ラブレターズとザ・ギース

今年は個人的にお笑いライブ回帰の年になった。ここ数年バカリズムライブとシソンヌ単独以外ほぼ行っていなかったのだけれど、うしろシティの単独ライブですっかり味をしめた私は、他の単独ライブにも積極的に足を運んだ。

中でもラブレターズとザ・ギースは正直言って「食わず嫌い」枠。コント師として高い評価を得ているのは耳にしていたけれど、なんとなく敷居が高く感じられて敬遠していた。ラーメンズを「芸術」と崇めるような居心地の悪さというか。

でも行った。

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ラブレターズ単独「LOVE COMPLEX」とても素晴らしかった……おバカなものや人間くさいものをあんなにも緻密に作れるんだ、って終演後1時間経った今なお呆気に取られているところ。ずうっと二人の掌の上で転がされていたわけだけれど、あれだけ見事なら本望です。参りました。

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ザ・ギースコンプリートライブ「パワー」おしまい。本物の土嚢を担ぎながら登場し、板の上で生衣装替えをし、傷をえぐり合うようなスベり合戦をし、ハープを奏で、フライパンを曲げ(ようとす)る。「私たちは何を見させられているんだ」この一言に尽きるライブでした。喉がカサカサになるまで笑った。

何を見せられているんだ、っていうばかばかしさをあんなにストイックに突き詰められるザ・ギースはすごい。土嚢なんて中身新聞紙でいいのに。本物のハープとかリターンを凌駕するハイリスクなのに。リコーダーの演奏技術の高さで笑わせるって何だよ。負けた、完全に爆笑した。

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Twitterにも書いたけれど、コントってこんなにも幅広いのか!と改めて驚く。作り方、見せ方、笑わせ方、終わり方、みんな違う。し、大声で笑えるネタだけが正義じゃない。ラバーガールみたいにジワるのも、シソンヌみたいに後味悪いのも、ラブレターズみたいに少し切ないのもいい。

食わず嫌い枠の2組は完全に克服。とりあえずラブレは次の単独を待たずに足を運びたい。もっと観たいよー。

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