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わたしたちの話をしよう

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これで生きていけるのかは分からないけれど、とにかく、「わたしたち」の話をするね。そのうえで、もっとできることを見つけ出すために、今のわたしに必要なことだと思うから。わたしたちには…
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2021年11月の記事一覧

真っ直ぐに行く先を見る

彼らは無事に行けるだろうか。僕には、道を渡すことしかできないけれども。それでも彼らは行くと言った。だいじなひとの力になれるだろうか。きっと大丈夫だ、彼らはとても勇敢で、本当によく、使命を分かっている。きっと大丈夫。怖くてもいいんだよ。その先に行かなければ出会えない時間が必ずあるんだから。怖いね。泣きながら行こう。そこへ抜けたら、きっと泣いている暇もなくなるよ。今のうちに泣いておこう。怖いね。僕は、決して汚れずにいるから。汚れることもできない。それだけ。それだけが、目印になるは

庭に鳴る宇宙

君のための僕であることを僕は知っている。 僕のための君が君の全てではないことを僕は知っている。 僕の愛はそれほど大きな愛ではない。 僕はこれで足りている。 君の愛は大きくてその全てを僕が受け取ることはできない。 だから僕は、君のその愛を、必要とするものに惜しみなく与えて生かせるように、君が愛したいもの全てを愛せるように、君の歩みを支えて生きる。 君は選んで僕の隣にいる。 君が僕を信じているから、僕も僕を疑わない。 僕のための君がいるから他の全ての君が機能するのだと君が言う

まだ、たまご

たまごを割る。時々、硬くてなかなか割れないのがあることに感動する。守られている感じがする。だけど、もしそのたまごがヒナの孵るたまごなら、ちょっと大変だろう。そのヒナには、たまったものじゃないのかもしれない。だって、ただでさえ簡単じゃないよね。たくさん時間をかけて、へとへとになって生まれてくる。ひと一倍硬い殻に包まれて生まれてくるヒナは、一大事なのではないかな。 殻は、強く守ってくれる。だけどそこから出て来たいときに、なかなか破れないとすると、果たして、無事に孵れるのか、ここで