見知らぬ収納スペース

4月7日火曜日。10時くらいに起床。冷飯を温め、トマトをカットし、塩辛と一緒に食べる。まだ寝ていた彼女の分のトマトも切っておいてあげた。少し経つと彼女も目を覚ます。簡単な身支度を済ませると、母親と電話をし始めた。彼女は母親ととても仲が良い。週だいたい1回、少なくとも1時間は通話している。僕は離れて暮らす家族とあまり電話をする方ではないので、単純にすごいなと関心する。

この日は、僕が仕事をしている横で彼女は母親と電話をし始めた。話の内容は筒抜けだ。彼女は1週間ほど微熱があって自宅療養中の身なので、最初は自分の健康について。このご時世だから大事をとって仕事を休んでいるだけで、特に体調が悪いというわけではないのだけど。それが終わると、昨日僕と一緒に見た映画「卒業」の話へ。

もちろん、僕は同じ部屋にいるだけなので、向こうの話し声は聞こえない。でも、彼女側の言葉から察するに、お母さんはダスティン・ホフマンなら「トッツィー」という映画が好きみたい。続いて話は「卒業」のサントラを担当していたサイモン&ガーファンクルに移る。どうやらお母さんはポール・サイモンが好きなのだそう。仕事をしつつも、そんな話が聞こえてきたので、「俺はアート・ガーファンクル派」とぼそっと呟くと、「○○くんはアート・ガーファンクル?が好きなんだってー」と、彼女がお母さんに伝えていた。ちなみに彼女のお母さんとは一度だけ会ったことがあります。

そのあとは強烈な眠気に襲われ、2時間ほど仮眠。目が覚めてスマホを触り、同じ職場の人のTwitterを覗き見していると(ひょんなことから知った)、自宅作業の期間を有意義に使ってスキルアップに役立てる旨についてツイートしていた。確かにそうだよなー。こんな機会、めったにないもの。それに僕も触発されて、勉強用の本を一冊ネットで注文することに。その人も、自分の預かり知らぬ形で同僚に刺激を与えていたとは、まさか思うまい。

本を注文するだけで満足してしまい、そのあとはやはりダラダラして過ごす。夕方になり、彼女が晩ご飯の準備を進めてくれる。さすがに少しは働こうと思い腰を上げてノートパソコンに向かう。するとキッチンの方から、「あ!」という彼女の声が聞こえてきた。指でも切っちゃったのかなと思って部屋を出ると、システムキッチンの最下段に新たな収納スペースを見つけて、その驚きで声を上げていたのだった。

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あ、彼女とは同棲しているわけではないです。この部屋に住み始めてもうすぐで2年。僕が全く気づかなかった収納スペースを彼女に見つけてもらったのです。ありがとう。

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