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色の絵

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見出し画像に色の絵を使っている記事です。どの絵も気に入っているので、見てもらいたいなと思ってマガジンにまとめました。ほんのすこしですがみんなのフォトギャラリーにも上げていますので…
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#詩

日記にも書かない

なにかあっても、 なにもなくても 何も言わないから、何も無いよ 僕だけが知っている 僕までも忘れてしまう なんでもないこと、 なんにもないこと 毎日考える 毎日忘れる 誰か見てるの? 誰も見ない。 僕はいない。 読み返した日記帳 書いていないことも思い出す 書いてあるのに覚えていない なんでもないんだよ。 忘れたことも忘れて、どこかでまた考えて、 違うページに書いたのかもしれないよ 書いてあるかもしれないね 書いていないよ、たぶん。だって、 書かなかったんだから。

今日泣かない

今日は、泣かない 笑っていようと決めたからではなく 泣く必要が無いと感じるから 今日は泣かない 心を戒めているものが解かれた そんな感覚があった しかしまだ、しっかりと飲み込んで、 身体を巡るのを確認してからでないと そうだ、本当に「自由」になったのなら ちゃんと、身体が分かるまで 自由を、身体が、理解するまで 声を出したら、壊れてしまうだろうか? 泣けるようになったことは、あまりにも喜ばしく 身体が一つの機能を取り戻したと思った 内臓が硬直して 呼吸がぎこちなくなる

過去

心臓じゃなくても、切れば血が出る 心臓じゃないところを切って、 血が出るのを見て、生きていることを確認する そういう行為みたいに、致命的な言葉を避けて その言葉を使わなくても、 心の状態が分かる言葉を 探し出して、吐き出す 本当に言いたいことは、 どう言葉にしたって出てこないのだから 言葉では出てこない 吐いたら自分に突き刺さって 命を落とすかもしれない鋭い言葉を 敢えて選ばなくてもいい 優しい言葉も要らない やり過ごすのがどうしても下手な時がある 心臓さえ切らなければ生きら

いつかの月夜

夕方から夜にかけて 雲の広がる日が続いていたから 久しぶりに会えた夜の月 夜の雨は好き 昼の月も好き 曇りの夕方が好き 満月が近い 雨が降るかもしれない 日が長くなったな 月の夜に、何を思うだろうか 月のない夜に、何を思うだろうか よく晴れた満月の夜は どうしてか、やはり美しい どんな夜も どんな月にも それぞれに思うことはあるけれど 明るい満月には あなたを見ないわけにはいかないと思うのです

よい眠り

良い夢を見ていたわけではなかった。 すっかり忘れてもいない。 けれども、よい眠りだったと感じる。 なんとなくの痛みを残しながらも、そこから起き出せる。 幸せで動きたくない目覚めもある。 怖くて逃げ出したい目覚めもある。 よい眠りだった。 痛みが遠くにある。安心できる距離で。 夢と記憶はどこまでが繋がっていて、どこからが無関係なのか。 手を振った。 今を脅かすほど傷つくというのに、夢の側に、とどまっておこうとすることもあったけれど。 忘れてしまわないようにと。 体に戻る感

完全

「生きること」を、探し求めている。 「あなたとは違う」と、拒みたいのではない。 ただ、誰とも同じではないと、胸が、叫ぶだけだ。 自分だけが生きていると言いたいのではない。 みんなが生きている。(あるいは、生きていた。そして、生まれてくる。)すべては等しく生きている、その命は、よくもなく、わるくもなく、皆、等しく、誰とも同じではない。 「私は誰とも同じではない」というのは、「私は全ての命と等しい」ということであって、しかし、「私とあなたは同じだ」と言おうとする時、なにか、意味

くたくたのうた

あたまが疲れて よかったなあ からだが疲れて よかったなあ こころが疲れて よかったなあ あしたはもっと強くなる あしたはもっと元気になる きょうはくたくた またあした あたまが疲れたのは あたまを よく 使ったから からだが疲れたのは からだを よく 使ったから こころが疲れたのは こころを よく 使ったから あしたはもっと強くなる あしたはもっと丈夫になる 楽しいことには うんと体力が要る 怒って 泣いて 笑って 疲れる もっと怒って もっと泣いて それで もっと

くもりのしごと

もくもく 広がる 雲みたいに もくもく 集まらずに 溶ける もくもく くもりの日はいいな 「わからないまま」が 好きなだけ 宙を泳いでいられるよ もくもく 言葉は楽しいね ぴかぴか ざあざあ 生まれる 光がある きもちを守る 雨がある でもきょうはくもり だいじなのか そうでもないのか そんなこともきめないきもちで たのしいなあって ただことばであそぶよ ことばとあそぶよ きらきら しとしと 光は あきらかに 雨は 境界をつくって隠す その両方を抱きながら くもり

どこまでも、ただ心を澄ます。 どこまで潜ってゆけるだろうか。 どこまで晴れてゆくだろうか。 どこまでも。どこまでも。どこまでも。

ぷかぷか。星を浮かべるよ。 聴こえるように、聴こえないように。 視えるように、視えないように。 触れるように、触れないように。 気持ちを抱いて、ひとりぼっちを導くよ。

夏を呼びたいなら声をあげるよ

この声を必要としている君は、きっと大きな音に怯えているだろうから、大きな声を出すわけにはいかない。 僕の声が、君を追いつめる世界を壊すほどの力を持てばいいけれど。 それでは君に届かない。 君は破滅を望まないだろう。 だけど、優しさで覆ってしまったら、優しさだけを欲しがるなにかが、僕の声を、歌を、奪いに来る。 強いふりをして、弱いふりをして、優しいふりをして、悪いふりをして。 そうやって、上手にすり抜けて、なんとか君に届きたい。 僕を嫌ってもいい。 だけど、僕の歌は、君に

宣言

「ここに意志を示す」 あなたは本当に私を愛しただろうか。 何度でも聴きたかった。 手を離せると思う前に引き裂かれた心が、 治癒することはもうないのだろう。 その時はもう、永遠に来ない。 この心が完全な私なのだと思う。 生きてゆく。 私は私を満たして生きてゆく。 他の誰にも許さない。 私はそれでいい。 水彩色鉛筆(STAEDTLER KARAT, karat aquarell) バイオレット、シアン、ブルーを中心とした絵。紫を際立たせて、青を塗りたかった。他に、ラベンダー

書いた手紙を出さずにおくよ

言わないことがある。 言えないのではなく、言いたくないのではなく、言わずにいる。 言いたいと思えただけで、その気持ちを抱けただけで、 わたしには、優しい風が吹いたから。 あなたに言葉を渡すのは、いまじゃなくても構わない。 受け取りたいとあなたが思えば、わたしはこの手紙を、きっと届けるよ。 わたしの過去に種を蒔いてくれた。 諦めたつもりのかかわりにもう一度向かう勇気をくれた。 何に怯え、何を守ろうとしているのか、 何のためのたたかいなのか、気づかせてくれた。 この時間が、あな

朝が満たす

どうして どうして、 こんなに簡単な気持ちを 言葉にすることができないんだろう カーテンの隙間から差し込む光が きれいだなって、窓を開けたら 虹が見えたんだよ ただ、きれいな朝焼けを見るつもりで 一瞬のことかもしれない 雨雲が広がって 明るい青空も見えているのに ぱらぱらと雨が降っていた 雀がさえずる 何を伝えているんだろう 雨の日の小鳥みたいに 本当はおしゃべりなわたしを どうやったら自由にできるかな 瞬間の気持ちが わたしに扉を開けさせる あなたに会える気が