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CD-ROMに初めて触れた日のこと

一昨日我が家にPCエンジンminiがやってきました。ニンテンドークラシックミニ・ファミリーコンピュータが登場しヒットしたことをきっかけに昔活躍したゲーム機が次々とコンパクトになって、沢山のゲームを収録して発売されました。バーチャルコンソール登場を機にブログ始めたりして十数年。まさかこのような事態になろうとは。だってVCで出てたやつ収録、そこにないもの新録、まではまだ分かるものの、未発売のスターフォックス2収録とかファンメイドのメガドラ版ダライアスをブラッシュアップして収録しましたとか完全に意味が分からない。人というものはほんと何するか分かりませんね。思わずぽかんとしてしまいますが、そんな素敵な無茶をしてくれる開発者の皆さんには「好き勝手やりやがって」と言いつつ心からありがとうと伝えたいです。ありがたく遊ばせていただいております。
すみません。少しうそをつきました。無茶したゲームちょっと遊んで、可愛くなった本体、と同時に大量に増えた積みゲーを眺める日々です。

さてさて、話をPCエンジンminiに戻しまして。

PCエンジンmini発売記念で『♯PCエンジン私の1本』というタグで色々なタイトル挙げられているのを見ていまして、こりゃ僕もなんか書かないと!書きたいよ!書いてみましょうよ!ということで今回の話です。正直、1本に絞るの無理。どのハードでも最低50本は欲しい。やっぱ100本ぐらいほしい。そんな状況でどれを選ぼうかと色々考えましたが、PCエンジンといえばそれまでのゲーム体験にはない初体験の出会いがありましたので、そのことについて書こうと思います。これなら悩まずにすっと書けますし。ということでまた長い昔話が始まりますがしばしお付き合いいただければこれ幸い。それでは。

PCエンジンとCD-ROM2が我が家にやってくるまで

安い買い物ではないのだけれど、意外と持ってたという人の多いPCエンジンとCD-ROM2(CDロムロムと読むのです)。みんなはどうやって手に入れましたか。定価24800円する本体とは別に57300円払って揃える必要があった初代から一体型のDUOやDUO-Rまで色々ありますし、それぞれに出会いがあり思い出があるかと思います。僕の場合は手に入れたのは初代のCD-ROM2で当時19歳、自室で汗流しながら遊んでたので1990年の夏頃だったかな。僕はこの頃地元の小さなゲーム屋さんでバイトしてまして、お店で買い取った箱説明書の無いPCエンジンコアグラフィックス(無印の後継機でこの子からビデオ出力対応に)をこの年の春先ぐらいに店長にお願いしてちょっとお安くしてもらって手に入れました。なので実は白い初代のPCエンジンは未所持。この頃の僕はセガ大好きっ子でメガドライブを先に手に入れたためPCエンジンまでは手を出せずにいたんですよね。とはいえ、バイト先がゲーム屋さんで、検品と称してPCエンジンのゲームもめちゃくちゃ遊んでたのであんまり未所持だったという印象ないけども。初代の面倒なRFスイッチからの接続も味わっております。CD-ROM2の方も同じような流れでお店で買い取ったものをお願いして少しお安く売ってもらったのでした。それでも4万円切るぐらいだったかなあ。定価の40%OFFぐらいの価格で手に入れてるのでラッキーだった……かどうかは正直よく分かりません。(のちに何度も訪れるシステムカードのアップデート考えるとDUOデビューぐらいがよかった気もします)

僕にとってPCエンジンとは?

