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色の絵

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見出し画像に色の絵を使っている記事です。どの絵も気に入っているので、見てもらいたいなと思ってマガジンにまとめました。ほんのすこしですがみんなのフォトギャラリーにも上げていますので…
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2021年11月の記事一覧

大地を確かめる

君のための森がある。 開く必要はないんだよ。 迷わせる場所ではないのだから。 入ってみれば分かるのだから、 深い優しさで作られた森であること。 喜びで育った木々であること。 豊かな土と美しい水が守られていること、 澄んだ空気がそこにあること。 この森を誰にも開きたくないことを、悲しく思わなくていい。 君のための森だよ。 君を本当に分かってくれるのなら、 そのひとはきっとこの森を癒しと感じるはずだ。 君の命がここにあることを、きっと感じてくれるはずだよ。 閉じていないんだよ

きっといいことがあるよ

ゆっくり読む。 ゆっくり書く。 ゆっくり話す。 ゆっくり聴く。 忘れがちなこと。ゆっくりね。ひとつひとつね。 しっかり吐く。ゆったり寛ぐ。 じっくり考える。どっしり構える。 のんびり過ごす。 せわしない時間の中にいるのであればこそ。 だいじなこと。現在地を確かめる。 今日の天気はどうだった? お月さまはいつでてた?今日はまだ、見えなかったかなあ。 朝ごはんはおいしかった?なにを食べたかな。 読んだ本には、どんなシーンが書いてあった?どんな会話をしていたかな。 ゆっく

風をつくる

風を待つ。 風を読む。 風に乗る。 風を入れる、 風を通す。 風になる。 風が吹いている。 風が撫でる。 風が呼ぶ。 「風をつくるよ。」 そう思って描いた絵。 ぐるぐる。様々な向きの、流れがあるでしょう? やわらかなイメージの線だけど、原色に近いはっきりした色を使った。 強い意志の風が在る。心が広がりを求めている。 グリーンとサンド(イエロー)を中心に描きたくて、浮くかなと思いつつ入れたレッドが効いてる。グリーンに青みがあって好きだな。 この時期、しばら

季節を想う

窓を開けて掃除をする。秋だなと思う。 傷みが気に掛かっていた本を手入れした。 コートやかばんも、クローゼットから出して風を通した。 窓をよく拭く。結露の季節になるから、気をつけなければ。カーテンも洗いたい。日が短くなってしまう前に、洗濯しておきたいものは何だったかな。急かされるように部屋を見渡す。 秋の掃除が好きだ。初夏に風を入れるときとはまた違う。爽やかで乾いている。 ぴかぴかの窓から外を見る。 季節の底に向かっている。 旅のにおいがしてきた。そのための支度をしているんだ

目を開くから呼んでいて

朽ちることが怖いのではない。 生きたいから痛いのだろう。 溶けるように、土に還る。 目を閉じ、頭の中に、描く。 己の身体がどこへ行くのか、 分解される生きた身体を、 思うとどうにも幸せで、 なにかやりきれない気もする。 ただ泣くことしかできない時間を 過ごしたあとの、夜明けの気配。 あたらしい旅のにおいがしている。 もう、気がついてはいるけれど。 そろそろ行きたくなっているだろう。 留まることが己ではないと、 忘れることなど、できないはずだ。 還ることならいつでもできる