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三日坊主日記 vol.3 『墓参り』

三日坊主最大の難関、三日目がやってきた。なんで日記なんかつけようと思ったのかと早くもちょっと後悔している。

けっして日記のネタ作りのためではないが、母の墓参りに行った。ウチには正月に墓参りをする習慣はないんだけど、今日は妻の仕事が休みだったので行ってきた。

ウチから車で20分程のところにある浄土真宗のかなり立派なお寺。創建は1477年ということなので、宗派の中でもかなり古い方なのかも知れない(知らんけど)。本堂には立派なご本尊と境内には府の天然指定物の大銀杏がある寺。ここの墓地に母は眠っている。

我が家にはそもそも墓がない。というか、母は父と離婚して父の姓を名乗ったので入る墓がなかった。僕自身、墓とか仏壇に興味がないので、母の死後とか自分の死後のことはあまり考えずに過ごしてきたんだけど、数年前に母が命に関わる病に罹った時に、自分の死後はこのお寺に祀って欲しいと言ったのだ。

母は強い人だった。女手ひとつで僕と弟を育てた。したくもないのに母親役と父親役をしているというのが口癖で、確かにそういうところのある強い人だった。そしてその真骨頂が自分の死を覚悟した時のディレクション。我々に負担をかけないように、あらゆることの始末を自分で考え僕に伝えてきた。その一つが墓のこと。だからおかしな言い方かも知れないが、母が亡くなってもあまり手を煩わせられることはなかった。立派で見習うべきことだと思う。

墓が近いとお参りする回数が増える。ひとりしかいない母親が祀られているからかも知れないが、割と頻繁に(というほどではないが)訪れる。まあ、それもあの人の計算なんだろうけど。で、なんで僕は正月三ヶ日からこんなことを書いてるんだろう。これも母の計算だったら怖いな。

ちなみに母の一件でこの寺のご住職と懇意になり、僕の映画『泥の子と狭い家の物語』で読経して貰い、法衣もお借りした。その節は大変お世話になりました。ありがとうございます。


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