本題に入る前にちょっと寄り道。どのハードにも遊んだゲームの数だけ思い出があり、いろいろな表情を見せてくれるものですが、それでもそれぞれのハードにはハードそのものの顔というか「〇〇といえばこんな印象」というものがある気がします。僕の場合プレイステーション2なんかは名作山とあるのに「どんなハードでしたか?」と訊かれると「初めて買ったDVD再生機で映画めっちゃ観た」と、ゲームよりDVD観られたことのが強く印象に残ったりしてまして。まあ、そんな感じで、出会ったゲーム以上に、環境を変えてしまった出来事をそのハードの顔と認識する節が僕にはあります。で、PCエンジンはと言いますと、僕の場合はもうこれしかない。PCエンジンは『高嶺の花だったパソコンのゲームやアーケードのゲームを、オリジナルに負けないクオリティで、お家のテレビで思う存分遊ばせてくれたゲーム機』ですね。この印象が強いのはナムコがめちゃくちゃ頑張ってアーケードの名作沢山移植してくれたのと、イースⅠ・Ⅱとこの後私の1本として紹介する作品の衝撃が凄まじかったというのが一番大きい気がします。ゲーセンやPCのゲームを家で思う存分遊ぶことは夢でしたからね。僕はこの頃36回ローン組んでPC-9801RAを手に入れてたのでPCゲームを遊ぶ環境は手に入れてましたけど、アーケードゲーム思う存分遊ぶことは夢のまま、ファミコンのスペックでは叶わなかったその夢を理想に近い形で実現してくれたハードでした。オリジナルもハドソンの作品群にヒューマンやナグザットに日本テレネットなどなど夢中になった作品いっぱいあるんですけど、やっぱ家でゲーセンのゲームがオリジナルに近い形で遊べるうれしさは、今思い返してもなんとも言えないものがあります。メガドラも世代的に似たような立ち位置なんですけど、メガドラはなんといいましょうか。メガドラは、セガハードは『セガだから』としか言いようのない何かがありまして。それに比べるとPCエンジンにはそこまで強烈なクセを感じない、不思議なことに。なんなんでしょうね。こればっかりはよく分かりません。ただ、この「セガだから」は、この時代を過ごした多くのゲーマーの方々は「ですよね」と返してくれそうな気がします。(笑)

PCエンジンはと訊かれたら僕のように初期のナムコやスーパーダライアスなどの移植作遊んで「お家にゲーセンがやってきた!」と喜んでた人と、世界初のCD-ROM搭載ハードとしてその特徴を活かしアニメとの融合を果たした作品を思い浮かべる人、そしてときメモの洗礼を受けたことが最も印象に残ってる人。この内のどれかか、これ全部かと思います。凄いこといっぱいやってるなあ。セガっ子だった僕だけど、「セガだから」とか「セガセガしい」とか言ってないでも少し真摯にメガドラの良いところ探した方がいいかもしれない。

マダオ青年、CD-ROMのパワーに平伏す

ということでやっと本題。PCエンジン僕の1本として取り上げるのはPCエンジンCD-ROM2のタイトルで、今遊んでも当時の衝撃が鮮明に蘇る『スーパーダライアス』です。
最初に書いた方法でCD-ROM2を手に入れた僕は、すぐさま別のゲーム屋さんに走ります。残念ながらバイト先にこれがなかったから。
「家でダライアスが遊べる!」3画面筐体じゃないけど雑誌で画見た限りそのままのグラフィックで動きそう。これが家で思う存分遊べるとなるとそりゃもうね。売ってるお店に走るしかない。スーパーダライアスは新品で買ったかなあ。その辺の記憶は曖昧なんですけど、とにかく数件お店を回って無事スーパーダライアスをゲット。たしかこの時ぎゅあんぶらぁ自己中心派も買ったんだった。あれも凄い面白くてなんか書けって言われたら色々思い出話書けそうですがそれはまた別の機会に。

ソフトも揃え、先に手に入れたハードを自室に広げてセッティング開始。まずはコアグラとドッキング。今思い出してもCD-ROM2セットしてる時の興奮は凄かったというか今思い出したらテンション高すぎて笑う。インターフェイスユニットを前に、左にCD-ROMを右にコアグラを。完全にスーパーロボットの合体シークエンス。ギミック的にはゴッドシグマの超合金で右足と左足くっつけてる時のソレが一番近いでしょうか。完全にバカ丸出しの男の子です。まあ、今のプレミアムバンダイの商売など見てると男の子はみんなバカなのがよく分かりますので男の子はそういうもんだということで。

