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岐阜新聞 素描 第四話『よそ者はなぜゼロを1にできたのか』 2022年11月23日(水)掲載

新聞に掲載された後になって、別の書きかたをしておけばよかったと後悔した。

特に2箇所。

ひとつは第三話の文末の間違い。

(掲載文)15年にまず4社を皮切りに、19年には24社のサテライトオフィスが開設されていた。
(訂正文)15年にまず4社のサテライトオフィスの開設を皮切りに、19年には24社の事業者が入居していた。

24社全てがサテライトオフィスではないのに、そう読み取れる。
事実に対して表現が間違っていた。

もうひとつはこの回の第四話。
一番重要なことについて書ききれていなかった。

移住者の事業の概要を紹介することはできたけれど、
一番伝えなければいけなかったことは、
その事業が、地域内の人材で実施されたことである。
それを書ききれていなかった。

もっと精査する時間があれば気付けたことだったので、すごく後悔している。

この回の原稿で紹介した移住者たちがやり遂げてくれた事業は、
コロナ禍前のインターネット文化が最適活用されていない状況の中で、
全国にまだ先行事例のない状態で、
先駆けてやり遂げたことであることは画期的で貢献度が高い。

そのことは間違いはないのだけれど、
それらがただ、「全国に先駆けて私たちの地域で始まったからよかった」という視点で語ってはいけないと思う。

例えばこれらの事業を、都市部のリソースが豊富な立派な企業に、
それなりの高額な予算で発注すれば、
コロナ禍となり数年経った今なら、
先行事例も幾多ある今なら、
あっという間にすんなりとできてしまうだろう。
でもそれではいけないと思う。
これらの事業をそのような方法で地域に実装しても、大きな問題が残るだけだ。

それは地方にとっては自分の首を絞めていくことに繋がっていく。
それは、お金を市外に支払って、市外の人材を育てている。
そのこと自体に罪はないが、
手に入れたものを運用する人材は、
結局のところ地域にはおらず、
投資した財産はいずれ朽ち果てる。
それでは、地方は立ち行かないと思う。

望むべきは、
地域内の人材にお金を支払って、
地域内の人材を育て、
地域内に専門家を増やしていくことだろう。

そのチャンスとなる機会を活かしていかないと
人口が激しく減少し続ける地域は、
財源を生み出す力がなくなる。
拍車をかけて財源が乏しくなり、
結果、市外にもお金を払えなくなって何もできなくなる。

自分たちで地域を支えきれなくなる。

岐阜新聞 素描 2022年11月23日(水)掲載 第四話『よそ者はなぜゼロを1にできたのか』


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