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「武蔵高等学校中学校」学校説明会に行ってきた

通算12校目となる学校説明会は、男子御三家の「武蔵高等学校中学校」の塾主催の説明会へ。数年前、御三家の各校長の話を聞いた際に、武蔵の校長がいろんな意味(芸術家肌のキャラクターやその風貌と佇まい)で印象的で、「本物志向」の教育内容に共感する点も多く、自分が受験生ならばここを受けたいなあと思ったくらいファンだったのだが、今年から校長が交代するということで、このあとの武蔵はどう変わっていくのだろうと、個人的に注目度の高い説明会だった。

結論から言うと、校長が変わってもやっぱりその印象は揺るがなかった。ただ、「新生武蔵」というキーワードも出ており、これから少しずつ変わっていくのかなという印象も受けた。新校長はクセのないとても真っ当なタイプの教育者に見え、個性的だった前任とはタイプが違いすぎる気もしたけれど、これはやっぱり学校としての意図があっての交代なんだよね…?有り体に言ってしまえば進学実績を上げるため、なのかなあ。

新生武蔵ということでは、主に「進路希望の実現」と「さらなる(内なる)グローバル化」の2つがテーマに挙がっていた。「東大進学率」という言葉は使っていなかったけれど、できるだけ生徒たちが希望の大学に進めるように、人生を通しての志を考えて、自主性や主体性を育てるための段階的な指導をするとのこと。

また、新校長から中学校選びのポイントとして、「本当に幸せな人生を送るために、10代をどのような環境で過ごすか?」「好奇心・向上心・公共心を大切に」という2つのメッセージがあった。偏差値至上主義になりやすい中学受験で、折に触れて思い出したい言葉だなあと。

以下、備忘録として印象の良かった点と悪かった点を。あくまでいち保護者の感想なのであしからず。


印象の良かった点

教育理念のひとつである「自ら調べ自ら考える」について。最近では渋谷系の学校でよく聞かれるワード「自調自考」だけど、きっと元祖はこちらなんでしょうね。10代で「自調自考」のエンジンを作り、試行錯誤することに意味があるとのこと。武蔵での学びは、「わくわく(好奇心)」と「わいわい(仲間力)」がキーワードで、さまざまなシーンでこの仕掛けを作っているそう。
1学年は160名と少なく、ゼミ形式の分割授業では1クラスを2分割して、約22名という少人数で、対話を重視した学びをしている。授業中の雰囲気は「わいわい」していて、ある意味「うるさい」とのこと。このあたりの感覚はいま通っている塾にも通じるものがあって、息子がよく言っているのが、上位クラスの授業は子どもたちが「うるさい」んだそう。先生の話に即座に反応する頭の回転の速さ、習ったことにすぐ紐付けられる知識の量、考えたついたことを口走る子、そこでさらに他の子どもが発言を重ねて議論が発展していく…これらの融合で教室が「わいわい」するんじゃないかなと想像。息子はまさに発言するのが好きなタイプなので、こういう環境で伸びていってくれたらと思っている。
豊かな自然のあるキャンパスで、本物に触れ、本質を追究する主体的な学びができる。例えば、理科では顕微鏡を作るところから始めたり、国語では変体仮名など原典を重視する授業があったり、中3で第二外国語があったり。一見遠回りに見えるが、学問の基礎・本質を追究でき、またそれを教える教師たちも専門分野の研究者なので、一緒に「学問」ができる。校長いわく、「自分の頭で考えさせる度量を(まわりの)大人が持つことが大事」とのことで、まあ言ってみれば「大学受験の勉強には直接関係ないけど黙って見守ってくださいね」ということなのだと思うけど、本当に、この度量を持てる保護者でありたいとつくづく思った次第。


印象の悪かった点

教育理念に共感する部分が多いだけに、この後、具体的にどう変わっていくのかがやはり不安というか、気になるところ。特にグローバル教育については、世界をつなぐ武蔵生、グローバルマインドセットを持ったフロントランナーを育てたいとのことなので、第二外国語(ドイツ、オーストリア、フランス、イギリス、中国、韓国と多様!)の提携校が多数あるのは特徴的だけど、英語の提携校がもう少しあればなあとも思った。今後、海外進学サポートなども充実させていくとのことなので、要注目。


その他雑感

中3では1年間のテーマ研究でプレゼンや論文の練習を行い、卒業研究をまとめ、高1の総合講座では30種類の講座から好きなテーマを選択し、グループでフィールドワークなど校外活動もする。また、校外学習はすべて生徒たちが主体となって運営されており、教員は見守るというスタンス。このあたりの自主性・自立の精神は、御三家ではどの学校にも見られる。
敷地内に大学があり、アカデミックな雰囲気。図書館も自由に使え、高大連携講座として、放課後の時間を使って、武蔵大学の正規授業を受講することも可能。


入試について

塾の説明会ではじめて「SCHOOL DATA」という学校単体の冊子が配られたのだけど、これは御三家だから特別なのかな?(御三家のほかの学校に行っていないので不明)
教科別入試出題傾向と対策、OBの声、保護者の声などのデータがまとまっていてありがたい。これは塾の説明会ならではの良さ。
塾の講師より、冊子をベースにした説明があった。武蔵は入試問題にクセがあり、過去問をやりこむことが大事。併願校は、2/1午後に東京都市大付属、2/2は巣鴨、2/3は都立一貫校や國學院久我山などが多い。都立とも出題傾向が似ているとのこと。
算数:途中経過を書く形式で解答欄がない。大問4題のうち、2問は取り組みやすい。部分点があり、途中の思考力を見ている
国語:大問1題で、物語文のこともあれば説明文のことも。記述問題が中心
理科:袋に入れて配られた道具について観察や考察をする「袋問題」が名物
社会:知識をベースに世の中のことをどれだけ知っているか?が問われる


最後に、学校HPに新旧校長の対談があったので貼っておく。

他のアーカイブ記事によると、現在の東大総長、早大総長、東工大前学長も武蔵出身なのだとか。この世代の武蔵はすごいな…。武蔵の教育が果たすべき役割と可能性として、「真に信頼されるリーダーを育てる」とあったけれど、それがうまく回っていた世代なんだろうなと。

実はまだ実際の学校に足を運んでおらず、文化祭や部活の様子、生徒の様子もわからないので、早く雰囲気を見に行かなくては…。

#中学受験 #学校説明会 #男子校


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