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「算数の一斉授業」は、もうやめた方がいい。

わたしは今、地方の公立小学校で支援員をしています。少し発達障害があったり、学校に不適応を起こしているお子さんが、少しでも学校に馴染んで、授業を受けられるように、普通学級に入って子供たちの手助けをするのが仕事です。

普通学級の中で、授業に同席していて、いろいろ気付くことがあります。その中で、近頃痛切に思うのは、「算数の一斉授業」は、出来る子にとっても、苦手な子にとっても良いシステムではない、子供たちにとって優しいシステムではないということです。

一律の授業を与えることが、果たして平等なのか?

1、2年生のクラスに入ることが多いのですが、30人弱の子供たちの算数の理解には、驚くほどの開きがすでにあります。学力差というより、幼稚園でやってきたとか、塾に行ってるとか、要するに前倒しでやっている子が少なからずいます。特に幼児教育を受けていなくても、小さいうちから数学的なことに興味があって、理解がどんどん進んでいる子もいます。よって、クラスの中には、入学前に2年生くらいの内容を理解している子もいれば、一方では、数字を書くのも初めて、みたいな子もいるわけです。

そこでどういう授業がなされるかといえば、日本では当然なのかもしれませんが、教科書の内容に沿った一律の授業です。入学してから、あまりにも簡単な内容にワリを食うのは、すでにある程度理解が進んでいる子たちで、必ず手を挙げられて表面上は優越感に浸れていいかもしれないけど、その実、理解が出来てることばかりで進歩はないわけです。少なくとも学校の授業ではずっと足踏み状態です。

そして一方では、1年生の内容といえども、段々に理解が覚束なくなってくる子が出てきます。一割くらいは、もうちょっとよく見てあげないと、と思えるような子たちです。

でも、残念ながら、時間をかけて見てあげなければならない、そういうお子さんたちに、それ程先生たちは時間をかけられません。30人弱の子供たちを相手に、文科省で決められたところの授業をして、ドリルをさせて、テストもやらなければならないのですから。

先生が自分の机の前に児童を来させて個別指導をされてたりもしますが、何しろ時間の制約があります。

理解の遅い子には、教科書の進度ではなくて、もう少し遅くするとか、教材をもう少しスモールステップのものにするとか、色々やりようはあると思います。算数が嫌だと思って入学してくる子はまずいません。それなのに、小学校に入ったばかりで、すでに苦手意識が芽生えて、算数が嫌いになり、萎んでいく様をみるのは、本当にかわいそうです。

水泳に例えて言うなら、今の算数の授業は、4泳法をマスターしている子に、もう一度息継ぎの練習をさせ、水に顔もつけられない子に向かって、さあ飛び込めといっているようなものだと思うのです。

ではどうしたら良いか。

それぞれの進度に合わせた個別指導に

極論に聞こえてしまうかもしれませんが、算数に限って言えば、一斉授業はやめたほうがいいです。全部、それぞれに学習を進める個別指導にすればよいと思います。

別に公文の宣伝をしたいわけではないし、内容をちゃんと知っているわけではないですが、公文では、各々がそれぞれにドリル(テスト?)を進めて、ちゃんと成果を挙げているようです。民間できちんと成果が出ているなら、公立の学校でも公文的なやり方を真似したらいいのに、と思います。

子供たちが「算数が好きだ!」と思っているうちに、どんどん進ませてあげて、本人が難しくなったと感じてきたら、本人の理解のペースに合わせてスモールステップでじっくりやらせてあげる。そんな風に出来たらいいのにと切実に思います。

学校が学ぶ場というなら、それぞれの子供が、それぞれに学ぶことが一番大事で、一律の授業にこだわる必要は全くないと思います。

みなさんはどう思われますか?




















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