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春は空からやってくる

数日前はとても暖かかったのに、今日の風は身を切るようだった。
『三寒四温』とでも言うのだろう。
風は冷たいけれど、空の色は変わった。
真冬の空の磨き上げられた青に、白い絵の具を落としたように。
湿り気を含んで、ほんの少しずつ柔らかく。

私の住む街は、空が広い。
なだらかな里山に囲まれて、低い家並みが続くから。
頭の上にぐるりと広がる空は、季節によって様々に色を変える。
その青いキャンバスの上に、気ままな雲が模様を描く。
昨日は、いろんな灰色の雲が空一面に重なっていた。
その前は、刷毛ではいたように、白い雲が流れていた。

「光の春」とはよく言ったものだ。
空は光のかたまりだから、春の輝きは一番に空に宿る。

そして柔らかい青空に、淡い黄色の風が吹くと、いよいよ春本番になる。

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