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映画『泥の子と狭い家の物語』公開日記 〜刈谷日劇〜

4月15日、愛知県刈谷市の刈谷日劇で『泥の子と狭い家の物語』の上映後舞台挨拶をさせて頂きました。

刈谷日劇は1954年に開業した老舗の映画館(1971年に現在の名鉄刈谷市駅前に移転)。2012年からは単館系ミニシアターとしていろんなジャンルの映画を上映しています。こういう映画館があればこそ『泥の子と狭い家の物語』ような小さな小さな映画もお客様にご覧いただけるのです。今回ご縁があって2週間の上映。本当にありがとうございます!ということで、主演の織田ひまりちゃんと一緒に舞台挨拶に伺いました。

ひまりちゃんと会うのは久しぶりなんだけど、すっかりレディになっててビックリ(4月から高2)。撮影時(中3)と比べたら大人と子供です笑。今回は挨拶と写真撮影会の他にも質疑応答やプレゼントを賭けたジャンケン大会など、たっぷりと楽しい時間を過ごしました。

今回、お客さまから出た質問に「演技経験のなかったひまりちゃんに現場でどのような演出をしましたか?」というのがありました。答えは「ほとんど何もしていません」です。理由は、ひまりちゃんがしっかりと準備をして現場に臨んだから。これまでも何度かお話していますが、彼女は僕に、内田小豆をどう演じれば良いですか?と最初に聞いてきました。演技経験のない中学生がいきなり映画の主役に抜擢されたんだから、当然の質問だと思います。

しかし、演技経験のない中学生が会った事もない他人を演じることができるか否か。僕の考えでは無理です。だから演じる必要はないし、演じることはできないと思う。脚本に書いてあることが自分に起きたら織田ひまりならどうするか、それだけ考えて動けば十分ですと伝えました。

僕は普段、CMなどの広告映像を作っています。15秒とか30秒とか長くても1〜2分なんで、出演者を細かく演出することがあります。ここからここまでこう動いてください。その時の目線はこうで、手はこちらに置いて、こういう表情を作ってください。もちろんいつもそうする訳ではありませんが、経験の少ない人でもそうやって乗り切ることができます。短い映像だから。でも、2時間もある映画でそれは不可能です。自分が選んだ織田ひまりが内田小豆。彼女と心中する覚悟です。

ひまりちゃんは見事に期待に応え、主演女優という大役を果たしました。撮影中も極力余計な指示を出さないように心がけて臨みましたが、その必要もほとんどなくほぼ放置状態。本人はかなり不安だったようですが、最後まで頑張ってくれました。

ちなみに、今回の映画の出演者全員に同じ手法をとった訳ではありません。中には手取り足取り演技指導した人もいます。だからやっぱり織田ひまりという俳優が頑張った結果だと僕は考えています。そういう観点から見ると、また違った映画の楽しみ方ができるかも知れませんね。

余談ですがこの日はたっぷりと時間があったので、大阪から名古屋まで久しぶりに名阪特急(元クライアント)で行ったのですが、まさかまさか、どこかの踏切で線路内に車が侵入したらしく大きく遅延。到着即登壇という不測の事態を招いてしまいました。しかも終了後はろくに挨拶もせず移動するスケジュール。支配人さん及びスタッフのみなさまには本当に申し訳ありませんでした。ごめんなさい。これに懲りずまた呼んでくださいね。ありがとうございました。

「刈谷日劇」では、4月27日(木)まで上映しています。
■19:40〜21:40


その後は、東京高円寺「シアターバッカス」で上映が決まっています。
■5月6日(土) 11:00〜/14:00〜/17:00〜
■5月7日(日) 11:00〜/14:00〜
両日とも全回上映後舞台挨拶を予定しています。


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