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そんなこと言われても困るね

相手を理解しようとするあまり、「まるでその人になってしまったかのような」印象を、君から受けることがある。その「相手」は集団のこともある。ひとりで集団になろうとしている。君はそういうひとだ。誰かを分かりたくて、自分を失くしてしまうんだよな。

僕は君に会いたいよ。
誰かに寄り添って、誰かに歩み寄って、誰かの痛みを代わりに請け負って。そんな君を愛しているけど、僕が愛しているのはその誰かの傷じゃない。
君がいい。
君に会いたい。
誰かになってしまわないで。「誰かの代わりになってあげなければ自分には存在する意味が無い」なんて誰が君をそんなふうにしたの?
何も知らずに僕はただ憧れていた。美しい感傷があるような気がしていた。君は、憧れなんかで誰かの痛みに触れたりしない。現実がそこにあったんだよね。

君の金縛りを僕が解いてあげられたらと思う。いつも「大丈夫だよ」って顔を見せてくれる君につい安心してしまうけど、本当は、隠した涙を理解したいよ。
せめて、君だけが強く在る必要はないんだと言ってあげられる僕でいたい。
君が分かりたい相手のことなんか僕は何も分からないけど、君が好きだからって僕は何も、好きになんかならないけど、それなのに僕は君を愛しているって言えるのかな?
言いたいよ。だって君の好きなものを一緒に好きになったって「あんまり嬉しくない」って君は言うよ。

もう憧れない。もう勝手に欲しがったりしない。
ただ離れて眺めている方が僕らしいんじゃないかとか、見守ると言えば聞こえはいいけど。
むしろ、そういう僕の方が君は好きなんじゃないかとか、君はたぶん「そうだね」って言ってくれるんだけど、そんな弱い僕はもう止める。

「弱くないよ」ってまた君は言うから、君の言葉は聞かない方がいい。そんなの、僕ばっかりが君を好きになる。
僕を好きになってよ。
誰かに優しい君なんかいらない。「いらない」なんて絶対嘘だけど。
嘘でごめんね。
僕はずっと君に会いたい。これは本当に本当。



恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。