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三日坊主日記 vol.245 『臺北市立美術館』

台北3日目。


この日はアート三昧の日にする予定。まずは臺北市立美術館でウィリアム・ケントリッジを見る。


この人はヨハネスブルグの現代美術家で、手描きアニメーションで世界的に有名な人。その手描きアニメーションというのがとてもユニークで他に見たことがない。


デッサンをそのままアニメーションしているんだけど、必要な動きを何枚も描くのではなく、最初に描いた一枚の動かしたい部分だけその都度消して、消した後にまた描いていくのだ。つまり、誰かが瞼を閉じるとしたら、目を開いた顔を描きそれを撮影する。次に開いた目の部分だけを消して少しだけ閉じた動きを描き撮影する。また消して更に閉じた絵を描く。この繰り返し。もちろん、消し跡は残るが、その消し跡さえも効果的で、消し跡がないと成立しないんじゃないかとさえ思える。


テーマは重い。お国柄なのかどうかわからないが、奴隷問題や侵略や殺戮など。これらのテーマにこの人のタッチがよく合い、言葉がなくても言いたいことがひしひしと伝わってきて、凄惨な実写のドキュメンタリー映画を見ているような気になってくるのだ。いろんな意味でとても刺激的で、非常に勉強になった。


この臺北市立美術館はとても広々としているというか、実際に広い(だいたい海外の美術館や博物館はとても広いのだけど)。いろんな展示を皆が思い思いに楽しみ、ゆとりある時間を過ごす。大人も子供も気軽にアートに触れる環境ができている。しかもリーズナブルに。政府もしくは自治体から手厚い補助があるんだろうな。どこかの街と違ってうらやましい。


もっとゆっくりしたかったのだけど、ひとり旅じゃないんで後ろ髪引かれながら臺北市立美術館を後にした。近いうちにまた必ず来ようと思う。


国立故宮博物院とギャラリーなども回ったんだけど、時間が全然足りなかった。残念。



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