本体の合体は済ませ、黄色のケーブルはテレビへ。赤と白のケーブルは横にあるコンポへ。電源も確保。システムカードもCD-ROMもセッティングOK。電源を入れるとCD-ROMがキュルルと音を立てて回り始めます。システム画面を経て、画面にはゲーセンで見てる映像が。いつもの三分の一サイズだけれども。それ以外はそのままのように見える。RUNボタンを押す。
「ゲーセンと同じ音がする!」
クレジット音に続いてコンポから流れるCAPTAIN NEO(1面のBGM)の衝撃。それまで家で聞くゲームの音はファミコンでしたから、いや、ファミコンにも迷宮組曲のボーナスステージやパルテナの鏡のBGMなど素晴らしく曲としても音としても印象に残ってて大好きなもの多いんですけど、当時先端の音鳴らしてるゲームはやっぱりアーケードゲームで、ダライアスはその中でも音楽環境に力を入れた作品でしたし、その心も体も震えるBGMが今、そのままのクオリティで鳴ってるという事実、衝撃たるや筆舌に尽くし難いものがあります。コンポに繋いで大音量で遊んでたこと、またCAPTAIN NEOって曲が音左右に振ってる部分が大変印象に残る曲なこともありましてほんと痺れたなあ。リゼロのペテルギウスじゃありませんが「脳が、震える!」というのはああいうことを言うのかもしれません。CD-ROM2には他にも「フロッピーディスク〇枚組のゲームが入れ替え無しで1枚に!」「ゲームでアニメーションが流れる!」などなど手に入れて以降衝撃を受け続け、ビデオゲームと共に歩んだ歴史を振り返ると現在当たり前のようにある仕様や演出の始まりを目の当たりにしてきたということになりそうですが、そんな体験の始まり、初めてCD-ROMというメディアに出会って受けた衝撃、ファーストインパクトは音の凄さだったと思います。また、CD-ROMになったことでゲームであると同時に、ゲームサントラになるというのが驚きでした。CD-ROM2、「CDなんだからCDプレイヤーでも再生できんじゃね?」と、当時手にした方は誰しも思ったことではないかと思います。で、実際に再生すると1トラック目に「これプログラムだからCDプレイヤーで再生しないでね」といった趣旨の警告メッセージが再生されます。これはプログラムが記録されてる2トラック目を再生するとガーガーピーピーとスピーカーや耳に大変悪い感じの音が鳴り続けるのでそれをさせないための警告メッセージなのですが、それをスキップして3トラック目から再生するとあら不思議、普通に音楽やSEが再生されてまして、CD-ROMのゲームは買うとサントラも付いてくるという一粒で二度美味しい代物でした。初代CD-ROM2はCDユニット単体にACアダプタ繋げると、電源あればどこでも使えるCDプレイヤーにもなりましたので、僕は枕元に持ってきて音楽だけ楽しんだりもしたなあ。思い返すとCD-ROMというメディアはお家のゲーム音楽大革命だったかもしれません。

ゲーム内容も元が3画面筐体のゲームということでその部分が心配されたものの、遊んでみると3画面をギュッと凝縮し1画面でも遜色のない、むしろその後ゲーセンで遊んで「3画面の方がちょっと大味で間延びしてるかも」とすら思わせる名移植だっと思います。

PCエンジン私の1本挙げるなら僕はネクロスな要塞かなあ。天使の詩も挙げたい。どれくらい知ってる人いるか分からんけどメディミックスの先駆けでもある電脳都市OEDO808のゲーム版も大好きなんだよなあ。ワールドコートやミニ四駆のクエストモードも捨てがたい。と、VC化されずPCエンジンminiの収録にも漏れた子をいろいろ挙げたい気持ちが大きかったりしましたが、CD-ROM2に初めて出会った時の話書いて、数十年前のことが昨日のことのように目に浮かび、やっぱめちゃくちゃ衝撃的な事だったんだなと改めて振り返ることが出来まして、僕としては書いてほんとによかったなと思ったのでした。
ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございます。noteで書き始めて昔話ばかりしてる気がしますので、そろそろ今のゲームの話もと思うマダオであった。そのためにまずはたぬきちへの借金返済と、春日一番の行く末を見届ける旅を完遂したい。
以上、PCエンジン私の1本に乗っかった昔話でした。
ではでは(・ω・)/

サポート頂いたものは概ねゲーム会社に回ると思います