Madam Arisa

こんにちは。マダムアリサです。イタリアンレストランをシェフの旦那さんとやりながら、家で…

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こんにちは。マダムアリサです。イタリアンレストランをシェフの旦那さんとやりながら、家では物語やブログを書いたりしています。占いもやってます→https://madamarisa.com

マガジン

  • あなたにもきっと心当たりがある気持ちを物語にしてみました。

    ある時不意に浮かんできた、ゆうこさんとニシノさんという二人の人物。彼らの家には、いろんな人が訪ねてきます。ゆうこさんとニシノさんの、不思議なお客さんたちの静かな物語。

  • イタリアンシェフ嫁のコラム

    ソムリエ、または接客のプロ、そして、人間観察のプロとして、レストラン、飲食業、接客について書いていくコラムです。

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マダムアリサのワイン占い

ボンジョルノ!! ソムリエールとして日々お客様と接する中で、 この方はこうゆうワインを頼みそう、、ていうの あらかじめ予想するんですよね。なんとなーく。 結構当たることが多いんです。 スタッフの子にも、どうやってワインを選んでいるのか知りたい、と聞かれたので、書いてみることにします。 もちろん、お料理とのマリアージュがいちばん。その上で。 (ちなみに、ワイン業界で最近マリアージュという言葉をあまり使わないのはmarriage「結婚」に対するイメージがあまり良くな

    • ねこねこ会議の前日にあったこと。

      今日は、ゆうこさんは仕事に来ています。 ニシノさんは、テレビの音も大嫌いなので、家にテレビはありません。 仕事場の休憩所でテレビを見ることは、 ゆうこさんの密かな楽しみでした。 職場に置いてあるコーヒーは粉っぽくて美味しくないので、 ゆうこさんはスターバックスのステンレスマグに、 その日の気分の飲み物を入れて、持って来ています。 今日選んだのはハーブティー。 休憩所で、リコリスの香りを楽しみながら、ボーっと、テレビを見ていました。 その番組は、 <団塊の世

      • 庭のひなたねこたちの会議。

        今日は、冬にしては日差しが暖かく、 窓のあるソファーの部屋で、ゆうこさんは、昨日あったことをニシノさんに話しています。 「で、病院に連れていったら、もう、赤ちゃん産まれちゃう状況で! 緊急帝王切開になったの。私も抱っこさせてもらったの。可愛かったよー!!! 美子さん、ケアワーカーの人と話をしてね、シェルターを紹介してもらったみたい。 そこで、しばらく赤ちゃんと一緒に暮らすんだって。 良かったよね。あそこのシェルターは、とってもいい感じだし、他に子供たちもいてるし。

        • 峯岸さんの身の上話。

          俺はさぁ、、。 小さい時に母親に捨てられて、施設で育って、一人で生きてきたんだ。 どうせ誰も俺のことなんて気にかけない。そう思って、知り合い以上の人付き合いをしないようにしてた。 だって、期待したって裏切られるだけだろ。 でもさ。彼女だけは違った。 仕事先で出会って、最初はたまに話す程度だったんだけど、こんな俺の話をさ、 真剣に、楽しそうに聞いてくれて。今までも彼女ってのは作ったことがあるが、どの女もアホでさ。 (確かに背が高くて鼻筋も通って、男前だな。私のタイ

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        マダムアリサのワイン占い

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        • あなたにもきっと心当たりがある気持ちを物語にしてみました。
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        • イタリアンシェフ嫁のコラム
          3本

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          峯岸さんのお話。続き。

          コンコン!コン! あれ、こんな夜中に誰だろうな。 ニシノさんはそう思って、ドアの近くへ行くと、 おい!助けてくれ!!! という声が聞こえたので、そーーーっとドアを開けてみました。 すると、そこには怪我をした男女が立っていました。 ニシノさんは、何かを察し、いつもの笑みを浮かべて 「ああ、どうぞどうぞ。私は医者でもありますので。手当しましょう。」 と、中へ招きいれました。包帯を巻き、傷を調べました。 ニシノさんには、不思議なヒーリング能力があり、根本的に直すこ

          峯岸さんのお話。続き。

          事故してしまった峯岸さんのお話。

          俺は峯岸。 今は、JALで、彼女が迎えに来てくれている空港へ向かっているところだ。 彼女とは遠距離恋愛だが、赴任先の土地の空気が合わないし、いてるやつもつまらない奴ばかり。 休みのたびに帰って、彼女と時間を過ごしている。 今の俺にとって、彼女との時間だけが、「生きてる」って、思える時間だ。 そうこうしてるうちに機体はランディング。 ドン!! ちっ。今日のパイロット下手くそ野郎だな。 手慣れてる俺は、上の棚なんかに荷物を入れない。 入り口の乗務員のおばさんにこ

          事故してしまった峯岸さんのお話。

          夫婦で飲食業をやるということ。

          ボンジョルノ! 自粛期間ひまだった私は、店のフェイスブックで、シェフである旦那さんとの馴れ初めをエッセイ風に書いておりました。 お客様から、 「読んでるよ!」とか、 「続きは?」 とかって言っていただくことも結構あり、何やら嬉し恥ずかしです。 まぁその続きのようなものを書いてみようと思います。 (気になる方はBottega DaiのFBをご覧ください) 私は、ワインは飲むのみ!のところから、嫁いだもんだから、二年間ほど塾に通ったりしてワインを勉強してソムリエの

