「プロ」はアップデートを怠らない

2019年最後の角座シティ、相当楽しんだんだなあ私。Twitterにめちゃくちゃいっぱい感想を書いている。クリスマスイブの公演だというのに!

でもうしろシティの面白さだけじゃなく魅力も伝わる素敵な日だったから、クリスマスイブだろうと何だろうとまったく後悔はしていない。

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角座シティ12月号おしまい。いつもは楽しかった記憶を反芻するのが楽しくて終演後すぐにいろいろ書き残すんだけど、今日は記憶の蓋を開けたら楽しかったのが消えてしまいそうで、このホカホカ感をずっと抱えていたくて、そーっと静かに帰っているところ。これから書くけど。嫌でも忘れちゃうからね。

OPトークはコンビニバイトの話と金子さんの地元話が中心。金子さんの地元は新潟の豪雪地帯でザ・田舎だから、親戚付き合いとか慣習の話は何を聞いても楽しい。雪で作った囲いに子どもが閉じ込められて木札を奪い合う行事「サンヨウ」とか。奇祭や習わしでコント作ってほしいなああ!もうあるかなあ。

阿諏訪さんがはしゃいで身を乗り出して聞いていたのも良かったなあ。仕事、イベント、トークじゃなくて「二人のおしゃべり」に立ち会ってる感じがして、この時間は毎回とても好き。
しかしコンビニ話の導入、なぜ「私阿諏訪から、お知らせがありまして…」と勿体ぶったんだ。結局普通のトークだった笑

ブリキカラスは着眼点とツッコミがとても良いなあ!下着泥棒のネタ面白かった。もっとテンポ上げちゃだめなのかな。ネタ面白いんだからメロディさんが表情で間を埋めなくてもトントンつっこめばいいのに、と思っちゃった。あの独特の空気感がブリキカラス、ってことなのかな。それもたしかにあるなあ。

グラシッククラシックは新ネタ訪問販売。この設定に慣れてきたせいか、おろしたてにしては前回よりずっと自然な漫才だった気がする。序盤のイエスマンのくだりなんて気持ち良かったなー。語弊を恐れず言えば、お遊びを見ている感は私の中ではもはやまったくないです。

うしろシティは絵画のコント。初めて見たけど、すごく性格の悪いコントだなあ笑。でもあるあるというか、テーマは違えど多くの人に心当たりがあるシーンじゃないかな。徒然草にも載ってそう、というか。前々回の有名人コントも然り、個性的なキャラを演じていないネタはわたしにはとても新鮮に見える。

今回のゲストは東大クイ研の川田さん。賢い人は相手を察するのが上手いな、とつくづく。彼らの世界での常識がここでは常識でない、と理解して言い直すシーンがたびたびあった。トークの受け答えも上手だったし。
プロフェッショナルと一緒に遊べる企画はとても良いな!すごさも伝わるし距離が縮まる。

とっても緊張されていて耳も赤くなっていたけれど、クイズ大会では芸人チームと一緒にボケたりしていて楽しそうだったのが印象的。
このコーナーは賛否あるし毎回制作陣が試行錯誤しているけれど、少しずつ魅力的な企画になっていると思う。私も知らない世界を楽しませてもらっています、ありがとう。

毎週のギガボで、毎月の角座シティで、毎年の単独ライブで楽しませてもらえるサイクルはなんて素敵なのでしょうね。知らない世界を恐れない(恐れながらも攻めていく)、好きなものや楽しむことを隠さない、一緒に歩むことを忘れない。ネタは勿論のこと、うしろシティはそういうところが素敵だと思う。

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角座シティでは毎月、普段なかなか知る機会のない特殊な道のエキスパートをゲストに迎えて話を聞いたりクイズやゲームをしたりするコーナーがある。ゲストは舞台慣れしていない人がほとんどだから打率が低く、お客さんの間では賛否も分かれているけれど、作家やスタッフの方々が毎回すごくがんばっている様子が見て取れるので私は応援したいな。この日は大学生ながら素敵なゲストで終始楽しかった。お客さんの反応も良かったみたい。

このコーナー然り、サンリオのキャラクター「グラシッククラシック」を演じることも然り、ちゃんとアップデートを怠らない姿勢が、うしろシティの好きなところ。お客さんを見て、関わってくれる人たちを見て、自分たちにできるベストを尽くそうとする姿は、プロだなあ、かっこいいなあ、とつくづく思う。

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