するさり気ない優しさが、美玖の中で最近気になり始めて··· そんなキューさんにすすめられて聴いているラジオ番組Lovely♡Everyday。懸賞ハガキを書きながらラジオを聴くのが美玖の“お楽しみタイム”そしてラジオの常連リス

        二度目のはじまり

          津軽海峡泣き景色

          19歳、専門学校1年の時、同い年の他校の大学生と付き合っていた。 友だちの紹介で初めて会った時、外見も格好良く話し方も優しくて、おまけに東北なまりも可愛くて好きになるのに時間はかからなかった、というか逆に好きにならない理由がなかった。 お互い学校が終わると駅で待ち合わせして、カラオケに行ったりカフェでお茶したりした。放課後なので会えるのは3時間ほどだったけど、お互いの学校や友だちの話などたわいもない話が楽しくて、彼といるのが嬉しくていつもあっと言う間に時間が経っていた。 そし

          津軽海峡泣き景色

          ポツンとココナッツカレー

          20代初め、就職して地元を離れ新しい土地に越して来た時の事。 そのスープカレー店は中心街から離れた静かな川辺のほとりにポツンと建っていた。 2階建てアパートの1階部分が店舗となっていて、手描きで描かれたようなポップな色合いの看板がでかでかと掲げてある。 ドアを開けるとなんとも陽気なBGMが店内に響き渡っていた。 「いらっしゃいませ〜」 私より多分少し年上の綺麗なお姉さんが笑顔でメニュー表を持ってきてくれた。 メニュー表を開くと店の看板猫なのか、アメリカの某キャラク

          ポツンとココナッツカレー