見出し画像

岐阜新聞 素描 第一話『舞台は山間のコワーキングスペース』 2022年11月2日(水)掲載

最初の原稿がなかなか決まらず、困り果てました。
岐阜新聞の編集担当者から、『何を書いてもいいです。お好きなことを書いてください』と言われて。

そう考え出したら、
書きたいことがいくつもいくつも出てきてしまい、とうとう収拾がつかなくなった。
これでは仕方がないので、まずは思いつくだけ綴ってみて考えるのはその後にしようと、色々書き殴ってみた。

そうしたらば。
まあ、出るわ出るわ、無責任で、他愛のない暴れまくった駄文がざくざくと。
昔、脚本を描いていた頃のように、面白おかしく茶化して自分を喜ばせる戯言だらけの迷文が飛び跳ねる。

しかし。
ひとしきり書きおわって読み直してみれば、
あーあー、これらは自分が書きたいことであって、
「ちょっと考えてみろよ。こんなの誰も読みたくないだろう」って、思っちゃった。
新聞に載せるような代物ではない。

そう思っちゃったら、
今度は何も書けなくなってしまった。
だって、多くの人が読みたいと思うようなことなんて、そんなもの持ち合わせていない。

で、開き直りなさいと。自分に言い聞かせた。
自分が思うことや、感じることを書くのも、自分を楽しませるのも、まずは一旦やめて。
そうしないとこのまま変わらない。別のものを書けっこない。
そうして書けることを書こうと。
書きたいとか、読みたいとかでなく。

それは何だ?となって、しばらくして割とすんなり思えたのが、
そうか、事実を正確に書いて、
それでしっかり自分自身で書ききれることであればいいのだと。
けっこう納得した。
そうしたらスラスラと出てきたのでした。


『モノクロの輪郭線のみで陰影や色、質感までを見れるように描き出すー』
『素描』の意味をそう解釈して、これの続きを書いて行こうと思えました。

と、前書きみたいなことを書くほどの文章ではないのだけれど。
そうそう、今日のこの一文こそ戯言で。
でも、一応納得して書けたので、よかったら読んでください、と出稿する覚悟ができたのでした。



岐阜新聞 素描 2022年11月2日(水)掲載 第一話『舞台は山間のコワーキングスペース』


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?