隆 純米吟醸若水五拾五火入れ28BY(白隆)
先月はチーズと果物で日本酒を楽しんでいましたが、そもそも、Primar(商品名)という北乳のクリームチーズを買ったのは、トリュフとはいかないけれど、パンに添えて食べるようなキノコのディップを作りたかったから。
…という事で、やっとこさ、マッシュルームとクリームチーズのディップを思いつくまま作ってみることに。
刻んでガーリックと炒めたマッシュルームとPrimarを和えて、黒コショウと塩で味を調えただけのものなのですが、
ガーリックと黒コショウが、キノコの旨みとクリーミーさによく利いていて、パンに乗せると良い感じの肴に。
他に、もう一つ、数日前から食べたかった牡蠣のチャウダー、このクリームチーズには少し塩味がある焼いたソーセージやベーコン、ハムが合うので、家に合った名宝ハムトン、サラダ。
10年位前なら、迷わずワインを吞んでいたところですが…。
合わせたのは、1年半ほど冷蔵庫でお休み頂いた、
神奈川の丹澤山のふもとにある蔵、川西屋の隆 純米吟醸若水五拾五火入れ、28BY。白隆。
味わいに熟成みがほんのり、米の甘みの後から酸味、樽で熟成させて、酸味が引っ込んだ丸みを帯びたワインにも少し似たイメージ。
でも、日本酒は日本酒。『燗の方が向くかな?』と思い燗をつけると、熟成、燗酒の川西屋さんの本領発揮。
思いっきり温度を上げておいて、そこからゆっくり下って行くのを楽しむのですが、
膨らむ甘旨みと酸味、そしてピリッと辛い。この辛さが、黒コショウに似た辛さで、牡蠣のチャウダー、マッシュルームのディップ、ハムのクリームチーズ添え、どれにも合う。
そして、燗をつけたの?ってぐらい、冷やより、微かにあたたかい?ぐらいの温度で燗をつけてみた時には、花のような香りがふわっと広がり、コクと酸味が絶妙なバランスで、香りを含めて、マッシュルームディップを添えたパンの味わいとピタッと寄り添い一体化。
やるなぁ…だって、川西屋さんだもん。
白隆の潜在的に持つフルーティーさ、甘み酸味、寝かすことで深まるコク、旨み。
この味わいが、いろんな食材の旨みを受け止めながら、やさしく響くようなイメージのお酒。
ワインっぽい日本酒を求めるなら、日本酒じゃなくってワインを飲めばいいじゃんと思うし、
川西屋さんがワインっぽいのを狙うとも思わないのですが、
昔なら、ワインに合わせていた料理でも、よりぴったりくるお酒があるなら、別にワインじゃなくていいじゃんって思う。
ほんと、ワインも嫌いじゃないんだけど、こういう器用なお酒があると、ワインの出番が減っちゃうなぁ…と、しみじみと思う秋の夜でした。
(2018年11月7日)
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