三日坊主日記 vol.137 『改めてキース・ヘリング展』
キース・ヘリングを初めて見たのはいつ頃だったろう。
おそらく何十年も前で、アートに疎い僕のことだから、テレビとか雑誌とか、マス媒体で出会ったんだと思う。シンプルで力強い線。ポップな色使い。無駄を削ぎ落とした造形。とても良くできてるんだけど、なんだかちゃんと見るのが照れくさいというか、あまりにも明快すぎて、じっくりと鑑賞することがなかったように思う。今回、妻がどうしても行きたいというので、お供してきた。
感想。とても良かった。
なんだかアホみたいな感想だけど、ひとことで言うと行って良かった。150点ほど展示してあったそうだが、どの作品もひと目見てキース・ヘリング。当たり前のようだけど、どの作品を見ても誰の作品か分かると言うのは結構すごいこと。そして何十年の時を経ても全く古びていない。ポップでライトな作品なんで時を経ると古くなりそうなものだけど、それが全くない。今見ても新しいのだ。
そして、まとめてみると、その作品たちに込めた強いメッセージがひしひしと伝わってくる。彼が作品に込めたであろうメッセージが、時を超えて作品から発せられている。何年経ってもエネルギーを発する鉱物のような力を持っているように感じた。
僕も表現者のはしくれとして言うと、伝えたいメッセージはある。そのメッセージをいかに伝えるか。どういう表現い落とし込むと、早く、強く、人に刺さるのか。クドクドと垂れ流しても誰も聞いてくれない。どんなに良いメッセージでも、アウトプットがつまらなければ誰も振り向いてくれない。いかにシンプルに。力強く。楽しく。心地よく。説教くさくなく。そして分かりやすく。
お手本のような作品だと思う。キース・ヘリングは選ばれた人だった。
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