          夫婦で飲食業をやるということ。

          宗教勧誘の女の人とおばあちゃんの対決。

          その日はいまにも雪が降り出しそうな寒いお天気で、 ゆうこさんも震えながらコートを脱ぎ、 ガスストーブの前で足と手を温めていました。 おばあちゃんはむっつりとしたまま、ソファーではなく座椅子に座り、出てきた日本茶をすすっていました。 先ほどまでポカーンとゆうこさんとニシノさんのやりとりを見ていた髪の長い女の人は まるで、別人になったかのように、おばあちゃんに話しかけました。 「おばあちゃん。大丈夫よ。私もあなたもね、心が綺麗だから、こんな優しい方達のところへ寄せてい

          宗教勧誘の女の人とおばあちゃんの対決。

          レストラン接客について私が思うところ。(炎上覚悟)

          ボナセーラ! 私は、JALの客室乗務員を経て、自分の限界に色々と撃沈し、仕事を辞めて地元、宝塚に帰った後、 もうニート状態でぶらぶらと飲み歩いていた時に、 今の旦那さんと出会いました。 大学生の頃から飲んで喋ることがすきで、 東京でも行きつけの店を作ってよくしてもらってました。 それがなかったら、もう、一瞬たりとも、縁もゆかりもない東京にはいれなかっただろうね。 地元で飲み歩いてたどり着いたお店のオーナーシェフが、今の旦那さんです。 だから、私は、オープン当初

          レストラン接客について私が思うところ。(炎上覚悟)

          雨の日は潜在意識に降りるチャンス。

          #雨の日をたのしく 雨の日を楽しく、ていうハッシュタグですが、ちょっと独特な私の雨の日の楽しみ方を書いてみたいと思います。 「水」の要素が強い、ていうか、息してるだけで溺れそうな雨の日。湿気。 そんな時には、キャンドルを炊きます。 「水」に対する「火」の要素が入り、なんとなく自分のバランスが取れる気がします。 そして、晴れの日ならば洗濯物を干したり、どこかへ出かけたくなるものですが、雨の日は、お部屋にいてじっとしようかなぁとなりますよね。 なんだか体も重くって、動

          雨の日は潜在意識に降りるチャンス。

          宗教の勧誘にきた女の人と、おしゃべりしてみたお話。その1。

          その日ニシノさんは、家でパソコン作業をしていました。 ゆうこさんは、仕事でいません。 コンコンコン。 ノックの音が聞こえました。 ニシノさんはピンポーンの音がとても嫌いで、ノック式のドアにしているのです。 ニシノさんは、楽しみにしていた資料が届いたのかな?とワクワクしながらドアを開けました。 するとそこに、青白く痩せていて、髪が黒くてながい女の人が、張り付いたような笑顔で立っていました。 「かみさまのお話を聞きませんか?」 ニシノさんは、あー開けちゃったなぁ

          宗教の勧誘にきた女の人と、おしゃべりしてみたお話。その1。

          家族にほっとかれてるおじさんやまにしさんのお話。

          「ね、見てゆうこさん。」 ニシノさんの視線の先には、庭で踏ん張っている一匹のしばいぬ。 あらぁ〜 と言ったものの、ゆうこさんはソファーに座ったまま、その様子を眺めるのみ。 ニシノさんも、庭を眺めるのみ。 踏ん張り終えてスッキリした様子で、ハーブの植え込みの上を嗅ぎ回っている様子を 二人でぼーっと眺めていると。 「あー!!!こらこらこら!!!もう!!また逃げて!!!しかも、うんちまでして!!!」 中年のおじさんがどこからか庭へと入って来ました。 ゆうこさんはに

          家族にほっとかれてるおじさんやまにしさんのお話。

          生きるのがなんとなくしんどいのぶお君のお話。

          その日はよく晴れていて ゆうこさんは朝から洗濯物を干してから、 珍しくオムライスでも食べようと、キッチンに立って、人参をきっていました。 硬めのニンジンにゆうこさんが奮闘しているうちに ニシノさんが起きて来て ベリーフレーバーのピンクのカプセルで、コーヒーを入れはじめます。 部屋には甘酸っぱい香りと、ニンジンをきる音だけ。 すると突然 コンコンコン。リーーーン。 とドアの開く音がしました。 ニシノさんは音に敏感なので、ピンポンという音が嫌いだと ノック式

          生きるのがなんとなくしんどいのぶお君のお話。

          私の潜在意識から拾ってきた物語たち

          急に物語が降りてくるのでちょっと書いてみます。 書いてみないと、次なにがやってくるか、わかりません。 長くなるか 短くなるか 舞台は、とある閑静な住宅街。 ちいさな駅からほど近いところにある小さな二階建ての一軒家が舞台です。 そこに住んでいるのは ゆうこさんとニシノさん。 二人はともだちとも言えるし、 パートナーのようでもありますが、 お互いに干渉はしないし、 淡々と一緒に暮らしています。 ゆうこさんはショートヘアで、少し癖っ毛。 ニシノさんは、サラ

          私の潜在意識から拾ってきた物語たち